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タイラバが上手い人の共通点|着底・等速巻き・巻き上げ距離と釣れない時の直し方
タイラバが上手い人は何が違う?船長とメーカーの解説で分かる操作と考え方
タイラバに何回か行ってみたけれど、同じ船に乗っている周りの人ばかり釣れて、自分だけアタリが少ない。そんなモヤモヤを抱えていませんか。同じように落として巻いているはずなのに、なぜ差がつくのか、気になりますよね。
タイラバが上手い人のコツを調べると、特別な裏技があるように感じるかもしれません。ですが、メーカーと船長の解説を読み比べてみると、上手い人がやっていることはかなり地味です。着底をしっかり取り、すぐに巻き始め、等速巻きを崩さず、巻き上げの距離を決めて、船の流れを意識している。土台はこれだけなんです。
そのうえで、上手い人は釣れないときの直し方が違います。船長の助言をすぐ試し、釣れている人のヘッドやネクタイ、巻き速度を素直に取り入れて、反応がなければ一つずつ変えていく。この順番があるから、釣れない時間が長引きにくいのかなと思います。
この記事では、ダイワの公式解説(鹿児島・錦江湾で遊漁船を出している船長でもあるDAIWAフィールドテスターの解説)と、Honda公式の釣り情報サイトの入門解説を突き合わせて、タイラバが上手い人の操作と考え方を、次の釣行で真似できる形に分解しました。水深ごとの巻き上げ距離と回転数の目安表、釣れないときに見直す順番のチェック表も用意しています。
この記事で理解できることは、次の4つです。
- タイラバが上手い人に共通する着底と巻き始めの操作
- 水深別の巻き上げ距離とハンドル回転数の目安
- ダイワとHondaの解説の共通点と違い
- 釣れないときに見直す順番と安全の準備
タイラバが上手い人に共通する基本の操作

結論から言うと、タイラバが上手い人は、着底・巻き始め・等速巻き・巻き上げ距離・船の流れの把握という5つの基本を、毎回同じようにこなしています。どれも入門解説に書いてある内容ですが、1投ごとに確実に繰り返せているかどうかで差がつきやすい部分です。
この章では、DAIWA「How to タイラバ」(鹿児島県の錦江湾で遊漁船JUMBOの船長を務めるDAIWAフィールドテスター・平田俊也さんの解説)と、Honda公式の釣り情報サイト(Honda釣り倶楽部)の入門解説を並べて、基本の操作を順番に見ていきます。Hondaの解説は、2019年5月の情報をもとに作成されたと明記されている入門記事で、最新の情報とは異なる場合があるとも注記されています。2つの解説の比較表も途中に置いているので、自分の釣りと照らし合わせてみてくださいね。
タイラバが上手い人は着底を最優先にしている

タイラバが上手い人は、何よりもまず着底を確実に取ることを優先しています。どんなにネクタイや色を工夫しても、底が分からなければその後の操作が全部ずれてしまうからです。
ダイワの解説では、マダイは基本的に底付近に生息する魚なので、確実に底を取ること(着底の確認)は何よりも優先して覚えるべきこととされています。さらに「着底が分からないことにはタイラバは始められません。」とまで書かれていました。上手い人が着底にこだわるのは、ここが釣りのスタート地点だからなんですね。
着底の見極め方についても、ダイワの解説は具体的です。「リールのクラッチを切り、スプールの回転が一瞬止まる瞬間をとにかく見逃さないこと。」とあり、スプールの回転を邪魔しない程度に軽く指を添える(サミング)と、着底が格段に分かりやすくなると説明されています。サミングの強さを変えれば、落下速度のコントロールもできるそうです。
次に、ヘッドの重さ。Hondaの入門解説では、使うタイラバの重さを「水深=グラム数」で考えるとされ、「水深80mの場所なら80gが基本だ。」と紹介されています。ただし、風の有無や流れの速さで重くしたり軽くしたりの調整はする、という但し書きつきです。そして「底が取れないと釣りにならないので、必要以上に軽くすることはない。」とも書かれていました。
ダイワの解説も方向は同じで、ヘッドは確実に底が取れる重さを選ぶ、という考え方です。ダイワの解説が本末転倒だと戒めているのは、斜めがいいからと軽いタイラバを使い、底が取れなくなってしまうことでした。
では、次の釣行で何をすればいいか。まずは予約のときに船長へ重さを聞き、当日は1投ごとに着底が分かったかどうかを自分に確認してみてください。スプールが止まった瞬間が分からない投入が続くなら、重さを見直すサインです。迷ったら船長に相談するのがいちばん確実かなと思います。
ダイワとHondaの解説を並べた比較表
ここで、2つの解説の内容を項目ごとに並べておきます。この記事でそれぞれの資料を要約したもので、資料に書かれていない項目は「—(記載なし)」としています。
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| 項目 | ダイワ(平田船長の解説) | Honda(2019年の情報をもとにした入門解説) |
|---|---|---|
| 着底 | 何よりも優先して覚えるべきこと。クラッチを切り、スプールの回転が一瞬止まる瞬間を見逃さない。サミングで着底が分かりやすくなる | しっかり着底させられることが第一。底が取れないと釣りにならない |
| ヘッドの重さ | 確実に底が取れる重さを選ぶ。斜めに引くために軽くして底が取れなくなるのは本末転倒。予約時に船長へ何gの何色が釣れているか聞く | 水深=グラム数(80mなら80g)が基本。風や流れで調整するが、必要以上に軽くしない。アタリがないときの調整として、潮の流れが非常に緩い場合は底が取れる範囲で軽く、速い場合は重く |
| 巻き始め | 着底したら間髪入れずに巻き上げる(タッチ&ゴー)。最初の数回転は速巻きでラインのたるみを回収 | 着底したら速やかに巻き上げる。巻き上げは終始一定の速さ(最初の数回転の速巻きは記載なし) |
| 巻き上げ距離 | 水深の3分の1から2分の1程度までが目安 | 船長が指示してくれる場合が多い。指示がなければ、人にもよるが、ひとまず水深の1/3もしくはリール30回転くらいが目安 |
| アタリが出たとき | —(記載なし) | アタリを感じても一定速を保ち続ける。サオに重みが乗ればフッキングしている |
| 反応がないときの変化 | 基本は等速。活性を探るために速巻きやスローを試す。時には巻いている途中で急に止めたり、速度変化を入れることも。追尾があるのに食わないなら巻きスピードか色・シルエットを調整 | ヘッド・スカート・ネクタイを交換。巻き上げる層や速さを変える。速く巻くときも一定速は守る(途中で止める・速度変化を入れる記述はなし) |
| ネクタイ・色の替え方 | 低活性は微波動、高活性は強波動。微波動で反応がなければ一気に最大波動へ。周りが微波動なら自分だけ強波動を試す | 多くの釣り場でオレンジ系の組み合わせが基本パターン。反応がない色から遠い色へ。スカートよりネクタイを多く変える。傾向として、真っ直ぐな形状は微波動、丸まった形状やカーブした形状は強波動 |
こうして並べると、着底・重さ・巻き上げ距離は、2つの解説でほぼ同じ方向を向いています。巻き始めは、着底後すぐ巻く点は共通ですが、最初の数回転を速く巻くのはダイワの解説だけに出てくる内容です。もう一つ差があるのが、反応がないときに巻き方へどこまで変化を入れるかの部分。ダイワは途中で止めたり速度変化を入れたりすることも認めていて、Hondaは速さを変えるときも一定速を守るとしています。この違いは、次の2つの節で整理しますね。
着底から巻き始めまでのタッチ&ゴー
タイラバが上手い人は、着底した瞬間に巻き始めて、タイラバをすぐ動かしています。ダイワの解説では、さらに最初の数回転を速く巻くのがコツとされています。着底後の一瞬の間が、釣果の差につながりやすいからです。
ダイワの解説では、多くの初心者は巻き始めてからが釣りだと考えがちだけれど、実はフォール(落下)こそが最大の集魚タイムだと説明されています。タイラバが落ちていく動きにマダイが興味を持って追尾を始める、という考え方で、「フォールで寄せて、巻きで食わす。」と覚えておくよう書かれていました。
ところが、着底してタイラバが止まった瞬間、追ってきたマダイは偽物だと見切って離れてしまう、とも解説されています。だからこそ、着底したタイラバを間髪入れずに巻き上げる動作が大事になります。ダイワの解説ではこれを「タッチ&ゴー」と呼び、この時間をどれだけ短くできるかがフッキング率に直結するとしています。岩礁帯などでの根掛かりを減らせるメリットもあるそうです。
もう一つのポイントが、最初の数回転の速さです。着底直後に普通に巻き始めても、海中では潮の影響でPEラインがたわんでいて、タイラバはすぐには動き出していないそうです。ダイワの解説には「この弛み(スラック)を素早く回収するために、着底直後の数回転は意識的に速く巻くのがコツです。」とあります。リールの巻きが間に合わないときは、「グイッとロッドをあおってから巻き始めるのも有効な手段」とも紹介されていました。
Hondaの入門解説でも、釣り方は海底まで沈めて、着底したら速やかに巻き上げる操作の繰り返しだと説明されています。こちらは巻き上げを「終始一定の速さで行なう」のが大きな特徴とされていて、最初の数回転を速く巻くという記述はありません。着底後に止めないという点は共通、最初の速巻きはダイワの解説ならではのポイント、と分けて覚えておくとよさそうです。
ありがちな落とし穴は、着底を確かめようとして一呼吸置いてしまうことです。気持ちは分かりますが、その間にタイラバは底で止まっています。次の釣行では、スプールが止まったらクラッチを戻してすぐハンドルを回す流れを、毎投同じにしてみてください。ダイワの解説に沿うなら、最初の数回転は速く巻いてラインのたるみを回収し、そこから等速に切り替えます。なお、ダイワの解説では、水深の目安を目で見られるカウンター付きのリールがすすめられています。
アタリが出ても等速巻きを崩さない
タイラバが上手い人は、等速巻きを土台にしています。アタリが出たときの対応はHondaの入門解説に書かれていて、アタリが出ても巻く速さを変えず、サオに重みが乗るまで一定の速度で巻き続けるとされています。アタリに驚いて手を止めたり速めたりすると、マダイが離れてしまうという理由です。
Hondaの入門解説では、一定速で動くタイラバに興味を持ったマダイは、そのまま追尾してかじり始めると説明されています。そして「ここで巻くスピードを速めたり、逆に緩めてしまうと、マダイはタイラバへの興味を失い去ってしまう。」と書かれていました。写真の説明でも「アタリを感じてもそのまま一定速を保ち続ける。」とあり、最初はこれが難しいと正直に添えられています。
そのまま巻き続けると、やがてずっしりとした重みがサオに乗り、その状態になればしっかりフッキングしている、というのがHondaの解説の流れです。掛かった後も慌てず、相手が抵抗しているときは巻く手を緩めるか止めて我慢し、抵抗が緩んだときに巻きます。大ものでリールを巻けないときは無理をせず、「ロッドを脇に挟んで落ち着いて耐え、抵抗が緩んだ時にまた巻く」とされていました。
ダイワの解説でも、タイラバの基本はハンドルを一定の速度で回し続ける等速巻きです。ただ、アタリが出た後の巻き方についての記述はダイワの解説にはなく、ここはHondaの解説を参考にする形になります。ダイワの解説には「等速巻きがしっかりできるようになると、巻いている時の潮の重さや変化、ちょっとした違和感を感じることができます。」とあります。Hondaの解説にも「たとえば巻く手に抵抗を感じれば潮がよく流れている証拠で、スカスカだと流れていない証拠だ」という一文がありました。等速巻きは、釣るための動きであると同時に、海の中を感じ取るための物差しでもあるんですね。
ダイワの解説には、マダイの活性を探るために速巻きやスローを試すのは有効としたうえで、「時には巻いている途中で急に止めたり、速度変化を入れることでスイッチが入ることもあります。」という一文があります。一方でHondaの解説は、巻き上げを「終始一定の速さで行なう」のが特徴とし、反応がないときに速く巻く場合も「一定速を守る」のは変わらないとしています。同じ探る段階でも、ダイワは途中で止める・速度変化を入れることまで認め、Hondaは速く巻くときもその速さで一定を保つ、という差があるわけです。まずは一定速を身につけ、そのうえでダイワの解説にある変化を試すかどうかを状況や船長の助言で判断する、という順番がよさそうです。
Hondaの解説では、一定の速度で巻き上げるのが基本であることから、「近年は電動リールを使う人も増えている」とも紹介されていました(2019年時点の情報をもとにした解説です)。手巻きで速度がぶれやすいと感じる方は、電動リールの選び方をメーカーごとに比べた記事も参考になるかもしれません。
次の釣行では、アタリが来たら心の中で巻くリズムを数え続けるくらいのつもりで、手の速さを変えないことだけに集中してみてください。等速巻きを崩さないことが、上手い人との差を縮める助けになります。
巻き上げ距離を水深と回転数で決めている

タイラバが上手い人は、どこまで巻き上げるかを感覚任せにせず、水深と回転数で決めています。船長の指示がない場合の目安は、Hondaの入門解説ではひとまず水深の1/3(またはリール30回転)、ダイワの解説では水深の3分の1から2分の1程度までです。
Hondaの入門解説では、着底したあと底から何mまで巻き上げるかは「船長が指示してくれる場合が多い」としたうえで、指示がなければある程度上まで探り上げるとされています。目安は「人にもよるが、ひとまずは水深の1/3、もしくはリール30回転くらいを目安にするとよい。」という書き方でした。ダイワの解説では、巻き上げ距離は水深の3分の1から2分の1程度までが目安とされています。Hondaがひとまずの目安として挙げる3分の1は、ダイワの示す範囲の下端にあたり、2分の1はダイワの範囲の上端という関係ですね。
とはいえ、海の上で何m巻いたかを感覚でつかむのは難しいものです。そこで回転数に置き換えてみます。ダイワの解説には、斜め引きの説明の中で「垂直(縦)ならハンドル20回転で15mに達し」という例が出てきます。これを使って、垂直なら1回転あたり約0.75m(15÷20)と置いて計算した目安が次の表です。
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| 水深 | 水深の1/3(Hondaのひとまずの目安・ダイワの範囲の下端) | その回転数の目安 | 水深の1/2(ダイワの範囲の上端) | その回転数の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 40m | 約13m | 約18回転 | 20m | 約27回転 |
| 60m | 20m | 約27回転 | 30m | 40回転 |
| 80m | 約27m | 約36回転 | 40m | 約53回転 |
| 100m | 約33m | 約44回転 | 50m | 約67回転 |
この表の数字はすべて目安です。使うときは、次の点を頭に入れておいてください。
- 1回転あたりの巻き取り長さは、リールの機種やスプールに残った糸の量で変わります。0.75mはダイワの例から逆算した値で、メーカーの公称値ではありません
- ラインが斜めに入っているときは、同じ高さまで上げるのに表より多くの回転数がかかります。ダイワの解説では、真鯛が底から15mまで追う状況を仮定した説明用の例として、垂直なら20回転、斜めなら40回転(倍)という数字が示されています。角度が深いほど回転数は増えるので、倍というのはあくまで一つの例です
- Hondaの解説にあるリール30回転は、この0.75m換算だと約22.5mにあたります
- 指示ダナ(巻き上げる範囲)を船長が指示してくれる場合は、そちらを優先してください
巻き上げ距離は季節でも変わるようです。平田船長が出船する鹿児島県・錦江湾では「春夏は浅場、冬は深場」へと移動する傾向があるそうで、これは地域を限った話として受け止めておくのがよさそうです。そのうえでダイワの解説では、春はタイラバを長い距離追いかける傾向があるので少し高めのレンジまで巻き上げるのが有効、冬場の低水温期は追う距離が短くレンジが狭くなる、と説明されていました。
次の釣行では、まず船長に巻き上げの範囲を聞き、指示がなければ水深を確かめて、この表で回転数の目安を決めてから投入してみてください。毎投同じ回転数で巻けば、アタリが出たときに何回転目だったかが分かり、次の1投に生かしやすくなります。
回転数を数えながら巻くのが大変なら、水深の目安を目で見られるカウンター付きのリールを使う方法もあります。ダイワの解説で紹介されていた紅牙X ICは、ICカウンターを搭載したタイラバ用の小型手巻きリールです。ハンドルの左右やギア比などの仕様、価格や在庫は、購入前に各ショップとメーカーの公式サイトでご確認ください。
船の流し方とラインの角度を把握している

タイラバが上手い人は、いま船がどう流れていて、自分のラインがどんな角度で入っているかを把握しています。それが分かると、着底の判断や巻く速さの調節がしやすくなるからです。
ダイワの解説では、代表的な流し方として2つが紹介されています。1つはドテラ流しで、船の側面に風を受けて船を真横に滑らせるように流す方法です。全員が片側の舷に並んで釣りをし、船が移動し続けるのでラインが斜めに出やすく、広い範囲を効率よく探れるのが特徴だそうです。もう1つはパラシュートアンカー流しで、海中にパラシュート(シーアンカー)を入れて潮の抵抗を利用して流す方法。船が縦方向に流れるので左右両側の舷で釣りができ、ラインが真っ直ぐになりやすい傾向があるとされています。
Hondaの入門解説でも、船を横向きに流すドテラ流しと、風や潮流に対して船をまっすぐに向ける船を立てる流し方の2つが紹介されていました。どちらで流すかは船長の判断としたうえで、「慣れてきたら流しがどちらで行なわれているかも意識して釣ると、状況が把握しやすくなる。」と書かれています。
ダイワの解説では、エンジンを切って止まっているように見えても船は常に風や潮で動いていて、水中のタイラバも動き、ラインに角度がついていると説明されています。「今、船がどの方向に、どれくらいの速さで動いているか」を意識するだけで、着底の判断や巻きのスピード調節が上手くなる、という話でした。
ラインの角度には、良い面と注意点があります。ダイワの解説では、真鯛が底から15mまで追う状況を例に、垂直なら20回転で15mに達するところ、斜めなら40回転分、長く誘い続けられると説明されています。回転数は角度によって変わるので、あくまで斜め引きの利点を示す例として受け止めておくとよさそうです。特にレンジが狭くなる冬場は、斜めに引いてレンジを長く通す技術が欠かせないそうです。一方で「ラインが斜めになればなるほど、潮の抵抗を受けて着底の感度が鈍るため、着底を感じることが難しくなります。」とも書かれていました。そのうえで「まずは確実に着底が分かる重さを選び、その結果として斜めに入れるのが正解です。」とまとめられています。角度はあくまで結果であって、目的ではないということですね。
Hondaの解説にも「イトが斜めに入る時は潮がよく動いているサイン。」とあり、チャンスタイムと思って特に集中したい、と添えられていました。
流し方は、ラインの準備にも関わります。ダイワの解説では、リールはPEライン0.8号を300m巻けるものを選ぶよう案内されていて、狙う水深が100m程度でも、ドテラ流しではラインが200m以上出ることもあるそうです。PEラインの先に結ぶリーダーについては、PEラインに合わせたショックリーダーの選び方の記事で整理しています。
次の釣行では、流し始めにどちらの流し方かを見て、分からなければ船長に聞いてみてください。そして毎投、ラインがどちらへどのくらい斜めに入っているかを目で確かめる習慣をつけると、着底の取りやすさや潮の動きが見えてきます。
タイラバが上手い人の考え方と釣れないときの直し方
結論から言うと、タイラバが上手い人は、釣れないときに自分のやり方に固執せず、船長の情報と釣れている人のやり方を素直に取り入れ、反応を見ながら一つずつ変えています。闇雲にあれこれ替えるのではなく、見直す順番を持っているのが特徴です。
この章では、船長の助言の生かし方、ネクタイの波動と色の替え方、巻き速度と層の変え方を見たあと、釣れないときに上から順に確かめるチェック表にまとめます。最後に、ダイワの解説で釣果に直結するとされていた安全と快適さの準備にも触れますね。
船長の助言と釣れている人を素直に取り入れる
タイラバが上手い人は、船長の助言をすぐに試し、釣れている人のやり方を観察して真似しています。ダイワの解説で、船長の言葉には、その日の海の状態や魚の反応、直近のヒットパターンなどにもとづく根拠があると説明されているからです。
ダイワの解説では、テスターというより多くの釣り人を見てきたタイラバ船の船長の視点で、釣果を伸ばす人の共通点が紹介されていました。その1つ目が、船長のアドバイスにすぐ反応できる柔軟さです。続けて「アドバイスを聞いてすぐに試す人は、例えその瞬間釣れなくても、経験値の蓄積スピードが圧倒的に早くなります。」とあり、「最後は素直さがモノを言いますね。」と締めくくられています。
2つ目は、釣れている人を観察していることです。なぜあの人だけ釣れるのかという疑問を放置せず、観察して真似る。「これが上達の最短ルートです。」と書かれていました。観察のポイントとして挙げられていたのは次の3つです。
- ヘッドの重さと色
- ネクタイの種類(波動)とカラー
- 巻き速度(等速巻きのピッチ)
3つ目は、真似と挑戦の使い分けです。上手な人は、周りが釣れているものを素直に真似る一方で、あえて真逆のセッティングを試す遊び心も持っている、と紹介されていました。ただし「挑戦して反応がなければ、すぐに釣れているパターンに戻す。」とあり、戻る場所を決めてから挑戦しているのがポイントですね。
情報を集めるタイミングは、乗船前からです。ダイワの解説では、タイラバ選びに「全国共通の正解」はなく、水深や潮の速さ、その日の当たりカラーは地域差が激しいとしたうえで、予約時に船宿の船長へ「今、何gの何色が釣れていますか?」と聞くのが、最もタイムリーで正確な情報だとされていました。
次の釣行では、予約の電話で重さと色を聞いておき、当日は釣れた人が出たら、ヘッドの重さと色・ネクタイ・巻く速さの3点を見てみてください。見て分からなければ、手が空いたときに声をかけて聞いてみるのも一つの方法かなと思います。
釣れている人のネクタイやフックをまねして自分で組んでみたくなったら、アシストラインの号数と長さ、結び方はフックを自作するときの号数と結び方の解説で紹介しています。
活性を見てネクタイの波動と色を替える
タイラバが上手い人は、マダイの活性を見て、ネクタイの波動と色を替えています。何を食べているかより、今どこまで追ってくるかを見るほうが、替える方向を決めやすいからです。
ダイワの解説では、マダイはエビやカニから小魚まで何でも食べる魚なので、今何を食べているかに固執しすぎず、「今の活性でどこまで追ってくるか」を見極めることが大切だとされていました。活性の判断については「しつこく追ってこない時やショートバイトが多い時などは、低活性と判断しています。」と書かれています。
そのうえで、ネクタイのシルエットや幅が波動の強さを決め、その強さを活性に合わせることが釣果への近道、という考え方です。低活性のときはシルエットが小さく動きが控えめな微波動、高活性のときは幅が広く大きく動く強波動。Hondaの入門解説でも、一般に活性が高く食い気があるときは強い波動、食い気が薄いときは弱い波動で誘うのがセオリーとされていました。
平田船長のネクタイのローテーションは、朝のまだ魚のエンジンがかかっていない時間帯は微波動から入り、「微波動で反応がなければ、一気に最大波動のネクタイへチェンジします。」というものです。周りがみんな同じような微波動を使っているときこそ、自分だけ強波動を入れるチャンスとも書かれていました。
一方でヘッドについては、平田船長の中でローテーションが決まっていて、シルエット、波動ともに小さなものから少しずつ大きくしていくそうです。ネクタイは反応がなければ一気に真逆へ振り、ヘッドは小さなものから段階的に上げていく、と対にして覚えておくと分かりやすいですね。ヘッドの基本はシルエットが小さく、波動も弱い捕食しやすいものとしつつ、活性が低いときでもサイズ・波動ともに大きなものが効く場合もある、という留保も添えられていました。
Hondaの解説は、形と色の替え方が具体的です。ネクタイの形は「傾向としては真っ直ぐな形状は微波動で、くるりと丸まった形状やカーブした形状は強波動である。」とされています。色はオレンジのヘッドに同系色のスカートとネクタイを合わせるのが多くの釣り場で基本パターンで、オレンジに反応しなければ蛍光イエローもしくは黒というように、「反応がない色から遠い色に変化させてみよう。」とのことでした。また「スカートはそこまで気にせず、変更するならネクタイのほうをたくさん変えるほうがよい。」とも書かれています。釣れないときは、ワームを試すのも手だそうです。
次の釣行では、真っ直ぐなネクタイとカーブしたネクタイ、オレンジと遠い色を何本か用意しておき、反応がなければ波動か色のどちらか一つを大きく振ってみてください。一度に全部替えると、何が効いたのか分からなくなりがちです。
波動を替えるには、形の違うネクタイが手元にあることが前提になります。たとえばダイワの紅牙シリコンネクタイには、真っ直ぐなストレートと、くるりと丸まったシングルカーリーがあります。Hondaの解説の傾向にならえば、前者が微波動寄り、後者が強波動寄りです。色や長さの展開、価格や在庫は購入前に各ショップでご確認ください。
巻き速度と巻き上げる層に変化を付ける
タイラバが上手い人は、パーツを替えるだけでなく、巻く速さと巻き上げる層にも変化を付けています。この調整は仕掛けを回収しなくても試せるので、反応がない時間を短くしやすいからです。
Hondaの入門解説では、釣り方を変えるもう1つの方法として、巻き上げる層や速さに変化を付けることが紹介されていました。たとえば着底のあと巻き上げる層を低くして短時間で何度も着底させる釣り方がよい場合もあれば、巻き上げる層を意図的に高くして中層で掛けることを意識するとよい場合もある、という説明です。
速さについては、タイラバの基本はゆっくり巻くことだが、「時には速く巻くほうがヒットすることも実は多い。」とされています。ただし、このときも「一定速を守る」のは変わらないので注意したい、と添えられていました。速く巻くときも、その速さで一定を保つイメージですね。
ダイワの解説でも、基本は等速だけれど、マダイの活性を探るために速巻きやスローを試すのは有効とされています。また、追尾があるのに食ってこない場合については、「巻きスピードを変えるか、タイラバの色、シルエットが合っていないサイン。」と説明されていました。少しずつセッティングを調整してみよう、という流れです。
探る範囲を広げる方法もあります。ダイワの解説では、低水温期で風や潮がないときは、スピニングタックルでの遠投も視野に入れるよう書かれています。Hondaの解説でも、潮流が弱いときやマダイの活性が低いときに、スピニングタックルで遠くへキャストして広い範囲を探る人が増えていると紹介されていました(2019年時点の情報をもとにした解説です)。
次の釣行では、まず基本の速さと巻き上げ距離で何投か続け、反応がなければ速さを一段上げる、層を低くして着底の回数を増やす、層を高くする、の順に一つずつ試してみてください。変えた内容と回転数を覚えておけば、アタリが出たときに再現しやすくなります。
釣れないときに見直す順番のチェック表

釣れないときは、着底から始めて、巻き方、距離、ネクタイ、周りの情報、潮の順に確かめていくのがおすすめです。土台の操作がずれたままネクタイや色を替えても、原因を切り分けにくいからです。
ここまでの内容を、上から順に確かめる形に並べました。この記事で2つの解説を組み立て直した順番なので、どちらかの解説にこの順番そのものが書かれているわけではありません。
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| 順番 | 見直す項目 | 確かめ方 | 出典 |
|---|---|---|---|
| ① | 着底が分かる重さか | クラッチを切ったあと、スプールの回転が一瞬止まる瞬間が毎投分かるか。分からなければ重さを船長に相談 | ダイワ/Honda |
| ② | 着底後すぐ巻き始め、最初の数回転を速く巻けているか | 着底から巻き始めまでに間がないか。最初の数回転でラインのたるみを回収できているか | ダイワ |
| ③ | 巻き速度が一定か | ハンドルを一定の速度で回せているか。アタリが出たときに手が止まったり速まったりしていないか(アタリ後の一定速はHondaの記述) | ダイワ/Honda |
| ④ | 巻き上げ距離(水深の1/3〜1/2)と層 | 水深と回転数の目安で巻けているか。船長の指示ダナがあればそれに合っているか。低く何度も着底・高く中層も試したか | ダイワ/Honda |
| ⑤ | ネクタイの波動と色 | 微波動と強波動を両方試したか。反応がない色から遠い色へ替えたか | ダイワ/Honda |
| ⑥ | 船長の情報と釣れている人 | 船長の助言を試したか。釣れている人のヘッドの重さと色、ネクタイ、巻き速度と比べたか | ダイワ |
| ⑦ | 潮の動き | 潮が動いているか(巻く手の抵抗、ラインの角度)。潮が流れていない時間帯は釣れにくい面もあると割り切り、潮止まり前と潮の動き始めに集中できているか(潮汐表で事前に確認) | Honda |
最後の⑦は、自分ではどうにもならない部分です。Hondaの解説では、なかなか釣れないとつい自分の操作が悪いとばかり思ってしまいがちだけれど、この釣りは海の状況や魚の活性そのものに大きく影響を受けるとされていました。潮が流れているときはマダイの活性が上がりやすく、流れていないときは追う距離が短くなったり底層でじっとしていたりするそうで、「こうしたタイミングでは釣れないのもある意味仕方がない。」とまで書かれています。
一方で、潮止まりの前と潮の動き始めはマダイの活性が急上昇しやすいとも説明されていて、あらかじめ潮汐表を確認しておき、潮が動く時間帯は特に集中する、というメリハリがすすめられていました。
次の釣行では、この表をスマホに保存しておいて、ある程度の時間釣っても反応がないときに①から順に指で追ってみてください。どこかで引っかかる項目があれば、そこを直すのが先です。
安全と快適さの準備も釣果のうち
タイラバが上手い人は、道具や釣り方の前に、安全と快適さの準備を整えています。体が冷えたり暑さでぼんやりしたりすると、等速巻きも小さな違和感も保てなくなるからです。
ダイワの解説では、釣果を伸ばすコツの最後に、ロッドやリールよりも先に準備すべきこととして、過酷な海上環境から身を守り、快適に釣りを続けるための装備が挙げられていました。海の上は街中と体感温度がまったく違い、防寒はやりすぎくらいがちょうどよく、防水(レインウェア)もとても重要だそうです。船の上で体調を崩してもすぐに陸へは戻れないので、「寒さを甘く見ないこと」が安全に帰宅するための鉄則とされています。
暑い時期についても、熱中症対策はマナーに近い重要事項とされ、水分は余分すぎるほど持参し、水やスポーツドリンクを用意すること、帽子とサングラス、夏でも風での冷えや日焼けを防ぐ薄手の上着が挙げられていました。ここまで装備を重視する理由は「快適でないと釣りに集中できないから」と書かれています。最後まで集中して巻き続けられる人が最後の一枚を手にする、という話でした。
国土交通省によると、「平成30年2月からすべての小型船舶の乗船者にライフジャケットの着用を義務化しました。」とされています。船長には、小型船舶の船室外に乗船するすべての人に、国の安全基準への適合が確認されたライフジャケットを着用させる義務があり、適合したものには桜マークがあります。ライフジャケットを着用すると、海中転落時の生存率が2倍以上になるとも案内されています。なお、船長が定めた安全場所の範囲内では着用に努める義務とできる例外もありますが、その場合もライフジャケットを着用せずに船外に身を乗り出したり釣りなどの作業をしたりしないことが要件とされるなど、例外の範囲は限られています。乗船中は着用しておくのが基本と考えておきましょう(出典:国土交通省「ライフジャケットの着用義務拡大」)。
自分で用意する場合は、桜マークの有無と、乗る船で使えるタイプかどうかを確認しておくと安心です。選び方は釣り用ライフジャケットを桜マークで比べた記事にまとめています。
もう一つ、やり取りの準備としてドラグがあります。Hondaの入門解説では、一定以上の負荷が掛かったときにイトが滑り出るドラグの調整をあらかじめしておくこと、そしてどれくらいの強さにしておくべきかは「出船前に船長に見てもらっておくのが安心だ。」とされていました。
次の釣行の前日には、防寒・雨具・飲み物・帽子とサングラス・ライフジャケットをそろえておきましょう。ドラグは、出船前に船長に見てもらっておくと安心です。
タイラバにはマダイ以外の魚も掛かります。毒のある魚や、県ごとの全長制限に当たる魚がいないかは、マダイ以外に釣れる魚と持ち帰る前の確認の解説で紹介しています。
タイラバが上手い人についてよくある質問
ロッドは乗せ調子と掛け調子、どちらを選べばいいですか?
ダイワの解説では、1本目は乗せ調子を選ぶようすすめられています。乗せ調子は柔軟なブランクがマダイの違和感を吸収し、アワセを入れずにオートマチックにフッキングさせる釣りに向いていて、浅掛かりでもバラしにくいとされています。掛け調子は感度が高く、自らアワセを入れる攻撃的な釣りが楽しめる一方、張りがある分アタリを弾きやすく、的確なタイミングでのアワセ技術が求められるそうです。長さは6~7ftが目安とされていました。まずは乗せ調子で確実に1枚を釣り上げることを優先する、という考え方です。
リールはハイギアとローギア、どちらがいいですか?
ダイワの解説では、ギア比の選択は今なお議論が分かれるポイントだとしたうえで、ハイギアは巻き重りがするという定説はタックルの進化で変わりつつあり、最新モデルであれば巻き心地を犠牲にすることなく、ハイギアによる手返しの良さを得られるようになっていると説明されています。どちらか一方が正解という書き方ではないので、実際に巻いてみて、一定の速さを保ちやすいほうを選ぶのが現実的かなと思います。タイラバでは操作性に優れるベイトリールが主流とされていました。
上手くなるために、タックルは最初から一式そろえるべきですか?
ダイワの解説では、タックルの選び方を説明したうえで「最初は無理に買わないこと」とされています。船の大きさや自分の体格によって最適なタックルは変わるので、まずはレンタルで一度釣りを体験し、感覚をつかんでからそろえるほうが、結果的に無駄な買い物をせずに済む、という理由でした。レンタルの有無や内容は船宿によって違うので、予約のときに確認しておくと安心です。
PEラインの太さとリーダーの号数・長さの目安は?
ダイワの解説では、タイラバでは細糸が推奨されることもあるとしたうえで、PE0.8号または1号が推奨されています。リーダーはフロロカーボンの3号・4号・5号のいずれかで、長さは3ヒロ(約4.5~5m)が目安とされていました。取り込みのときにリーダーをつかめる長さがあるとランディングが安定するそうです。一方で、太いラインは取り込みやすくなるものの、ドテラ流しでは底取りがしづらくなるデメリットがあるとも書かれています。強めにドラグをかけても切れないよう、ノットはしっかり組むことが大切とされていました。
タイラバが上手い人に近づくためのまとめ
タイラバが上手い人は、特別な裏技を持っているというより、基本の操作を毎投同じようにこなし、釣れないときに直す順番を持っている人だと言えそうです。最後に、この記事の要点を振り返っておきますね。
基本の操作は5つです。着底が分かる重さを選んで毎回底を取る。着底したら間を置かずに巻き始める(ダイワの解説では、最初の数回転は速く巻いてラインのたるみを回収する)。等速巻きを土台にし、Hondaの解説にあるとおりアタリが出ても重みが乗るまで一定で巻く。巻き上げ距離は船長の指示を優先し、指示がなければHondaの解説ではひとまず水深の1/3(またはリール30回転)、ダイワの解説では水深の3分の1から2分の1程度までを目安に、回転数に置き換えて巻く。船の流し方とラインの角度を意識して、着底の判断と巻きの速さに生かす。
釣れないときは、船長の助言と釣れている人のヘッドの重さと色・ネクタイ・巻き速度を素直に取り入れ、ネクタイの波動と色、巻き速度と層を一つずつ変えていきます。チェック表の順に①から確かめていけば、どこを直せばいいかが見えやすくなるはずです。潮が流れていない時間帯は釣れにくい面もあると割り切り、潮止まり前と潮の動き始めに集中するメリハリも大切でした。そして、安全と快適さの準備は釣果の一部です。
この記事で紹介した重さ、巻き上げ距離、回転数などの数値は、あくまで一般的な目安です。特に回転数の表は、ダイワの解説の例から逆算したもので、リールや状況によって変わります。正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。また、釣り場の水深や潮、その日の当たりパターンは地域や日によって大きく違うので、最終的な判断は乗船する船の船長や釣具店にご相談ください。
次の釣行では、この記事の内容を全部いっぺんに試すより、着底とタッチ&ゴーだけ、等速巻きだけ、というように一つずつ意識してみるのがいいかなと思います。基本がそろったところで、船長の助言と周りの人の観察を足していけば、上手い人との差は少しずつ縮まっていくはずです。あなたの次のタイラバが、楽しい一日になりますように。
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