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アオリイカの水温の目安|15℃・20℃・25〜30℃の線と夏の高水温、調べ方
アオリイカは水温何度まで釣れる?15℃と20℃の線で迷わない季節と海の見方
アオリイカを狙うとき、水温が何度なら釣れるのか、何度までなら大丈夫なのかって、けっこう気になりますよね。春は何度から接岸するのか、冬は水温14度や15度で釣れるのか、夏に水温が28度や30度まで上がったら限界なのか。釣れる水温の目安を知りたくて検索した方も多いかなと思います。
この記事では、アオリイカの適水温や産卵と水温の関係、低水温と高水温のそれぞれで何が起きるのかを、徳島県の水産研究所の資料や釣り情報サイトの目安を並べて整理しました。さらに、気象庁の海面水温データを使って、紀伊水道で水温の節目を実際に数えた結果も載せています。
水温計を使った測り方や、春と秋、冬で変わる場所選びまでまとめたので、次の釣行の計画に役立ててもらえたらうれしいです。数値はどれもあくまで一般的な目安なので、地域の釣具店や最新の釣果情報とあわせて使ってくださいね。
- アオリイカの水温の目安になる15℃・20℃・25〜30℃の3つの線
- 公的資料と釣りの目安の数値を並べた比較表
- 気象庁の海面水温と平年差を使った季節の読み方
- 水温計の使い方と季節ごとの場所の選び方
アオリイカの水温は何度が目安?資料で見る適水温
先に結論を言うと、アオリイカの水温は「15℃」「20℃」「25〜30℃」の3つの線で考えると整理しやすいです。15℃を下回ると釣れにくくなり、徳島県周辺では20℃前後を境に群れの動き方が変わり、25〜30℃は飼育試験ではむしろエサをよく食べる水温帯とされています。
根拠にしたのは、徳島県の水産研究所がまとめたアオリイカの生活史や漁場形成の資料です。徳島県の漁獲と水温の関係を調べた資料なので、釣りの目安を考えるうえでも手がかりになります。一方で、釣り情報サイトには、16℃を超えると接岸が始まり、18〜20℃で活性が高まるといった釣り人向けの目安もあります。
この章では、低水温の限界、20℃の境目、高水温と夏の関係、産卵と水温を順に見ていき、最後に資料ごとの数値を1つの表に並べます。同じ15℃でも“飼育試験の話”なのか「漁獲の話」なのかで意味が変わるので、条件ごと読んでもらえるとうれしいです。
15℃を下回ると釣れにくくなる理由

アオリイカは、水温が15℃を下回るあたりから釣れにくくなると考えておくのが無難です。理由は、アオリイカが暖かい海を好む南方系のイカで、低い水温が苦手だからです。
徳島県の水産研究所の資料では、アオリイカを本来「赤道直下に棲む南方系の動物」と説明しています。同じ筆者による徳島県の資料「解明されつつあるアオリイカの生活史の全容と人工産卵礁の開発」には、クロメジナとクルマエビをエサにした飼育試験の結果として、水温が15℃以下になると斃死する(死んでしまう)という記述があります。ただ、これは水槽の中での試験の話なので、海の中のアオリイカが15℃でいっせいに死ぬという意味ではありません。
海の側のデータとしては、徳島県の海部沿岸の漁獲の記録があります。徳島水研だより第64号では、海部沿岸の水温が15℃以下になるとほとんど獲れなくなることも予想できる、と書かれています(出典:徳島県水産研究所「徳島水研だより第64号 全国トップクラスの生産を誇る徳島産アオリイカ」)。さらに徳島水研だより第66号(2008年)には、2007年3月30日に15℃以下の冷たい水が岬沿いに南下して海部沿岸を覆い、その日以降アオリイカは沖合を回遊して、ほとんど獲れなくなったという具体例が載っています。
つまり、海の漁獲の資料では、15℃を下回ったときのアオリイカは岸近くからいなくなり、沖のほうへ移ると説明されています。釣り人から見ると“いない場所に投げている”状態になるので、釣れにくくなるわけですね。
釣り情報サイトのTSURI HACKでも、低温が苦手なアオリイカは水温が15度を切ると深場に落ちてしまう、と紹介されています。漁業の記録と釣りの目安が、どちらも15℃前後を境にしているのは心強いところです。
なお、検索で「水温14度」「水温15度」といった数字を調べる方も多いのですが、1℃の差で急に釣れなくなるわけではありません。地形や潮、その日の水の入れ替わりで状況は変わるので、15℃は“ここを下回ったら岸近くの期待が下がる線”くらいに受け取っておくのがおすすめです。
20℃前後が群れの動きを分ける境目
20℃は、アオリイカの群れが広い範囲に散らばっているか、暖かい場所に寄り集まるかを分ける目安の水温です。20℃を下回る時期に入ると、アオリイカは水温の高い方向へ移動を始めます。
徳島水研だより第66号では、アオリイカは南方系のため20℃以上の高水温を好み、水温が20℃以上ある5月〜12月には播磨灘から海部沿岸にかけて広く分布する、と説明しています。そして水温が下がる1月〜4月には、暖かい紀伊水道南部や海部沿岸へ南下することが知られている、という流れです。
面白いのは、20℃の水が南へ下がってくる12月〜翌1月にかけて、アオリイカの「大移動」が起きて海部沿岸に漁場ができると考えられている点です。2006年12月1日には、紀伊水道から20℃以下の水が岸沿いに南下し、それに追われるように水温20℃以上ある海部沿岸へアオリイカが集まり、1トンを超えるまとまった漁獲が見られ始めたそうです。
第64号にも、瀬戸内海の水温が20℃以下になると、奥のほうまで広く分布していたアオリイカが海部沿岸に追いやられるように南下してくる、と書かれています。人工衛星の水温情報を見れば、まとまって獲れたり釣れたりすることを、ある程度予測できるそうです。
釣りに置き換えると、20℃は“どこでも釣れる時期”から“暖かい場所を選んで釣る時期”へ切り替わる目安と考えられます。内湾や瀬戸内海の奥では20℃を割ったあたりから数が減りやすく、外海に面した暖かい側に寄りやすい、というイメージです。
ただし、この20℃の話は徳島県周辺の海で確かめられたものです。ほかの地域では、海流や地形によって移動の向きや時期が変わる可能性があるので、そのまま当てはめずに、地元の水温の動きと照らし合わせて使ってくださいね。
25〜30℃の高水温と夏に釣れにくい理由

飼育試験の結果を見る限り、水温が25〜30℃まで上がっても、アオリイカにとっては“苦手な水温”というわけではないようです。徳島県の漁獲の記録では、夏の減少は水温そのものより、アオリイカの一生のサイクルで説明されています。
徳島県の水産研究所の資料では、飼育試験の結果として、アオリイカは高水温に対する適応性は高く、25〜30℃で摂餌量(エサを食べる量)が大きくなると書かれています。また第64号には、日本の卵をアメリカへ運び、水温23℃の一定の温度で飼育したところ、200日足らずで体重2.2kgまで育てた例も紹介されています。暖かい水はアオリイカの成長にとって追い風なんですね。
では、なぜ夏は釣りにくいのか。第64号によると、徳島県の漁獲が8月にいちばん減るのは、前年生まれの親の大部分が産卵の後に死んでしまい、生まれたばかりの当年生まれの群れもまだ小さくて漁獲の対象にならないから、と説明されています。そして10月には当年生まれの群れが急に大きくなり、本格的に獲れるようになるそうです。
一方、TSURI HACKでは「人間と同じでアオリイカも熱いのは苦手です」として、夏は水深があり潮通しのよい場所が好ポイントだと紹介しています。ここは資料どうしで表現が分かれるところです。飼育試験では高水温への適応性が高いとされる一方、釣りの現場では暑い時期は水温が安定する場所を選ぶという考え方がある、と両方を知っておくとよいかなと思います。
検索でよく見かける「水温30度」「水温28度」についても触れておきますね。気象庁の沿岸の海面水温データで、紀伊水道と紀伊水道沖の2021〜2026年の夏(7〜9月)の最高値を数えたところ、紀伊水道で27.42〜29.25℃、紀伊水道沖で28.31〜29.86℃でした。海域の平均で見る限り、30℃にはまだ届いていません。浅い港の中など場所によってはもっと上がることもありえますが、30℃を超えたときのアオリイカの様子は、今回集めた資料には見当たりませんでした。
なので、夏は“水温が高すぎて全滅”と考えるより、“親イカが減り、新子はまだ小さい端境期”という見方もできる、と知っておくと計画が立てやすいかなと思います。ただしこれは徳島県の漁業の統計から読める話で、釣り場ごとの釣果がそのとおりになるとは限りません。夏に狙うなら、まだ産卵していない親イカや早生まれの個体がいそうな、水深と潮通しのある場所を探すのが現実的です。
産卵の時期と水温の関係(春の親イカ)
アオリイカの産卵は、水温が上がる春から夏にかけて続きます。本土の沿岸では4〜9月が産卵期の目安で、水温の上昇とともに親イカが浅場の藻場へ寄ってきます。
徳島水研だより第64号では、日本本土の沿岸の藻場や産卵礁で4〜9月に産卵された卵は1か月足らずで孵化し、その年の10〜12月には体重300〜1,000gに成長すると説明しています。寿命は約1年で、翌年の4〜9月に産卵した後、親イカは産卵にともなう疲れで死んでしまうそうです。同じ筆者による別の資料では、産卵盛期は5〜7月とされています。
産卵期が4〜9月の6か月に及ぶので、早く生まれたものは秋に1〜2kgを超える大型になり、遅く生まれたものは翌春になっても100〜200gほどの大きさで親になる、という差が出ます。冬や春に大小さまざまなサイズが釣れるのは、この「早生まれ」と「遅生まれ」の差によるものなんですね。
卵が孵化するまでの日数も水温と関係があります。沖縄の阿嘉島臨海研究所の会報では、アオリイカの仲間(沖縄でクアイカと呼ばれるタイプ)の卵が、水温25℃では25日くらいで孵化すると紹介されています。1996年のこの会報によると、沖縄では昔からアカイカ・シロイカ・クアイカの3つを分けてきましたが、和名ではまとめてアオリイカと呼んでいるそうです。
釣り人向けの目安としては、TSURI HACKが春のシーズンについて「海水温が16℃を超えると接岸が始まり、18〜20℃になると活性が高まってベストなタイミング」と紹介しています。別の記事では、個体差はあるものの水温15度以上になると、産卵に適したアマモやホンダワラが茂る場所に移動する、とも書かれています。
春の親イカ狙いでは、水温の数字に加えて藻場の有無がカギになります。それから、産卵期のアオリイカや産卵場所は、地域によって禁漁期間や保護区域が決められていることがあります。釣りに行く前に、その地域の漁業調整規則や漁協のルールを確かめておいてくださいね。
資料ごとの水温の目安を一覧で比べる

ここまでの数値を1つの表にまとめました。結論としては、15℃の線は漁業の資料と釣りの目安で向きがそろっていて、20℃は徳島県の資料が示す線、高水温については資料の性質によって表現が分かれます。
大事なのは、それぞれの数値が“何を調べた結果か”です。水槽の飼育試験、県の漁獲の記録、釣り情報サイトの経験則では、同じ15℃でも意味が違います。表では、出典と条件をセットにして並べています。
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| 水温の線 | 書かれていること | 出典 | 条件・注意 |
|---|---|---|---|
| 15℃以下 | 斃死する | 徳島県「解明されつつあるアオリイカの生活史の全容と人工産卵礁の開発」 | 水槽の飼育試験の結果 |
| 15℃以下 | 海部沿岸ではほとんど獲れなくなる | 徳島水研だより第64号・第66号 | 徳島県海部沿岸の漁獲の記録・沖合へ移る |
| 15度を切る | 深場に落ちてしまう | TSURI HACK(ポイント選びの記事) | 冬の釣りの目安 |
| 15度以上 | 藻場へ移動する | TSURI HACK(ポイント選びの記事) | 春の目安・個体差あり |
| 16℃を超える | 接岸が始まる | TSURI HACK(エギング入門の記事) | 春の目安 |
| 18〜20℃ | 活性が高まりベスト | TSURI HACK(エギング入門の記事) | 春の目安 |
| 20℃以上 | 好む水温・広く分布する | 徳島水研だより第66号 | 5月〜12月の徳島県周辺 |
| 20℃以下 | 暖かい海域へ南下する | 徳島水研だより第64号・第66号 | 瀬戸内海・紀伊水道から海部沿岸へ |
| 23℃一定 | 200日足らずで2.2kgに成長 | 徳島水研だより第64号 | アメリカでの飼育例 |
| 25℃ | 卵が25日くらいで孵化 | 阿嘉島臨海研究所の会報(1996年) | 沖縄のクアイカの例 |
| 25〜30℃ | 摂餌量が大きくなる | 同上の徳島県の資料 | 水槽の飼育試験の結果 |
表を見ると、15℃は漁業の記録と釣りの目安が同じ方向を向いています。20℃は徳島県の資料が示す線で、釣り情報では春の18〜20℃が活性の高い帯として出てきます。一方で高い側は、飼育試験では高水温への適応性が高いとされ、釣り情報では夏は水深があり潮通しのよい場所がよいとされていて、見ている場面が違うことが分かります。
釣りの計画に使うなら、15℃は“岸近くの期待が下がる線”、20℃は“暖かい場所を選び始める線”、25〜30℃は“水温よりも季節のサイクルを見る帯”と読み替えるのが使いやすいかなと思います。正確な情報は各資料の原文をご確認ください。
アオリイカの水温を調べて釣行に生かす方法
水温の目安が分かったら、次は“今の海が何度なのか”を確かめる番です。結論としては、釣行の前に気象庁の沿岸の海面水温で海域全体の流れをつかみ、釣り場では水温計で足元の水温を測る、という2段構えがおすすめです。
気象庁のデータは、毎日の海面水温を海域ごとの平均で出していて、平年値や過去5年の値と比べられます。数字の読み方さえ覚えれば、“今年は秋が遅れている”“冬の冷え込みが早い”といった季節の進み具合が見えてきます。一方、海域の平均と釣り場の水温は同じではないので、現場で測る手段もあると安心です。
この章では、気象庁のデータの見方、平年差から季節の遅れを日数に直す計算、水温計の使い方、そして春・秋・冬それぞれの場所選びを順に紹介します。最後に、よくある質問とまとめも載せています。
気象庁の海面水温データで今の海を知る
釣行前に水温を確かめるなら、まずは気象庁の「日本沿岸域の海面水温情報」を見るのが手軽です。全国の沿岸を細かい海域に分けて、毎日の海面水温をグラフと数値で公開しています(出典:気象庁「日本沿岸域の海面水温情報」)。
気象庁の解説によると、この値は人工衛星とブイ・船舶による観測値から求めた日別海面水温の解析値をもとに、海域に含まれる格子データを面積に応じて平均したものです。前日までの値が毎日11時頃に掲載されます。直近の値は速報値で、毎年6月頃に、後から集めた観測データで計算し直した再解析値へ、前年分が更新される仕組みです(更新時期は変わることもあります)。
各海域のページには、平年値(1991〜2020年の30年間の平均)との差を示すグラフと、過去5年分の平均値・最高値・最低値が載っています。地図の沿岸の海域をクリックすると、その海域のページへ移れるので、釣りに行く場所に近い海域を選んでみてください。
見るときの注意点もあります。1つ目は、この値は海域全体の平均で、港の中や磯の足元の水温とは違うことです。2つ目は、測っているのは海の表面の水温なので、深い場所の水温とは差が出ることがあります。
3つ目は、内湾の冬の値についての注意です。気象庁は、紀伊水道・豊後水道北部の速報値の偏差(平年との差)は、冬を中心に実際より大きくマイナスに出ることがある、と案内しています。平年値のほうに冬の高温のかたよりが残っているためで、冬の内湾の平年差は数字どおりに受け取らず、気象庁の注意書きもあわせて読むのがおすすめです。また、大阪湾や播磨灘・備讃瀬戸などの一部の海域は平年値がなく、偏差のグラフが出ません。
こうした癖を知ったうえで使えば、気象庁のデータは“その海域の水温が今どのあたりか”“去年より高いか低いか”をつかむのに、とても頼りになります。
平年差と前年の値から季節の進みを読む
気象庁のデータは、今の水温を見るだけでなく、平年値と比べて“季節が何日くらい遅れているか”を読むのにも使えます。ここでは紀伊水道(511)と紀伊水道沖(512)のテキストデータを使って、実際に計算してみました。
計算の例:秋の遅れを日数に直す
2026年10月20日の速報値は、紀伊水道で25.17℃、紀伊水道沖で26.04℃でした。同じ日の平年値はそれぞれ23.59℃と24.43℃なので、平年差は紀伊水道が+1.58℃、紀伊水道沖が+1.61℃になります。
次に、この水温が平年だと何月何日ごろの値なのかを探します。紀伊水道の平年値が25.17℃前後なのは9月30日(25.22℃)、紀伊水道沖の平年値が26.04℃なのは9月27日です。つまり、2026年10月20日の海は、平年よりおよそ3週間ほど季節の進みが遅れている計算になります。
こうして日数に直すと、“平年なら11月の水温を、今年は少し遅れて迎えそう”といった見通しが立てやすくなります。もちろん、この先の気温や海流で変わるので、あくまで目安として使ってくださいね。
20℃と15℃を割る時期を数える
同じデータで、7日間の平均水温が20℃と15℃を下回った日を、2020年秋〜2026年春の6シーズン分数えた結果が下の表です(気象庁のデータを当サイトで集計)。7日平均はその日を含む直近7日の平均、冬の最低値と夏の最高値は日別の値です。2025年までは再解析値、2026年は速報値で、内湾の冬は両者で差が出ることがあります。
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| 項目 | 紀伊水道(511) | 紀伊水道沖(512) |
|---|---|---|
| 平年値が20℃を下回る日 | 11月30日ごろ | 12月15日ごろ |
| 7日平均が20℃を下回った日(6シーズン) | 11月27日〜12月8日 | 12月10日〜1月1日 |
| 7日平均が15℃を下回った日(6シーズン) | 1月11日〜2月19日 | 一度もなし |
| 冬の最低値(6シーズン) | 11.65〜14.32℃ | 15.74〜16.65℃ |
| 春に7日平均が16℃以上に戻った日 | 4月6日〜4月26日 | 冬も16℃前後で推移(日別の最低は15.74℃) |
| 春に7日平均が20℃以上に戻った日 | 5月21日〜6月8日 | 4月29日〜5月21日 |
| 夏(7〜9月)の最高値(2021〜2026年) | 27.42〜29.25℃ | 28.31〜29.86℃ |
紀伊水道では、毎年11月末〜12月上旬に20℃を割り、1〜2月には15℃を下回っています。一方、外海側の紀伊水道沖は、20℃を割るのが2〜4週間ほど遅く、6シーズンとも7日平均で15℃を下回りませんでした。
この差は、20℃の水が南下する12月〜翌1月にアオリイカが暖かい海部沿岸へ移り、低水温期には暖かい海域に分布が限られるという、徳島県の資料の説明とよく重なります。紀伊水道沖は沖合の海域の平均で釣り場の足元の値ではありませんが、冬は内湾より外海に面した側、という考え方の裏づけの1つにはなりそうです。
水温計で釣り場の水温を測るコツ
海域の平均水温で全体の流れをつかんだら、釣り場では水温計で足元の水温を測るのがおすすめです。とくに冬は、周りより少しでも水温の高い場所を探すことが釣果につながりやすいとされています。
TSURI HACKでは、冬は周りのポイントと比べて水温が安定し、0.1度でも高ければチャンスになるので、水温計は冬の必須アイテムと紹介されています。気象庁のデータは海域の平均なので、港の奥と堤防の先端、日の当たる浅場と潮通しのよい深場といった、釣り場の中の差までは分かりません。そこを埋めるのが水温計の役目です。
水温計には大きく2つのタイプがあります。1つは水面に触れずに測る非接触タイプで、ワンプッシュで測れて水に浸けないため、落としてなくす心配が少ないのが特長です。ただし、測れるのは水面の表面の温度なので、深いところの水温までは分かりません。
もう1つは、仕掛けのように糸に結んで投げ、水中に沈めて測るタイプです。沖の水温まで測れるのが強みで、コストパフォーマンスの高さを挙げて紹介されている製品もあります。
測るときのコツは、同じ釣り場の中で何か所か測って比べることです。1回の数字だけで判断するより、“港の奥は14.8℃、外向きの堤防の先は15.4℃”のように差を見るほうが、場所選びに使いやすくなります。測った値と釣れた・釣れなかったの記録を残しておくと、自分の釣り場の目安ができていきます。
水温計がなくても、気象庁のデータと地元の釣具店の情報を組み合わせれば、ある程度の見当はつきます。冬に何度も通う人や、同じ釣り場で場所を細かく選びたい人は持っておくと便利、くらいの位置づけで考えるとよいかなと思います。
水温を記録するときは、測った時刻と潮の状態も一緒にメモしておくのがおすすめです。同じ場所でも朝と夕方、満ち潮と引き潮で水温が変わることがあるので、条件ごと比べると自分の釣り場の癖が見えやすくなりますよ。
参考までに、釣り用の水温計の例を2つ載せておきます。非接触タイプと投げて測るタイプで得意な場面が違うので、使い方に合わせて選んでみてください。価格や在庫、仕様は購入前に各ショップでご確認くださいね。
春と秋で変わる水温の見方と狙う場所
春と秋では、同じ水温でも見るべきポイントが違います。春は“水温が上がって親イカが藻場に入ってくるか”、秋は“20℃を割る前後で浅場から外海側へ目を移すか”を見るのが基本です。
春は16〜20℃への上昇と藻場を見る
春は、水温が上がっていく途中で親イカが接岸してきます。釣り情報の目安では、16℃を超えると接岸が始まり、18〜20℃で活性が高まるとされています。紀伊水道のデータでは、7日平均が16℃以上に戻ったのは4月上旬〜下旬、20℃以上は5月下旬〜6月上旬でした。徳島県の資料が示す産卵盛期の5〜7月とも重なります。
春の親イカは産卵のために藻場へ寄ってくるので、アマモやホンダワラが茂る場所が狙い目になります。TSURI HACKでは、春は湾内よりも新しい潮が当たる外洋が狙い目とも紹介されているので、藻場のある場所を軸に、潮の当たる外向きの場所も候補に入れておくとよいかなと思います。エギは春は大きめの3.5号が目安とされています。季節に合わせたエギの号数の選び方は、エギの号数や重さ、季節ごとのサイズの選び方をまとめた記事でも詳しく紹介しています。
秋は20℃を割る前の新子の時期を見る
秋は、春から夏に生まれた新子が育ち、数釣りが楽しめる時期です。徳島県の資料では、10月に当年生まれの群れが急に大きくなり、本格的に漁獲の対象になると説明されています。TSURI HACKでも、秋は春に次ぐハイシーズンで、新子は遊泳力が弱いため浅い場所を中心に活動するので、障害物が点在する浅場が狙い目だと紹介しています。
秋の水温で見ておきたいのは、20℃を割るタイミングです。紀伊水道のデータでは11月末〜12月上旬に20℃を下回っていて、徳島県の資料ではこのころから群れが暖かい海域へ移っていくと説明されています。ただ、徳島県の漁獲は12月がいちばん多く、11〜1月が盛漁期とされているので、20℃を割ったら終わりという意味ではありません。浅場の数釣りは20℃台のうちに、20℃を割ったら暖かい外海側へ目を向ける、という切り替えの目安くらいに考えるのがおすすめです。秋はアオリイカ以外の魚も狙いやすい季節なので、季節ごとに狙える夜釣りの魚種を整理した記事もあわせて読むと計画の幅が広がります。
春も秋も、時期の区切りは地域とその年の水温でずれます。前の章で紹介した平年差の読み方を使って、“今年は平年より季節が遅れているか”を確かめてから釣行日を決めると、外しにくくなりますよ。
冬の低水温期に狙える場所と安全の注意
冬にアオリイカを狙うなら、15℃を下回りにくい暖かい海域と、水温が安定しやすい深場を選ぶのが基本です。冬は釣れる場所が限られるぶん、場所選びがそのまま釣果を左右します。
徳島県の資料では、低水温期には暖かい黒潮の影響がある太平洋沿岸に分布が限られ、分布の中心が沖合へ移ると説明されています。紀伊水道と紀伊水道沖のデータでも、外海側は冬も16℃前後を保っていました。黒潮など暖かい海流の影響を受ける外海に面した釣り場は、冬の候補になりやすいと考えられます。
また、徳島水研だより第66号には、暖かい水と冷たい水がぶつかってできる潮目の近くに、アオリイカが集まって漁場ができた例が紹介されています。2007年1月23日には、暖かい水が入ってきたことで15℃の水との間に潮目ができ、瀬戸内海から南下したアオリイカと沖合を回遊していたアオリイカが岸に集まったそうです。冬は、水温の境目がどこにあるかを意識すると、狙う場所の見当がつけやすくなります。
冬の釣り場は、水深のある外向きの堤防や磯になる場合も多く、足場が高い・波をかぶりやすいといったリスクも増えます。寒さで体が動きにくくなるうえ、日が短く暗くなるのも早い季節です。
冬の外向きの堤防や磯では、ライフジャケットを常に着けて、波の高い日や風の強い日は釣行を見合わせましょう。暗くなってからの単独行動は避け、立入禁止の場所には入らないでください。釣り場の安全とルールは、管理者や地元の釣具店に確認するのが確実です。
ライフジャケットを選ぶときは、国の安全基準に適合した桜マーク付きかどうかも確かめておきたいところです。種類ごとの違いは、釣り用ライフジャケットの桜マークと種類別の選び方で詳しく紹介しています。
冬はどうしても釣れる数が減る時期ですが、徳島県の資料では冬や春にも100gほどの小型から3kgを超える大型まで、さまざまなサイズが漁獲されると紹介されています。無理をせず、水温と天候がそろった日を選んで出かけてくださいね。
アオリイカの水温についてよくある質問
気温と海の水温は関係がありますか?
関係があります。徳島水研だより第64号では、4〜9月の沿岸の水温について、アオリイカが育つ沿岸部の水温は気温の影響を強く受ける、と説明されています。ただし、気温と海の水温は同じ動きをするとは限らないので、寒波の翌日にすぐ水温が下がっているとは決めつけないほうが安心です。釣行前は気温の予報だけでなく、気象庁の海面水温もあわせて確かめるのがおすすめです。
水温が高い年はアオリイカが多いのですか?
徳島県の資料では、産卵・孵化・稚仔期(生まれて間もない時期)の水温が高い年には大発生してサイズも大きく、冷夏の年には発生量が極端に少なくサイズも小さくなる、と書かれています。資源の量は産卵から稚仔の時期の水温と塩分に左右されるという考え方です。ただし、これは徳島県周辺の漁獲の分析なので、ほかの地域にそのまま当てはまるとは限りません。
沖縄でも同じ水温の目安で考えてよいですか?
そのままは当てはめにくいです。阿嘉島臨海研究所の会報によると、沖縄では和名でまとめてアオリイカと呼ばれるイカに、アカイカ・シロイカ・クアイカの3つのタイプがあり、クアイカの産卵期は3〜11月でピークは7〜8月と紹介されています。本土の4〜9月とは時期が違うので、沖縄では地元の情報を優先してください。
ほかのイカにもこの水温の目安は使えますか?
この記事の数値は、どれもアオリイカについての資料から拾ったものです。ヤリイカやスルメイカなど、ほかのイカは好む水温や季節の動きが違うと考えられるので、この目安を流用せず、それぞれのイカについての情報を確かめてくださいね。
アオリイカの水温の目安と確かめ方のまとめ
アオリイカの水温は、15℃・20℃・25〜30℃の3つの線で見ると整理しやすい、というのがこの記事の結論です。最後にポイントをまとめておきますね。
- 15℃を下回ると岸近くから沖や暖かい海域へ移り、釣れにくくなる
- 徳島県周辺では20℃を割ると広く散らばっていた群れが暖かい海域へ寄りはじめる
- 25〜30℃は飼育試験ではエサをよく食べる水温帯で、徳島県の夏の漁獲の減少は世代交代の時期で説明されている
- 春は16〜20℃への上昇と藻場、秋は20℃を割る前の浅場、冬は外海側の深場と潮目を見る
- 気象庁の沿岸の海面水温と平年差で季節の進みを読み、釣り場では水温計で足元を測る
水温の数字は、釣れるかどうかを決める答えではなく、時期と場所を選ぶための目安です。気象庁のデータで海の流れをつかみ、地元の釣具店の釣果情報とあわせて計画を立てると、釣行の空振りを減らしやすくなります。
この記事で紹介した水温・時期・日付などの数値は、あくまで一般的な目安で、地域やその年の海の状況によって変わります。正確な情報は気象庁や各県の水産研究機関などの公式サイトをご確認ください。釣り場のルールや禁漁期間、安全面の最終的な判断は、地元の漁協や釣具店、釣り場の管理者にご相談くださいね。
水温の見方が分かると、アオリイカ釣りの計画を立てるのがぐっと楽しくなるはずです。次の釣行の前に、ぜひ近くの海域の水温をのぞいてみてください。
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