チヌの釣り餌は何を使う?天然の食性と釣り方から考えるエサ選びとエサ取り対策

FreeLife Design 運営者 ケイ

こんにちは。FreeLife Design、運営者の「ケイ」です。

チヌ(クロダイ)を狙ってみたいけれど、釣り餌の種類が多すぎてどれを買えばいいのか迷っていませんか。釣具店に行くとオキアミに練りエサ、さなぎ、コーン、カニ、貝、イソメと棚いっぱいに並んでいて、チヌの餌はこれが最強、と一つに決めてくれる人もいないですよね。

実はチヌは、エビやカニ、貝、海藻からスイカまで口にする雑食の魚です。だからこそ、チヌの餌釣りでは、何でも食べる魚にどの釣り方でどのエサを届けるか、という順番で考えると、ぐっと選びやすくなります。仕掛けや釣り方とエサはセットで決まるものなんです。

この記事では、公的機関の資料に見る天然のチヌの食性から始めて、オキアミ、カニや貝、コーン、さなぎ、練りエサ、疑似エサの特徴を、ダイワやマルキユーといった釣具・釣りエサメーカーの公式情報をもとに整理します。スーパーやコンビニで買える食材をエサにしたいとき、アサリやコーンで代用するときの考え方、そしてエサ取りが多くて付けエサがすぐ無くなるときの替え方まで、順番にまとめました。

読み終えるころには、次の釣行でどのエサを何種類持っていけばいいか、自分で決められるようになるかなと思います。

  • 公的な資料に見る天然のチヌの食性と釣り餌の関係
  • オキアミ・カニ・貝・コーン・さなぎ・練りエサの特徴
  • 釣り方別の付けエサと撒き餌の組み合わせ
  • エサ取りが多いときの付けエサの替え方と季節の考え方
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チヌの釣り餌の種類と、天然のチヌが食べているもの

まずはチヌが海の中で何を食べているのかを押さえてから、釣りで使われる代表的なエサを1種類ずつ見ていきます。天然の食べ物と釣り餌を並べてみると、エサ選びの手がかりになりますよ。資料ごとに調べた場所や時期、魚の大きさが違うので、その条件もあわせて書いておきます。

取り上げる順番は、天然の食性、オキアミ、カニと貝、コーン・さなぎ・練りエサ、イソメ類と人工エサ、そしてスーパーやコンビニの食材です。メーカーの製品は、説明文に書かれている特長だけを紹介し、ページに書かれていない対象魚や使い方は足さないようにしています。製品名は、エサの種類ごとの違いを説明するための一例です。商品ページに対象魚としてチヌの名前が無い製品は、そのことも書き添えています。

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チヌは何でも食べる?公的な資料に見る食性

京都府・山口県掲載の資料・水産庁の資料に書かれたチヌの食性をまとめ、スイカ・カニ・貝の写真を並べたスライド
何でも食べる雑食の魚(公的な資料に見る食性)

結論から言うと、チヌは貝やカニ、エビから海藻まで食べる雑食の魚で、アサリの堅い殻も噛み砕いて食べます。

京都府農林水産技術センターのサイトにある海洋センターの資料は、クロダイについて「本種は雑食性で、エビやカニ、貝類の他、海藻やスイカ等も捕食します。」と書いています。同じ資料では、強靱な歯でアサリの堅い殻を噛み砕いて食べることや、春から秋にかけて動物食性が強くなることにも触れています。スイカまで食べるというのは意外ですよね。

もう少し具体的な数字もあります。山口県のウェブサイトに掲載されている、水産機構 水産技術研究所の研究者による発表資料では、山口県の椹野川河口で釣りによって採集したクロダイ(全長8.8〜38.0cm・105個体のうち84個体)の胃の中身を調べています。6月下旬から10月末までの全長25cm以上の大型クロダイでは、餌の重要度を示す指数(%IRI)で、ヤマトシジミが32.1%、オチバガイという二枚貝が28.9%を占めていたそうです。全長30cm前後のクロダイなら、殻長20mm程度のオチバガイを中心に食べていた、とも書かれています。

ほかにも、岡山県農林水産総合センター水産研究所は、春に稚ガキを海に吊るす時期にクロダイによるカキの食害が多く聞かれるようになったと紹介しています。水産庁の資料には、クロダイの自己紹介という形で「好き嫌いなく、何でも食べちゃいます。」という一文まであります。

資料 対象と場所 食べていたもの 近い系統の釣り餌
京都府農林水産技術センター 海洋センター クロダイ全般の解説 エビ、カニ、貝類、海藻、スイカなど(アサリの殻を噛み砕く) エビ、カニ、貝、スイカ
山口県掲載の発表資料(水産機構 水産技術研究所) 椹野川河口・6月下旬〜10月末・全長25cm以上 ヤマトシジミ(%IRI 32.1%)、オチバガイ(28.9%)などの二枚貝 貝類(カラスガイなど)
岡山県 水産研究所 カキ養殖の筏・春の垂下時 養殖のカキ 貝類
水産庁 クロダイの紹介資料 何でも食べる(ノリやカキの食害も) —

右の列は、天然で食べているものと同じ系統の釣り餌を並べた私の整理で、資料にそう書いてあるわけではない点だけ注意してください。それでも、貝・カニ・エビという系統がそろって出てくるのは、落とし込み釣りで貝やカニが使われる理由を考えるうえで参考になりますよ。

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オキアミはウキ釣り・フカセ釣りの定番エサ

ウキ釣りやフカセ釣りでチヌを狙うなら、最初に用意するのはオキアミです。付けエサにも撒き餌にも使われる、この釣り方の中心的なエサといえます(落とし込みなら生きたカニが中心=次の章)。

ダイワの釣魚図鑑は、クロダイで最も人気の高い釣り方を磯釣りとしたうえで、かつては生サナギやスイカなどを使った地方色豊かな釣り方があったものの、今はオキアミを使った釣りに統一されつつある、と書いています。エサの項目でも「ウキ釣りではオキアミ、落とし込みではカニのほか、カラスガイやイソメ類も使う。」とまとめられていて、ウキ釣りの付けエサはまずオキアミ、と考えてよさそうです。

チヌとクロダイは同じ魚の呼び名の違いです。よく似たキビレとの見分け方や釣り方の種類は、チヌとクロダイの呼び名とキビレとの見分け方の解説で紹介しています。

付けエサ用のオキアミには、加工の違いでいくつかの種類があります。マルキユーの製品で見てみると、次のように役割が分かれています。

  • くわせオキアミスーパーハード:食いのよさを高めながらエサ持ちのよさを追求したハードタイプ。身に弾力があり、深いタナや遠投でも使いやすい
  • くわせオキアミスペシャル:しっかりした食い込みのよさをうたうくわせ専用オキアミ。凍らないので釣り場ですぐ使える
  • くわせオキアミ食い込みイエロー:黄色でアピールするタイプ。不凍加工で身がしっかりしていて、ハリ付けしやすい

ハードタイプがわざわざ用意されているのは、柔らかいオキアミだとハリから外れたり、ほかの魚にかじられたりして残りにくい場面があるからだと考えられます。最初は普通のくわせオキアミを使い、すぐエサが無くなるならハードタイプに替える、という順番が分かりやすいかもしれません。

また、撒き餌に混ぜる側のオキアミとして、マルキユーには解凍不要で常温保存できる「サッとオキアミ」(1,500g)もあります。早朝や冬の釣り、遠征の予備として配合エサにブレンドする使い方が案内されています。常温タイプでも、保存は直射日光・高温多湿を避けるようにと表示されています。

ハードタイプのくわせオキアミの例として、マルキユーのくわせオキアミスーパーハードを載せておきます。サイズ違いもあるので、価格や在庫とあわせて購入前に各ショップで確認してくださいね。

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落とし込み釣りは生きたカニが中心、カラスガイも使う

堤防の壁際を狙う落とし込み釣り(ヘチ釣り)なら、中心になるのは生きたカニで、カラスガイやイソメ類も使われます。オキアミとは釣り方そのものが違うので、エサも分けて考えましょう。

ダイワの釣魚図鑑によると、落とし込み釣りは防波堤の壁すれすれに餌を落としていく釣り方で、餌は生きたカニが中心です。カニが波で流されて沈んでいくように餌を演出してアタリを取る、と説明されています。エサの項目でもカニのほかにカラスガイやイソメ類が挙げられています。

前の章で見たように、チヌは貝類も食べます。京都府の資料にはアサリの殻を噛み砕いて食べるとあり、山口県掲載の資料でも、椹野川河口の大型クロダイ(6月下旬〜10月末・全長25cm以上)では二枚貝が重要な餌になっていました。貝をエサにする落とし込みは、こうした食性とも重なる釣り方といえそうです。

ダイワのコラムでは、水中写真家の筆者が、岸壁についているカラス貝を棒でガリガリと突っついてみるといった、チヌの好奇心と食い意地を引き出すやり方を「持論」として紹介しています。チヌは臆病だから静かにしないと釣れない、という定説を見直す内容で、読み物としても面白いですよ。

生きたカニを用意するのが難しい場合は、疑似エサという選択肢もあります。マルキユーの「パワークラブ」は、人工エサのパワーイソメの素材を使ってカニの形に仕上げたくわせエサで、カニをエサにすることが多いクロダイ・チヌ、カサゴ、キジハタ、アイナメなどに特に効果的とされています。穴釣り、ブッ込み、落とし込み(ヘチ釣り)に対応し、ブラクリやジグヘッドにつけても使えます。サイズはM(10匹入り)、L(8匹入り)、BIG(2匹入り)で、青ガニ・茶ガニ・赤ガニなどの色があります。

パワークラブやパワーイソメは、車中や炎天下など高温になる場所で保管すると変形するおそれがあるため、50℃以下の場所で保存するようメーカーが案内しています。夏の車内に置きっぱなしにしないよう気をつけてください。

生きたカニの代わりに試すなら、カニの形の疑似エサ、パワークラブがこちらです。色やサイズの違いは購入前に各ショップで確認してください。

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コーン・さなぎ・練りエサはエサ取りが多いときの候補

オキアミがすぐ無くなってしまうときの候補になるのが、コーン、さなぎ、練りエサです。メーカーがエサ取りへの強さに触れている製品が多いので、まずはその説明を目安に選ぶと分かりやすいですよ。ただし、製品ごとにうたっている特長は違うので、下の表で見比べてみてください。

まずコーン。ダイワのコラムで水中写真家の筆者は「意外なことにクロダイはコーンが好きなようである。」と書き、自分の観察した限りではオキアミよりコーンのほうを積極的に食べていた、と紹介しています。一人の観察なので、いつでもコーンのほうがよいとまでは言えませんが、試してみる理由にはなりますよね。マルキユーの「ニューくわせコーン」(100g)は、エサ取り対策に効果的な尖帽(とうもろこしの粒の根元の部分)と、栄養価の高い胚芽を手もぎで残したソフトなくわせ用コーンで、アミノ酸も添加されています。なお、この商品ページには対象魚の記載が無く、ここではダイワのコラムの観察を根拠にチヌの候補として挙げています。

次にさなぎ。蚕のさなぎを使ったエサで、マルキユーの「活さなぎ」はさなぎを瞬間冷凍したクロダイ・チヌ用のエサ、「生さなぎソフト」(150g)は殺菌加工してパック詰めしたもので、「エサ取りの多い釣り場で、チヌを狙うくわせエサとして効果的。」と説明されています。そのままでも、切っても使えるそうです。

そして練りエサ。粉を練った団子状のエサで、ハリに付けたときの形を自分で調整できるのが強みです。マルキユーの製品を比べると、性格の違いがよく分かります。

製品(マルキユー) 種類 メーカーの説明の要点 使いどころの目安
食い渋りイエロー 練りエサ(100g) 視認性が高く濁り潮や深場でもアピール。やわらかくネバリがあり、練り直し不要 食いが渋いとき
エサ持ちイエロー 練りエサ(100g) 食い渋りイエローの硬さのままネバリとコシを強化。投入時のエサ切れを低減し遠投にも対応 沖目を狙う・エサが飛ぶとき
荒食いブラウン 練りエサ(100g) さなぎ成分とアミエビを配合。エサ取りが多いときでもハリに残る ウキフカセ・ウキダンゴ・かかり釣り
ニューくわせコーン コーン(100g) 尖帽と胚芽を残したソフトな仕上がり。アミノ酸を添加 エサ取り対策
生さなぎソフト さなぎ(150g) 殺菌加工してパック詰め。そのままでも切っても使える エサ取りの多い釣り場

表の右端の列は、メーカーの説明文にある場面を短くまとめたものです。同じ練りエサでも、食いを重視するものとエサ持ちを重視するものがあるので、どちらで困っているかで選び分けるのがコツかなと思います。

エサ取りが多いときの練りエサの例として、表にも挙げた荒食いブラウンを載せておきます。価格や在庫は購入前に各ショップで確認してくださいね。

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イソメ類と人工エサの位置づけ

イソメ類(ゴカイの仲間)は、チヌ専用というより、いろいろな魚を狙えるエサの一つとしてチヌにも使える、くらいの位置づけで考えておくとよいですよ。

ダイワの釣魚図鑑では、落とし込みのエサとしてカニやカラスガイと並んでイソメ類が挙げられています。今回見た天然の食性の資料にはエビやカニ、貝が中心に出てきて、イソメ類の名前は出てきませんでした。釣りエサとしては、ダイワの図鑑が落とし込みのエサの一つに挙げている、という位置づけです。

生きたイソメが苦手な方には、人工エサもあります。マルキユーの「パワーイソメ」は、食い・見た目ともにイソメ並みで扱いやすさはイソメ以上、とされる人工のくわせエサです。波止・堤防、砂浜、釣り公園での投げ・ブッコミ・ミャク釣り、胴突き仕掛けやブラクリを使った穴釣りに適していて、保存がラクな常温タイプ。サイズは中(約10cm・15本入り)、太(約11cm・15本入り)、極太(約11cm・8本入り)があります。

ひとつ注意したいのは、パワーイソメの製品ページの説明文には対象魚としてチヌの名前が出てこないことです。チヌ向けとはっきり書かれているのは、同じ素材でカニの形にした「パワークラブ」のほうなんですね。メーカーはパワーイソメをチヌ向けとは案内していないので、チヌに使うなら試してみる、という位置づけで考えておくのが正確だと思います。

イソメ類は生き物なので、余ったときの扱いにも気を配りたいところです。堺市の海釣りテラスの利用案内では、釣り糸や仕掛け、生餌などが鳥など野生生物の命をおびやかす可能性があるため、各自で責任を持って処理するよう呼びかけています。釣り場にエサを捨てて帰らないようにしましょう。虫エサ・オキアミ・練りエサ全体の比較は、虫エサ・オキアミ・練り餌・人工餌の使い分けでも詳しくまとめています。

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スーパーで買える食材は釣り餌の代わりになる?

スーパーで買えるアサリやコーンを釣り餌にしたい、という方も多いですよね。結論としては、天然の食性から見れば試す価値はあるものの、釣り用のエサとは作りが違うと知ったうえで使うのが安心です。

アサリについては、京都府の資料にクロダイが強靱な歯でアサリの堅い殻を噛み砕いて食べるとあり、山口県掲載の資料でも、椹野川河口の大型クロダイでは二枚貝が重要な餌になっていました。貝を食べる魚なので、アサリをエサにする発想自体は理にかなっています。ただ、マルキユーのアサリの釣りエサ「くわせ生アサリ」はカワハギ用として売られている製品で、チヌ向けにアサリの使い方を案内したメーカーの資料は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。チヌに使うなら、試してみる、くらいの気持ちで持っていくのがよさそうです。

コーンは、前の章のとおりダイワのコラムの筆者の観察で、チヌがオキアミより積極的に食べていたと紹介されています。ただし、釣り用の「ニューくわせコーン」はソフトに仕上げ、尖帽と胚芽を手もぎで残し、アミノ酸を加えたもので、原材料はトウモロコシ、アミノ酸、食塩、pH調整剤と表示されています。食品の缶詰コーンとは加工の目的が違うので、ハリ持ちや食い込みは同じにならないかもしれません。

スイカは、京都府の資料でチヌが食べるものとして挙げられ、ダイワの図鑑でもかつてスイカなどを使った地方色豊かな釣り方があったと書かれています。昔から食材がエサとして使われてきた魚、ということですね。

コンビニについては、釣り専用のエサを置いているかどうかは店によるので、ここでは確かめられていません。確実に手に入れたいなら、釣具店や通販、釣り餌の自販機を使い分けるのがおすすめです。買える場所の違いは通販・店舗・自販機それぞれの釣り餌の買い方で比べています。

チヌの釣り餌を、釣り方・季節・エサ取りの状況で選ぶ方法

エサの種類が分かったら、次は組み合わせ方です。チヌの釣り餌は、まず釣り方から考え、そこにエサ取りの多さと季節で微調整していく、という流れにすると選びやすくなります。ここでは釣り方別の組み合わせ、撒き餌の選び方と使えない釣り場の話、エサ取り対策の替え方、季節の考え方を順番に見ていきます。

前半で見たとおり、チヌは食べるものの幅がとても広い魚です。そのぶん、どのエサでも釣れる可能性がある一方で、ほかの魚も同じエサを狙ってくるので、エサが本命に届くまで残るかどうかが勝負になります。表は、メーカーや公的機関の資料に書かれている内容をもとにしつつ、並べ方や組み合わせ、資料に無い部分は私の整理として書いています。釣行の前日に見返して、持っていくエサを決めるチェックリストのように使ってみてください。

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釣り方別に見るチヌの釣り餌の組み合わせ

ウキフカセ・ウキダンゴ・かかり釣り・落とし込みの4つの釣り方ごとに付けエサと撒き餌を並べた表のスライド
釣り方別の付けエサと撒き餌の組み合わせ一覧

まずは全体像を一枚の表で見てみましょう。付けエサ(ハリに付けるエサ)と、撒き餌やダンゴ(魚を寄せたり付けエサを包んだりするエサ)を分けて整理しています。

釣り方 付けエサの例 撒き餌・ダンゴの例 根拠にした資料
ウキ釣り・ウキフカセ釣り オキアミ(ハード・不凍など)、練りエサ、コーン、さなぎ 配合エサにオキアミを混ぜた撒き餌(例:チヌパワー) ダイワ釣魚図鑑、マルキユー製品ページ
ウキダンゴ釣り・紀州釣り 練りエサ(荒食いブラウンなど) 海水を加えて作るダンゴ(例:波止ダンゴチヌ、紀州マッハ) マルキユー製品ページ
かかり釣り(筏・カセ) 練りエサ(荒食いブラウンなど) 沈下の速いダンゴのベースエサ(例:ニュー赤だんごチヌ) マルキユー製品ページ
落とし込み(ヘチ釣り) 生きたカニ、カラスガイ、イソメ類、パワークラブ — ダイワ釣魚図鑑、マルキユー製品ページ
ぶっこみ・投げ釣り パワークラブ(ブッ込みに対応)、パワーイソメ(商品ページにチヌの記載なし=試す位置づけ) — マルキユー製品ページ

ダンゴ釣りは、付けエサをダンゴで包んで沈め、底で割れたところで食わせる釣り方です。マルキユーの「紀州マッハ」は海水を加えるだけで作れるダンゴ釣り用のベースエサで、着底後は一定のタイミングで素早く崩れ、遠投性にも優れているとされています。適応水深の目安は5〜8mです。「波止ダンゴチヌ」(3,000g)も海水を加えるだけで作れ、手軽にウキダンゴ釣りをしたい人向けと案内されています。

かかり釣りは、筏やカセ(小舟)の上から真下を狙う釣り方で、深い場所を攻めることもあります。マルキユーの「ニュー赤だんごチヌ」(12kg)は、かかり釣り用ダンゴのベースエサで、水深50m強の深場にも対応できる沈下の速さが特長とされています。

落とし込みとぶっこみの撒き餌の欄を「—」にしているのは、今回見た資料にこの2つの釣り方の撒き餌の説明が無かったためです。撒き餌を使ってはいけない、という意味ではないので注意してくださいね。ハリの号数をエサの大きさに合わせる考え方は、魚種と餌に合う釣り針の号数と形状も参考にしてみてください。

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撒き餌と配合エサの選び方、使えない釣り場もある

ウキフカセ釣りで使う撒き餌は、配合エサ(粉状の集魚エサ)とオキアミを混ぜて作るのが基本です。配合エサは、何が入っているかで性格が変わりますよ。

マルキユーの「チヌパワー」(1,200g・徳用2,400g)は、酵母、オキアミ、ムギの配合でチヌを寄せる定番の配合エサで、ネバリがあるので遠投しやすいとされています。九州限定の「波止パワーチヌ」は、ムギ、コーン、養殖用ペレット、カキガラなどを配合したベースエサで、オキアミやアミエビとブレンドして使うよう案内されています。

撒き餌に混ぜる配合エサの定番の例として、チヌパワーを載せておきます。容量違いもあるので、価格や在庫は購入前に各ショップで確認してください。

撒き餌の沈め方については、ダイワのコラムで水中写真家の筆者が、3月中旬の下関の水中で乗っ込み(産卵期に浅場へ寄ってくること)のクロダイを観察した話を書いています。水深8〜10mの場所で、クロダイが泳いでいたのは3〜5mの層だったそうで、比重の軽いコマセをゆっくり沈め、なるべく浅いタナで食わせるのが有効と考えられる、としています。一つの観察にもとづく見方なので、釣り場の状況を見ながら取り入れてみてください。

撒き餌は、どこでも使えるわけではありません。たとえば堺市の海釣りテラスの利用案内(出典:堺市)では、投げ釣り・まき餌・危険な釣りを禁止しています(サビキは除く)。千葉県水産振興審議会海面利用調整部会の推奨ルール一覧表でも、主に遊漁船や船舶による釣りについて、推奨ルールとして、海域や期間を限ってオキアミやアミコマセなどのまき餌釣りを禁止しています。釣り場のルールは施設や地域ごとに違うので、出かける前に管理者の案内を確認しましょう。正確な情報は各施設や自治体の公式サイトをご確認ください。

撒き餌が使えない釣り場では、落とし込みなど付けエサだけで狙う釣り方に切り替えるのも手です。ただし、堺市の例のように投げ釣りも禁止の施設があり、ダンゴを使う釣りが撒き餌の扱いになるかどうかも施設によって違う可能性があるので、施設の案内で確かめてくださいね。海釣り公園のルールや設備の調べ方は、海釣り公園の料金・設備・ルールを比べる確認手順にまとめています。

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エサ取りが多いときの付けエサの替え方

付けエサがすぐ無くなるときに硬さ・種類・包み方の順で替えていく3段階の手順を示したスライド
エサ取り対策の切り替え手順

チヌ釣りで一番の悩みが、エサ取り(チヌより先にエサを食べてしまう小魚)です。付けエサがすぐ無くなるときは、エサの「硬さ」→「種類」→「包み方」の順に変えていくと整理しやすいですよ。

困っていること 替える先の例 メーカーの説明
オキアミがすぐ取られる ハードタイプのオキアミ(くわせオキアミスーパーハード) エサ持ちのよさを追求したハードタイプ
ハードでも残らない 練りエサ(荒食いブラウン) エサ取りが多いときでもしっかりハリに残る
練りエサもかじられる コーン(ニューくわせコーン)、さなぎ(生さなぎソフト) エサ取り対策に効果的な尖帽/エサ取りの多い釣り場で効果的
付けエサがタナに届く前に取られる 付けエサを包むダンゴ(チヌパワーくわせダンゴ)、ダンゴ釣りへの切り替え(撒き餌禁止の釣り場では使えるか要確認) 付けエサを包んでエサ取りからガード
投げたときにエサが飛ぶ ネバリの強い練りエサ(エサ持ちイエロー) 投入時のエサ切れを低減

マルキユーの「チヌパワーくわせダンゴ」(500g)は、チヌのウキフカセ釣り用のくわせエサで、付けエサを包んでエサ取りから守るだけでなく、自分でバラけて濁りを作ることで好奇心の強い大型チヌの興味を引く、と説明されています。宙層を狙える軽さも特長です。

エサを替えるときに知っておきたいのが、チヌの回り方です。ダイワのコラムで水中写真家の筆者は、一日中潜って観察した結果として、クロダイは自分のテリトリーのようなエリアを持ち、そこを一日に2〜3度ほど回遊していた、と書いています。エサがあっても、ある程度食べるとスーッといなくなり、しばらくしてまた同じ場所に来るそうです。ここからは私の推測ですが、エサ取りしか釣れない時間があっても、チヌが回ってくるまで付けエサを残しておくことには意味がありそうです。

同じコラムでは、付けエサをそれまで使っていたものといきなり違えてみる、というやり方も筆者の持論として挙げられています。エサ取り対策の表とあわせて、反応が無いときに試す引き出しの一つにしておくとよさそうですね。

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季節で変わるチヌの食い方とエサの考え方

春から秋・春・6月下旬から10月末・冬の4つの時期について資料の内容とエサ選びのヒントを並べたスライド
季節の傾向とエサ選びのヒント

季節による違いは、資料ごとに見ている場所や時期が違うので、「傾向」として受け止めるのがよいと思います。分かっていることを並べてみますね。

時期 資料に書かれていること エサ選びへの生かし方(考え方)
春(下関では3月中旬〜) 下関の水中観察で、乗っ込み期のクロダイが浅い層を泳いでいた(ダイワのコラム)。春に稚ガキを吊るす時期にカキの食害が多い(岡山県) 浅いタナを意識し、撒き餌はゆっくり沈むものを試す
春〜秋 動物食性が強くなる(京都府) オキアミ、カニ、貝など動物系のエサを中心にする
6月下旬〜10月末 椹野川河口の大型クロダイは二枚貝を重要な餌にしていた(山口県掲載の発表資料) 河口などでは貝系のエサも候補にする
冬 冬は深場で暮らす(水産庁)。海水温の上昇で冬も元気に活動できるようになったことなどから、カキやノリの食害が各地で問題に(水産庁) 深い場所に移る傾向があるので、釣り場の水深の違いを意識する

表の右の列は、左の列の内容から私が考えたエサ選びのヒントで、資料に書かれた推奨ではありません。特に水産庁の資料にある「春は沿岸域に、冬は深場で暮らしてます。」は大まかな紹介で、地域や年によって違いがあるはずです。

実際の釣り場では、季節よりも、その日にエサ取りがどれだけいるかで付けエサを決める場面のほうが多いかもしれません。季節の傾向で持っていくエサの候補を決め、釣り場ではエサの残り方を見て前の章の表で替えていく、という二段構えにしておくと失敗しにくいですよ。ウキフカセで狙える他の魚や釣り場の選び方は、フカセ釣りで狙いやすい魚種と釣り場選びで紹介しています。

チヌの釣り餌についてよくある質問

チヌはオキアミの殻ごと食べているのですか?

ダイワのコラムで水中写真家の筆者は、クロダイはオキアミを吸い込むようにして口に入れ、のどの入り口にある奥歯で噛んで、殻は吐き出してしまう、と観察を書いています。殻ごと飲み込んでいるわけではない、というのが筆者の見立てです。

チヌは臆病なので、エサを付け替えるときも静かにするべきですか?

ダイワのコラムでは、水中写真家の筆者が「物音をさせたら絶対に釣れない」といった定説に疑問を投げかけ、クロダイは好奇心が強く食い意地もはっている魚だという見方を持論として紹介しています。ただ、周りに釣り人がいる釣り場では、大きな音を立てないのがマナーなので、周囲への配慮は忘れないようにしましょう。

練りエサやさなぎはどう保存すればいいですか?

製品によって違うので、パッケージの保存表示を最優先にしてください。冷凍で扱う製品もあります。たとえばマルキユーの活さなぎはさなぎを瞬間冷凍した製品、生さなぎソフトは殺菌加工してパック詰めした製品で、同じさなぎでも状態が違います。食い渋りイエローは解凍後すぐに使えると説明されています。正確な保存方法は公式サイトや製品の表示をご確認ください。

まとめ:チヌの釣り餌は釣り方とエサ取りの量で選ぶ

チヌは、エビやカニ、貝、海藻からスイカまで食べる雑食の魚です。だからこそ、「最強のエサ」を一つ探すより、釣り方に合わせた基本のエサを決め、エサ取りの多さで替えていくほうが近道ですよ。

  • ウキ釣り・フカセ釣りはオキアミが基本(ダイワ釣魚図鑑)。取られるならハードタイプへ
  • 落とし込みは生きたカニが中心で、カラスガイやイソメ類も使う(ダイワ釣魚図鑑)。カニ形の疑似エサもある
  • エサ取りが多いときは、練りエサ→コーン・さなぎ→ダンゴで包む、の順に考える
  • チヌは貝類も食べる(京都府の資料)。椹野川河口の大型クロダイでは二枚貝が重要な餌だった(山口県掲載の資料)。アサリなどの代用は試す価値ありだが、釣り用とは作りが違う
  • 撒き餌は禁止の釣り場もある。出かける前に施設や地域のルールを確認する

初めてウキ釣りやフカセ釣りでチヌを狙うなら、オキアミを中心に、エサ取り対策をうたう練りエサやコーンなどを予備に持っていくと、エサ取りが多い日にも替えがききます(これは私の考えです)。落とし込みなら生きたカニから考えましょう。天然の食性について詳しく知りたい方は、京都府のクロダイの資料(出典:京都府)も読んでみてください。

この記事の内容は一般的な目安で、釣果を約束するものではありません。製品の仕様や販売地域は変わることがあるので、正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。釣り場や仕掛けの最終的な判断は、地元の釣具店など専門家にご相談ください。あなたの次の釣行で、チヌに出会えますように。

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