コーヒーが苦い原因は?豆選びと淹れ方の改善策

FreeLife Design 運営者 ケイ

こんにちは。FreeLife Design、運営者の「ケイ」です。

自分で淹れたコーヒーが、思っていたより苦かった。飲み進めるうちに舌がざらついてきて、最後まで飲みきれなかった。そんなことはありませんか。

苦味そのものはコーヒーの持ち味なので、ゼロにする必要はありません。ただ、飲みにくいほど苦いなら、どこかの条件が行きすぎているサインです。

苦くなる原因は、大きく4つに絞れます。焙煎度が深いこと、挽き目が細かいこと、お湯の温度が高いこと、そして抽出しすぎていること。この4つのうち、どれか1つでも極端だと苦味が前に出ます。

逆に言えば、変えるべき場所は4か所しかないわけです。しかも、そのうち3つは今ある豆のままで調整できます。豆を買い直さなくても、明日の1杯から変えられるということですね。

この記事では、苦くなる4つの条件を仕組みから説明したうえで、豆を選び直す方法と、いま手元にある豆で苦味を抑える手順を順番に整理しました。あわせて、苦味とよく混同される渋みや雑味の見分け方、そして「苦い=カフェインが多い」という思い込みについても触れています。

深煎りが苦手な方、抽出を変えても改善しない方にも役立つはずですよ。読み終わるころには、次に何を変えればいいかがはっきりしているでしょう。

  • コーヒーが苦くなる4つの条件と仕組み
  • 苦味と渋み・雑味の見分け方
  • 豆を選び直すときの基準
  • 今ある豆で苦味を抑える調整の順番
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コーヒーが苦くなる4つの条件

焙煎度という豆の側の条件と、挽き目・お湯の温度・抽出時間と粉の量という抽出の側の条件を、ドリップの写真に引き出し線で示したスライド
コーヒーが苦くなる4つの条件

まず、苦味がどこから来ているのかを押さえておきます。ここが分かると、調整すべき場所が自動的に絞られます。

コーヒーの成分は、抽出中に決まった順番で溶け出していきます。前半に酸味や香りの成分、中盤に甘みと苦味、そして後半に渋みや雑味が出てくる、という流れです。この順番があるため、抽出を進めすぎると甘みや苦味の先にある渋みまで引き出してしまいます。

もうひとつ、豆そのものが持っている苦味の量も関係します。焙煎が進むほど苦味の成分が増えるため、同じ淹れ方でも深煎りのほうが苦く仕上がるわけですね。

つまり苦味は、豆の側の条件(焙煎度)と、抽出の側の条件(挽き目・温度・時間と量)の掛け算で決まります。ここからは4つの条件を1つずつ見て、それぞれがどう効いているかを確認していきましょう。

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焙煎度が深いほど苦味の成分が増える

いちばん影響が大きいのが焙煎度です。深く焼くほど苦味は強くなります。

これは焙煎中の化学変化によるものです。生豆に含まれる成分が熱で分解・変化して、苦味を持つ物質が生まれます。同時に糖が焦げてカラメルになり、こちらも苦味とコクの一部になります。

ここで意外に思われるかもしれませんが、苦味の主役はカフェインではありません。カフェインが苦味に占める割合は1割から3割程度とされ、残りは焙煎で生まれた別の成分が担っています。この点は後の項目でもう少し詳しく触れますね。

苦味を担っている成分は1つではありません。焙煎で生豆の成分が変化してできる物質がいくつかあり、それらが合わさって苦味として感じられます。糖が焦げてできるカラメルも、そのうちのひとつです。焙煎が深くなるほどこれらが増えるため、同じ豆でも焼き加減で苦さがはっきり変わるわけですね。

焙煎度の呼び名は、浅いほうからライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンと並びます。日本の店頭でよく見るのはシティからフルシティのあたりで、フレンチやイタリアンになるとかなり苦味が強い帯です。

店頭表示が3段階(浅煎り・中煎り・深煎り)だけの場合、上の8段階でいうとおおよそライトからミディアムが浅煎り、ハイからシティが中煎り、フルシティ以降が深煎りに当たります。呼び方は店によって幅があるので、迷ったら「浅いほうですか、深いほうですか」と確認するのが確実です。

いま飲んでいる豆が「フレンチ」「イタリアン」「深煎り」と表示されているなら、苦味が強いのは仕様どおりということになります。淹れ方をどれだけ工夫しても、この持ち味を消すことはできません。

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挽き目が細かいと成分が出すぎる

2つ目は挽き目です。細かく挽くほど苦味は増えます。

理由は表面積にあります。同じ量の豆でも、細かく挽けばお湯に触れる面が広くなり、成分が速く多く溶け出します。その結果、本来なら出ないはずの後半の成分まで引き出してしまうわけです。

挽き目の呼び名は、粗いほうから粗挽き、中粗挽き、中挽き、中細挽き、細挽き、極細挽きと並びます。ハンドドリップで標準とされるのは中挽きから中細挽きあたりで、細挽きより細かい帯はエスプレッソなど別の抽出方法向けです。

もし細挽きや極細挽きでドリップしているなら、それだけで苦味が出やすい状態と言えます。ミルの目盛りを確認してみてください。

もうひとつ見落とされがちなのが微粉です。挽いたときに混じる粉砂糖のような細かい粉のことで、これが多いと雑味が出やすくなります。表面積が極端に大きいため、短時間で成分を出しきってしまうんですね。

微粉の量はミルの方式で変わります。刃が回転して豆を砕くプロペラ式は粒がそろいにくく微粉が出やすい一方、2枚の刃で挟んで潰す臼式は粒度がそろいやすいとされています。同じ豆・同じ目盛りでも味が安定しないなら、ミルの方式が原因かもしれません。

買い替えなくても対処はできます。挽いた粉を茶こしで軽くふるって微粉を落とすだけで、後味の濁りが減ることがあります。落とした微粉は捨てることになるので、その分だけ粉の量を少し足して調整してください。

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お湯の温度が高すぎる

3つ目は湯温です。温度が高いほど成分が溶けやすくなるので、苦味も出やすくなります。

一般的に、ハンドドリップで扱いやすいとされるのは90℃前後から96℃あたりの範囲です。沸騰したての100℃近いお湯をそのまま注ぐと、この範囲を超えて余分な成分まで引き出してしまいます。

やかんで沸かしてすぐ注いでいる方は、ここが原因かもしれません。沸騰後に30秒から1分ほど置く、あるいはドリップポットへ移し替えるだけで数℃下がります。

逆に温度を下げすぎると、今度は酸味ばかりが立って物足りない味になります。下げるのは1回につき2〜3℃程度にとどめて、味の変化を確かめながら進めるのがおすすめです。

なお、温度計を持っていなくても目安はつかめます。沸騰したお湯をドリップポットに移した直後がおよそ95℃前後、そこから1分ほど置くと90℃前後まで下がる、というのが一般的な変化です。器具や室温で前後するので、あくまで目安として扱ってください。

注いでいる最中にも温度は下がっていきます。1杯分を2分半かけて注ぐなら、最後のほうは注ぎ始めより数℃低くなっている計算です。つまり「注ぎ始めの温度」を基準に考えるほうが実態に合います。最初の一投が熱すぎると、そこで苦味の成分が一気に出てしまうんですね。

蒸らしのときだけ温度を下げる、という手もあります。最初の30秒ほどは低めのお湯で粉を湿らせ、そのあとは通常の温度で注ぐ。手間はかかりますが、序盤の出すぎを抑えつつ全体の抽出は確保できます。

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抽出時間が長い・粉の量が多い

4つ目は抽出時間と粉の量です。この2つはセットで効いてきます。

抽出時間が長くなるほど、後半の成分が出てきます。ハンドドリップなら蒸らしを含めて2分半から3分程度が一般的な目安とされていて、4分を超えているなら長すぎる可能性があります。

時間が延びる原因は、挽き目が細かいこと、注ぐ速度が遅いこと、ドリッパーの穴が小さいことなどです。挽き目を粗くすればお湯が速く抜けるので、時間も自然に短くなります。

どの粗さがどの器具に合うのかは、挽き目6段階と器具別の目安にまとめてあります。段階の呼び名を押さえておくと、1段階動かすという調整が具体的になりますよ。

粉の量については、1杯あたり10gから12gが標準的な目安です。これを大きく超えると、同じ湯量でも濃く出るため苦味が強調されます。「濃いほうが美味しいはず」と粉を増やしているなら、それが原因かもしれません。

粉と湯の比率で考えると分かりやすくなります。粉10gに対して湯150ml前後が一般的な目安で、比率にするとおよそ1対15です。粉を増やすほどこの比率が下がり、濃く苦く仕上がります。逆に湯を増やせば薄くなりますが、同時に抽出時間も延びるため、単純に苦味が減るとは限りません。

濃さを調整したいなら、抽出は標準の比率で行い、最後にお湯を足して薄めるという方法もあります。抽出そのものを崩さずに濃度だけを変えられるので、渋みを増やさずに飲みやすくできます。

4つの条件のうち、いくつが当てはまるかを数えてみてください。1つだけなら、その1か所を直せば改善します。3つ以上なら、まとめて直そうとせず、影響の大きい順(焙煎度→挽き目→温度→時間と量)に1つずつ変えるのが確実です。

苦味を抑える豆の選び方

ここからは、豆を買い直すときの基準を整理します。抽出をいくら工夫しても改善しない場合、原因は豆の側にあるからです。

見るポイントは焙煎度ひとつと言ってもいいくらい、ここの影響が大きくなります。あわせて、苦味とカフェインをめぐるよくある誤解にも触れておきますね。

豆選びを変えると、そのあとの抽出の調整もずっと楽になります。深煎りを浅めに寄せるだけで、温度や挽き目を細かく詰めなくても飲みやすくなることが多いんです。

判断の目安はこうです。抽出条件を一通り試しても苦味が強いまま、あるいは条件を変えると今度は薄くなってしまう。この状態なら、豆が持っている苦味そのものが自分の許容量を超えています。抽出の調整で動かせる幅には限りがあるので、そこは豆側で解決したほうが早いんですね。

逆に、条件を1つ変えただけで味がはっきり動くなら、豆は合っています。その場合は買い替えずに、次の章の調整だけで十分でしょう。

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焙煎度を1段階だけ浅くする

結論から言うと、いま買っている豆より1段階だけ浅い焙煎度を選ぶのが失敗しにくい方法です。いきなり浅煎りへ飛ばないのがコツになります。

フレンチやイタリアンを飲んでいるならフルシティへ、フルシティならシティへ、というように1つずつ下げていきます。1段階なら味の方向は大きく変わらず、苦味だけが和らぐので、好みからずれにくいんですね。

いきなり浅煎りへ移ると、今度は酸味が前に出て「これじゃない」となりがちです。深煎りが好きだけれど苦すぎる、という場合はなおさら、少しずつ寄せていくほうが失敗しません。

店頭で焙煎度が3段階(浅煎り・中煎り・深煎り)でしか表示されていないこともあります。その場合は「いま深煎りを飲んでいて、少しだけ苦味を抑えたい」と伝えれば、中煎りの中でも深めのものを出してもらえるでしょう。

切り替えるときは、100gなど少量で試すのがおすすめです。焙煎度を1段階変えると味の印象はそれなりに動くので、いきなり500g買って合わなかったときの痛手が大きくなります。少量で方向を確かめてから、気に入ったものをまとめて買う。この順番なら無駄が出ません。

焙煎度と味の関係は抽出方法が変わっても効いてきます。水出しでの出方については、水出しコーヒーが苦い原因と焙煎度の関係にまとめてあるので、アイスで飲むことが多い方はあわせて確認してみてください。

焙煎度を選び分けて買いたいなら、豆の選定を売りにしている専門店から探すと外れが少なくなります。同じ銘柄で焙煎度違いを扱っている店なら、1段階だけ浅くするという調整もそのまま試せますよ。

ラボカフェ

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苦味とカフェインは別のもの

カフェインが苦味に占める割合は1割から3割程度で、同じ重量なら焙煎の深さでカフェイン量は大きく変わらないことを、浅煎りと深煎りの豆の写真とともに説明したスライド
苦味とカフェインに関する誤解

ここで、よくある誤解をひとつ解いておきます。苦いコーヒーほどカフェインが多い、というわけではありません

コーヒーの苦味は複数の成分が組み合わさって生まれています。カフェインもその一部ではありますが、苦味全体に占める割合は1割から3割程度とされ、主役は焙煎の過程で生まれる別の成分だと考えられています。

むしろ焙煎との関係で言えば、深く焼くほど苦味は増える一方で、同じ重量(グラム)で比べたときのカフェイン量は焙煎で大きくは変わらないとされています。つまり深煎りで苦いからカフェインが多い、とは言えないわけです。なお、スプーンなど体積で量ると結果が変わるという指摘もあります。豆は焙煎が深いほど膨らんで軽くなるため、同じ1杯分でも入る量が違ってくるからです。

この誤解が問題になるのは、カフェインを控えたい方が「浅煎りなら大丈夫」と考えてしまうケースです。苦味の強さとカフェイン量は別の話なので、カフェインを避けたいならデカフェやカフェインレスの表示を選ぶのが確実になります。

健康上の理由でカフェインの摂取量を管理している場合は、味の印象で判断せず、商品の表示や販売元の情報をご確認ください。最終的な判断は、かかりつけの医師や専門家にご相談いただくのが安心です。

◆ケイのワンポイントアドバイス

お店で豆を選ぶときは「苦味を少し抑えたい」と伝えるのがいちばん早いです。焙煎度だけでなく、その日の在庫から合うものを選んでもらえます。パッケージの表現も手がかりになり、「ビター」「チョコレート」「スモーキー」は苦味寄り、「ナッツ」「キャラメル」「まろやか」は中間帯の目印になりますよ。

今ある豆で苦味を抑える淹れ方

焙煎度を1段階浅くする、挽き目を1段階粗くする、お湯の温度を下げる、抽出時間と粉の量を減らす、という4手順を影響の大きい順に矢印で並べたスライド
苦味を抑える調整の順番

ここからは、いま手元にある豆のままできる調整です。豆を買い替えなくても、抽出条件を変えるだけで苦味はかなり抑えられます。

触る場所は3つ。挽き目、お湯の温度、そして抽出時間と粉の量です。効果が出やすい順に並べているので、上から試してみてください。

ここでも原則は同じで、1杯につき1か所だけ変えること。同時に2つ動かすと、どちらが効いたのか分からなくなります。変えた内容と味の印象をメモしておけば、3杯ほどで自分の適正値が見えてくるはずです。

メモに残すのは4つで足ります。挽き目の目盛り、お湯の温度(または沸騰後の待ち時間)、抽出にかかった秒数、粉と湯の量。この4つを書いておけば、うまくいった日の条件をそのまま再現できます。毎回なんとなく淹れていると、良かった1杯が二度と出せません。

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挽き目を1段階粗くする

最初に試すのは挽き目です。効果が大きく、変化も分かりやすい部分になります。

やり方は単純で、ミルの目盛りを1つ粗いほうへ動かすだけ。中細挽きなら中挽きへ、中挽きなら中粗挽きへ、という具合です。粗くすればお湯が速く抜けるので、成分の出すぎが自然に収まります。

一度に2段階3段階と動かさないでください。粗くしすぎると今度は抽出が足りなくなり、酸味ばかりが立って水っぽい味になります。1段階ずつが鉄則です。

粗くしすぎて酸味が立ってしまったときは、コーヒーが酸っぱくなる原因のほうを見ると戻し方が分かります。苦味と酸味は同じ抽出の裏表なので、行き過ぎたら反対側の手順で戻す形になりますね。

お店で挽いてもらっている場合は「ハンドドリップ用で、いつもより少し粗めに」と伝えれば通じます。次に買うときに調整できるよう、今回の挽き目をメモしておくとやりとりが早くなりますよ。

粗くしたときの変化も知っておくと判断しやすくなります。1段階粗くすると、お湯の抜けが速くなって抽出時間が短くなります。苦味が減るのと同時に、味全体もやや軽くなるのが一般的です。もし軽くなりすぎたと感じたら、粉を1g足すか、注ぐ速度を少し落として時間を戻してください。どれくらい短くなるかは器具や豆で変わるので、実際に測って確かめるのが確実です。

ミルを持っているなら、微粉を減らす工夫も効きます。挽いた粉を茶こしで軽くふるうだけで、細かすぎる粉を取り除けます。ひと手間かかりますが、雑味が気になる方には効果が分かりやすい方法です。ふるう時間は10秒ほどで十分です。落ちる量は豆や挽き方によって変わるので、実際にふるってみて確かめてください。

挽き目を細かく調整したいなら、目盛りが刻まれた臼式のミルがあると作業が早くなります。粒度がそろうぶん微粉も減るので、雑味が気になっている方にも効きます。

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お湯の温度を下げる

挽き目を変えても苦味が残るなら、次は温度です。

沸騰したてのお湯を使っているなら、まずそこをやめてみましょう。沸騰後に1分ほど置くだけで、90℃前後まで落ち着きます。これだけで印象が変わることも珍しくありません。

すでに90℃台で淹れているなら、そこからさらに2〜3℃下げてみてください。85℃前後まで下げると苦味はかなり和らぎますが、同時に甘みやコクも弱くなるので、下げすぎには注意が必要です。

深煎りの豆ほど、低めの温度が合うと言われています。深く焼いた豆は成分が溶け出しやすい状態になっているため、高温で淹れると出すぎてしまうからです。深煎り好きで苦味だけ抑えたい方は、この組み合わせを試す価値があります。

器具側の工夫もあります。カップやサーバーを温めない、ドリッパーを事前に温めない、という選択で、注いだお湯の実効温度をわずかに下げられます。ただし下がりすぎると抽出不足になるので、温度計がないうちは沸騰後の待ち時間で調整するほうが分かりやすいでしょう。

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抽出時間と粉の量を減らす

3つ目は時間と量です。ここまで来て改善しない場合、抽出しすぎか粉が多すぎる可能性があります。

まず時間を測ってみてください。お湯を注ぎ始めてから落ちきるまで、蒸らしを含めて何秒かかっているでしょうか。3分を大きく超えているなら、長すぎます。

短くする方法は2つ。挽き目を粗くする(前の項目のとおり)か、注ぐ速度を上げることです。細く長く注ぐと時間が延びるので、少し太めに、リズムよく注いでみてください。

粉の量も見直しましょう。1杯10gから12gが標準的な目安なので、15gや20gを使っているなら明らかに多すぎます。濃さを求めて増やしていたなら、量は標準に戻して、代わりに湯量を減らすほうが苦味は出にくくなります。

抽出方法そのものを変えるという選択肢もあります。器具によって出やすい味は変わるので、抽出方法ごとの違いと選び方を見比べてみるのもいいでしょう。ドリッパーの形でも味は変わるため、深煎りに合うドリッパーの選び方も参考になります。

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苦味と渋み・雑味を切り分ける

最後に、混同されやすい味の違いを整理しておきます。ここを分けられると、対処がぐっと正確になります。

コーヒーの成分は、前半に酸味と香り、中盤に甘みと苦味、後半に渋みや雑味という順で出てきます。つまり渋みや雑味は、甘みや苦味よりさらに後に出る成分ということです。抽出が行きすぎると、せっかく出た甘みが渋みに覆われてしまうわけですね。

この違いは、飲んだときの感覚で見分けられます。苦味は舌の上でスッと感じて消えていくのに対し、渋みは舌がざらつく、口の中が乾くような感覚を伴います。渋柿を食べたときの感じに近いですね。

もし感じているのが渋みなら、原因は抽出しすぎです。焙煎度を変えても直りません。挽き目を粗くする、時間を短くする、温度を下げるという抽出側の調整が効きます。

一方、雑味は微粉が主な原因になることが多いとされています。挽いた粉に細かすぎる粉が混じっていると、そこから不快な成分が出やすいためです。茶こしでふるう、あるいはミルを見直すことで改善します。

切り分けの手順も決めておくと迷いません。まず一口飲んで、数秒たってから舌の状態を確かめてください。何も残っていなければ苦味だけ。ざらつきや乾きが残るなら渋み。もやっとした濁りが残るなら雑味です。

もうひとつ、冷めたときの変化も手がかりになります。温度が下がると酸味の感じ方が弱まるぶん、苦味も渋みも相対的に前へ出てきます。ただし出方が違っていて、苦味は口の中に広がって消えていくのに対し、渋みは舌の表面に張りついたまま残ります。1杯を温かいうちと冷めてからの2回味わうと、この差が分かりやすくなりますよ。

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感じる味 出るタイミング 感覚の特徴 主な原因 効く対処
苦味 抽出の中盤(甘みと同じ帯) 舌の上で感じて消える 焙煎度が深い・抽出が強い 焙煎度を1段階浅く/挽き目を粗く/温度を下げる
渋み 抽出の後半 舌がざらつく・口が乾く 抽出しすぎ(時間・細挽き・高温) 時間を短く/挽き目を粗く/温度を下げる
雑味 抽出の後半 もやっと濁った後味 微粉が多い・古い豆 茶こしでふるう/ミルを見直す/新しい豆にする

味の感じ方には個人差がありますので、上の表はあくまで切り分けの目安として使ってください。正確な情報は購入先やメーカーの公式サイトをご確認ください。

コーヒーが苦い原因に関するよくある質問(FAQ)

ミルクや砂糖を入れれば苦味は消えますか?

感じ方はやわらぎますが、苦味そのものが消えるわけではありません。ミルクの脂肪分とたんぱく質が苦味を包み込むように働くため、飲みやすくはなります。深煎りの豆はミルクと合わせることを前提に焙煎されていることも多いので、カフェオレやラテにするなら深煎りのままでも問題ないでしょう。ただし、渋みが強い場合はミルクを入れても舌のざらつきが残ることがあります。その場合は抽出条件の調整が必要です。応急処置としてはミルク、根本の解決としては挽き目や温度、と使い分けてください。

深煎りが好きなのですが、苦すぎるときはどうすればいいですか?

豆を変えずに抽出だけで調整するのが現実的です。深煎りの豆は成分が溶け出しやすい状態になっているので、挽き目を1段階粗くして、お湯の温度を85℃前後まで下げてみてください。この2つで、深煎りらしいコクを残したまま苦味だけを削れることが多くあります。抽出時間も2分半程度に収めると、後半の渋みが出にくくなります。それでも強いと感じるなら、焙煎度をフルシティなど1段階だけ浅いものへ寄せると、方向性は保ったまま飲みやすくなるでしょう。

苦いコーヒーはカフェインが多いということですか?

そうとは限りません。カフェインは苦味成分のひとつですが、コーヒーの苦味全体に占める割合は1割から3割程度とされていて、主役は焙煎の過程で生まれる別の成分だと考えられています。また、同じ重量で比べる限り、焙煎の深さでカフェインの量が大きく変わるわけでもないとされています(体積で量ると結果が変わるという指摘もあります)。つまり「深煎りで苦い=カフェインが多い」とは言えません。カフェインの摂取量を管理したい場合は、味の印象ではなくデカフェやカフェインレスの表示で判断してください。健康に関わる判断は、商品の表示を確認したうえで、必要に応じて医師や専門家にご相談ください。

お店のコーヒーは苦くないのに家だと苦いのはなぜですか?

抽出条件が管理されているかどうかの差が大きいでしょう。お店では豆の量、挽き目、湯温、抽出時間が一定に保たれています。家庭では沸騰したてのお湯をそのまま使ってしまったり、ミルの挽き目が細かすぎたりすることがあり、そこで苦味が強く出ます。ミルの性能差も影響し、業務用のミルは粒がそろって微粉が少ないため、雑味が出にくくなります。まずはお湯の温度から見直して、次に挽き目を粗くしてみてください。それでも差が埋まらない場合は、お店で使っている豆の焙煎度を尋ねてみると原因が見えてきます。

苦味を完全になくすことはできますか?

ゼロにはできませんし、なくす必要もありません。苦味はコーヒーの骨格をつくる要素で、これがないと締まりのない味になります。目指すのは「苦味をなくすこと」ではなく「苦味が強すぎる状態を、ちょうどいいところまで戻すこと」です。浅煎りを選べば苦味は大きく減りますが、代わりに酸味が前に出るため、それが好みに合うかは別の問題になります。まずは1段階だけ焙煎度を浅くする、挽き目を1段階粗くするといった小さな調整から始めて、自分にとってちょうどよい位置を探してみてください。

まとめ|コーヒーが苦い原因と改善の順番

コーヒーが苦くなる原因は、焙煎度・挽き目・湯温・抽出時間と粉の量という4つの条件に絞られます。豆の側の条件が1つ、抽出側の条件が3つ、という内訳ですね。

まず確認したいのは焙煎度です。フレンチやイタリアン、深煎りと表示されている豆なら、苦いのは仕様どおり。淹れ方で完全に消すことはできないので、1段階だけ浅い焙煎度へ寄せるのが分かりやすい解決になります。

今ある豆で改善するなら、順番は挽き目 → 温度 → 時間と量。挽き目を1段階粗くし、沸騰後に1分置いてから注ぎ、抽出は2分半から3分、粉は1杯10gから12gに収める。この3つで多くの場合は落ち着きます。

大事なのは、1杯につき1か所だけ変えること。同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなってしまいます。3杯で1周する想定なら、1杯目で挽き目、2杯目で温度、3杯目で時間と量、という進め方が分かりやすいでしょう。

この3杯を淹れるあいだ、豆と器具は変えないでください。変数を1つに保つことで、はじめて比較が成り立ちます。同じ豆を使い切るまでのあいだに条件が決まれば、次に買う豆から迷わずに淹れられます。

そして、感じているのが苦味なのか渋みなのかを見分けてください。舌の上で感じて消えるなら苦味、ざらついて口が乾くなら渋みで、後者は抽出しすぎのサインです。もやっと濁った後味なら、微粉が原因かもしれません。

最後にひとつ。苦いからカフェインが多いわけではありません。苦味の主役は焙煎で生まれる別の成分で、カフェインが占める割合は1割から3割程度とされています。カフェインを控えたいなら、味ではなく表示で選んでください。

道具や豆の選び方をもう一度整理したい方は、コーヒー初心者向けの道具と豆の選び方もあわせてどうぞ。

数値はいずれも一般的な目安です。正確な情報は購入先やメーカーの公式サイトをご確認ください。最終的な判断は、ご自身の好みと環境に合わせて決めていただければと思います。あなたの1杯が、ちょうどいい苦さに落ち着きますように。

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