水出しコーヒーは普通の粉でも作れる?挽き目と分量の合わせ方

FreeLife Design 運営者 ケイ

こんにちは。FreeLife Design、運営者の「ケイ」です。

スーパーで「水出し用」と書かれたコーヒーを見かけると、普段使っている粉ではだめなのかなと思いますよね。家にレギュラーコーヒーの粉があるのに、わざわざ専用のものを買い足すのももったいない気がします。かといって、失敗して1リットルぶんを無駄にするのも避けたいところです。

結論から言うと、普通の粉でも水出しコーヒーは作れます。ただし、そのまま同じ分量・同じ時間で作ると、粉っぽくなったり渋くなったりしやすいんですよね。理由は挽き目です。市販の粉はドリップ用に細かめで挽かれていることが多く、水出しに向いている粗さとはずれているからです。

この記事では、まず専用の粉と普通の粉が何が違うのかをはっきりさせます。そのうえで、細かい粉を使うと何が起きるのか、インスタントは使えるのか、スーパーの粉でもおいしくできる条件は何かを順に見ていきますね。後半は、粉の量と時間の決め方、細かい粉を使うときの3つの対策、味がぶれたときの直し方まで扱います。今ある粉で試したい方は、後半の手順から読んでもらっても大丈夫ですよ。

  • 水出し専用の粉と普通のレギュラーコーヒーの粉の違い
  • 細かい粉で作ると起きることと、その避け方
  • 普通の粉に合わせた粉の量と抽出時間の決め方
  • 味がぶれたときにどこから直すかの順番

水出しコーヒーは普通の粉でも作れる

ここでは、専用でない粉を使うときに知っておきたいことを6つに分けて見ていきます。まず結論と理由から入って、専用の粉との違い、細かい粉で起きること、インスタントの可否、スーパーの粉で味を出す条件、そして焙煎度の影響という順ですね。読み終わるころには、いま家にある粉が向いているかどうかを自分で判断できるようになりますよ。

結論は作れるが挽き目の調整がいる

まず答えから言うと、水出し用と書かれていない普通の粉でも水出しコーヒーは作れます。抽出という点では何も特別なことはしていなくて、冷たい水にコーヒーの粉を長時間浸けているだけですからね。専用でないと成立しない仕組みがあるわけではありません。

ではなぜ「水出し用」という商品があるのかというと、水出しに向いた挽き目にしてあるからです。器具メーカーの公式コラムでも、水に浸けておく浸漬式には粗挽きから中挽きが挙げられています(出典:HARIO 公式コラム)。一方、スーパーで売られている一般的な粉は、ドリップで使うことを前提に中細挽きから中挽きで挽かれていることが多いです。

つまり違いは「粗さ」だけ、と言ってしまってもいいくらいです。粗さが違うと、同じ時間浸けたときに出てくる成分の量が変わります。細かいほど水に触れる表面積が大きくなるので、成分が早く、そして多く出てくるんですね。

普通の粉を使うときは、時間か粉の量のどちらかを少し控えめにするのが基本です。専用の粉のレシピをそのまま当てはめると、出すぎて渋くなることがあります。この一点さえ押さえておけば、あとは大きな失敗はしにくいですよ。

もう少しイメージしやすい言い方をすると、粒が小さいほど「水と接する面」が増えます。同じ重さでも、大きな粒がいくつかあるのと、細かい粒がびっしりあるのとでは、水に触れている面積がまるで違いますよね。細かいほうが早く、そしてたくさん成分を出します。水出しは時間をかける淹れ方なので、この差が最後まで積み上がっていくわけです。だから、粗い粉のレシピをそのまま細かい粉に当てはめると出すぎる、という結論になります。

水出し用の粉と普通の粉の違い

挽き目・形態と分量・価格の傾向を、水出し用の粉と一般的なレギュラーコーヒーの粉で並べた表のスライド
水出し用の粉と一般的な粉の傾向比較

もう少し具体的に、何が違うのかを整理しておきますね。並べてみると、思っているより差は小さいことが分かります。

項目 水出し用として売られている粉 一般的なレギュラーコーヒーの粉
挽き目 粗挽き〜中挽きが中心 中細挽き〜中挽きが中心
形態 パック入りのことが多い 袋入りで量り取る
1回の分量 パック単位で決まっている 自分で量る
豆の選び方 水出し向けにブレンドされている場合がある 用途を限定していない
価格の傾向 やや高めのことが多い 大容量なら単価が下がる

この表は一般的な傾向をまとめたもので、商品ごとに違います。実際の挽き目は袋の表示や、開けたときの見た目で確かめてください。指でつまんでみて、ざらざらとした粒が感じられるなら中挽き以上、さらさらと粉っぽいなら細挽き寄りですね。

ここで注意したいのが、パック入りの手軽さです。専用の粉が選ばれる理由は、味そのものより「量らなくていい」「パックに詰めなくていい」という手間の少なさだったりします。逆に言えば、その手間を引き受けられるなら、普通の粉でも困らないということですね。

実務的な差も書いておきますね。パック入りは1袋あたりの粉量が固定されているので、作る量を細かく調整しにくいという面があります。500ミリリットルだけ作りたいのに1リットル用のパックしかない、ということが起きるんですね。袋入りの粉なら自分で量れるので、そのぶん自由度は高いです。飲みきれる量に合わせて作りたい方には、むしろ袋入りのほうが向いていることもありますよ。

そもそもレギュラーコーヒーという言葉の意味があいまいだという方は、ドリップコーヒーとレギュラーコーヒーの違いをまとめた記事を先に見ておくと、売り場での見分けが楽になりますよ。

細かい粉で作ると起きること

粒が小さいほど水と接する面積が増える仕組みと、雑味・濁り・抽出のムラという3つの現象を並べたスライド
細かい粉で作ると起きる3つのこと

では、細かい粉をそのまま使うと何が起きるのか。大きく3つあります。順に見ていきましょう。

ひとつ目は、濁りと粉っぽさです。細かく挽いた粉には微粉と呼ばれるごく細かい粒が多く含まれていて、これがフィルターの目をすり抜けて液体に混ざります。飲んだときに舌にざらつきが残り、見た目も濁ります。パックを使っていても、目の粗いものだと通り抜けてしまうんですよね。

ふたつ目は、雑味です。細かい粒は表面積が大きいぶん、成分が早く出ます。8時間や12時間といった長い時間をかけると、おいしい成分が出きったあとに、渋みやえぐみの元になる成分まで出てきます。これが「時間どおりに作ったのに渋い」の正体です。

三つ目は、抽出のムラです。細かい粉はパックの中で固まりやすく、水が中心まで届かないことがあります。外側だけがしっかり抽出されて、内側は乾いたまま。結果として、渋いのに薄いという不思議な味になることもあります。

自分の粉に微粉が多いかどうかは、簡単に確かめられます。白い皿に小さじ1杯ほど広げて、指で少し押し広げてみてください。粒がはっきり見えるなら中挽き以上、皿に粉っぽい膜が残るようなら微粉が多めです。もうひとつは、袋の内側を見る方法。細かい粉が多いと、袋の内側に粉が張り付いて白っぽく曇ります。買う前には確かめられませんが、次に選ぶときの判断材料にはなりますよ。

細かい粉を使うときは、専用の粉と同じ時間で放置しないでください。同じレシピのまま12時間浸けると、渋みが出やすくなります。まずは6〜8時間で一度味を見て、足りなければそこから延ばす。逆方向の調整はできないので、短めから始めるのが安全です。

ちなみに、渋さと苦さは別ものです。舌に残ってざらつくのが渋み、口に入れた瞬間に強く感じるのが苦みですね。苦みのほうが気になる場合は焙煎度が関係していることが多く、その切り分けは水出しコーヒーが苦い原因と焙煎度の関係をまとめた記事に整理してあります。

インスタントコーヒーは使えない

よく聞かれるのが、インスタントコーヒーで水出しはできるのかという質問です。答えは、水出しコーヒーとしては作れません。

理由は、インスタントコーヒーがすでに抽出を終えたものだからです。コーヒーを淹れた液体を乾燥させて粉や粒にしたものなので、水に入れれば溶けます。溶けるだけで、抽出は起きていないんですね。水出しの持ち味である「低温でゆっくり成分を引き出す」という工程が、そもそも存在しません。

冷たい水にも溶けるタイプの製品はありますし、それを飲むこと自体は問題ありません。ただ、それは水出しコーヒーではなく、冷たいインスタントコーヒーです。香りの立ち方も口当たりもまったく違うものになります。

紛らわしいのが、パックに入った商品の中にも2種類あることです。ひとつは挽いた粉が入っていて水に浸けて抽出するもの、もうひとつは抽出済みの成分が入っていて水に溶かすもの。前者が水出し用、後者はインスタントの一種ですね。パッケージに「浸けおき」「抽出時間」と書かれていれば前者、「溶かす」「よく振る」と書かれていれば後者と見当がつきます。買うときは、この違いを表示で確かめてみてください。

同じ理由で、コーヒーの粉を一度お湯で淹れてから冷やしたものも、水出しとは別ものです。あちらは急冷アイスコーヒーと呼ばれる方法で、これはこれでおいしい淹れ方ですね。どれが上という話ではなく、目指す味で選び分けるという理解でいいと思います。

味の方向性の違いも整理しておきますね。水出しは低い温度でゆっくり抽出するぶん、酸味や渋みが出にくく、まろやかで甘く感じられる仕上がりになりやすいです。急冷アイスは高い温度で一気に抽出して急速に冷やすので、香りが立ち、輪郭のはっきりした味になります。どちらを飲みたいかで選べばいいのであって、水出しができないから急冷にする、という後ろ向きな選び方をする必要はありません。時間がない朝は急冷、前の晩から準備できる日は水出し、という使い分けも自然だと思います。

スーパーの粉でも味を出せる条件

ここまで読むと、普通の粉は不利なように感じるかもしれません。でも、条件さえ整えばスーパーの粉でも十分おいしく作れます。押さえるのは3つです。

ひとつ目は、焙煎からの日数です。粉は豆より風味が落ちやすく、袋を開けてからはさらに早くなります。開封から2週間ほどを目安に使い切れる量を買うのが理想ですね。特売で大袋を買っても、後半がおいしくないなら結果的に損になります。

ふたつ目は、挽き目の表示です。同じスーパーの棚でも、粗挽きと表示された商品が置かれていることがあります。水出しに使うなら、そちらを選ぶだけで対策の半分は終わりです。表示がない場合は、開けてみて粒の大きさを確かめてください。

三つ目は、袋の底に気をつけることです。挽いた粉は運搬中に振動で分かれていき、細かい粒が下に沈みます。同じ袋でも、最後のほうを使うと急に微粉が増えて濁ることがあるんですね。開封したら一度全体を軽く混ぜてから量ると、味が安定しますよ。

◆ケイのワンポイントアドバイス

開封したあとの保存は、密閉して光と湿気を避けるのが基本です。袋のまま輪ゴムで留めるだけだと空気が入りますし、冷蔵庫に入れると出し入れのたびに結露します。私は密閉容器に移して常温の暗い場所に置くようにしていますが、2週間で使い切れる量にしておくのがいちばん確実かなと思います。

具体的にどの店の粉が使えるかは商品次第ですが、大容量の粉を水出しに使った例は業務スーパーの粉で水出しコーヒーを作るときの値段と選び方をまとめた記事にまとめてあります。単価と味のバランスを見たい方は、そちらも参考にしてみてください。

焙煎度で仕上がりが変わる

挽き目の次に効いてくるのが焙煎度です。同じ挽き目でも、浅煎りか深煎りかで水出しの仕上がりはかなり変わります。

深煎りは、水出しと相性がいいとよく言われます。低温でゆっくり抽出すると酸が立ちにくく、深煎り特有のコクや甘い香りが前に出てくるからですね。市販のアイスコーヒー用として売られている粉は深煎りが多く、これは水出しにも使いやすい部類です。

浅煎りは、果実のような酸味が特徴です。水出しにすると輪郭のはっきりした爽やかな味になりますが、豆によっては酸っぱさが強く出ることもあります。好みが分かれるところなので、初めてなら中煎りから深煎りのあたりで試すほうが失敗は少ないかなと思います。

袋に焙煎度が書かれていない場合は、粉の色で見当がつきます。黒っぽく艶があるものは深煎り、明るい茶色は浅煎り寄りですね。アイスコーヒー用、水出し用と書かれた商品は深煎りであることが多いです。

ただし、深煎りは油分が多いので、金属フィルターを使うと液体が濁って見えることがあります。これは異常ではなく、コーヒーオイルによるものです。見た目を澄ませたいならペーパーで濾すという選択肢もありますが、そのぶんコクは軽くなります。

焙煎度と時間の組み合わせも覚えておくと便利です。深煎りは成分が出やすいので、同じ挽き目なら浅煎りより短めで足ります。浅煎りは逆に、少し長めに浸けたほうが味が乗ってくることが多いです。つまり「深煎り×細挽き」がいちばん出すぎやすい組み合わせで、市販のアイスコーヒー用の粉はまさにここに当たります。この組み合わせを使うなら、時間は6時間くらいから試すのが安全ですね。

挽き目の調整が面倒に感じるなら、水出し用として作られたパック商品を使う手もあります。粉を量る手間がなく、袋を入れて待つだけです。まずはこれで基準の味を知ってから、手持ちの粉を寄せていくという進め方もありますよ。

普通の粉で水出しコーヒーをおいしく作る手順

ここからは実践編です。粉の量と時間の決め方、細かい粉を使うときの具体的な対策、味がぶれたときの直し方、そして専用の粉に切り替えるべきかの判断まで順に見ていきます。今ある粉で今夜から試せる内容なので、気軽に読んでみてくださいね。

粉の量と時間を先に決める

粗挽き・中挽き・中細挽きそれぞれの水1リットルあたりの粉の量と抽出時間をまとめた表のスライド
挽き目ごとの粉の量と抽出時間の目安

作りはじめる前に、粉の量と時間を決めてしまいましょう。水出しの一般的な目安は、水1リットルに対して粉80〜100グラム、時間は8〜12時間程度です。器具メーカーの公式コラムでも、浸漬式は8〜12時間程度が目安として示されていて、必要に応じて最大24時間ほどまで調整する幅も紹介されています。

普通の粉を使う場合は、この範囲の下のほうから始めるのがコツです。粉は80グラム、時間は8時間。細かい粉は成分が出やすいので、これでも十分な濃さになることが多いですよ。

使う粉 水1Lあたりの粉 抽出時間の目安
粗挽き(水出し用) 90〜100g 10〜12時間
中挽き 80〜90g 8〜10時間
中細挽き(一般的な市販粉) 70〜80g 6〜8時間

この表はあくまで出発点の目安です。豆の焙煎度や好みで正解は動くので、1回作るごとに少しずつ寄せていってください。大事なのは、1回に変えるのはひとつだけということですね。粉と時間を同時に動かすと、どちらが効いたのか分からなくなります。

抽出する場所は冷蔵庫の中がおすすめです。温度が安定するのと、加熱しない飲み物なので衛生面でも安心できます。時間や置き場所の考え方は水出しコーヒーを冷蔵庫で作るときの時間と置き場所をまとめた記事に整理してありますよ。

もうひとつ、濃縮で作るという選択肢もあります。粉の量は変えずに水を半分にして濃い原液を作り、飲むときに冷水や牛乳で倍に薄める方法ですね。細かい粉を使う場合、抽出時間を短くしても濃さが確保できるので、渋みを避けながら濃度を出したいときに向いています。氷で薄まるぶんも計算に入れられるので、アイスで飲む方には相性がいいですよ。

細かい粉を使うときの3つの対策

挽き目を変えられない場合でも、打てる手はあります。効果の大きい順に3つ紹介しますね。

ひとつ目は、時間を短くすることです。いちばん簡単で、追加の道具も要りません。8時間を6時間にするだけで、渋みはかなり抑えられます。朝に飲みたいなら、寝る前ではなく少し遅めに仕込む。それだけで変わります。

ふたつ目は、微粉をふるい落とすことです。茶こしや粉ふるいに粉を入れて軽く振ると、細かい粒が下に落ちます。落ちたぶんは捨てるか、ドリップ用に回してください。手間はかかりますが、濁りと粉っぽさに対しては直接効きます。

三つ目は、フィルターの目を細かくすることです。金属メッシュを使っているならお茶パックへ、お茶パックでも通るならペーパーで飲む前に一度濾す。抽出そのものは変えずに、通す段階で微粉を止める考え方ですね。

3つとも試すのではなく、まず時間を2時間短くするところから始めてください。これで解決するケースがいちばん多いです。それでも粉っぽさが残るならふるいを、見た目の濁りが気になるならペーパー漉しを足す。順番に足していくほうが、何が効いたのかが分かって次に活きますよ。

道具をこれからそろえるなら、100円ショップで一通り手に入ります。茶こしもお茶パックも数百円の範囲ですね。何をそろえればいいかは水出しコーヒーを100均で始める道具一式と総額をまとめた記事にまとめてあります。

ふるいを使うときは、量り直しの順番に気をつけてください。先に80グラムを量ってからふるうと、落ちた微粉のぶんだけ実際に使う粉が減ります。粗くしたのに薄くなった、と感じる原因はたいていこれです。正しい順番は、多めに挽く(または多めに出す)、ふるう、ふるったあとの粉を量る。この順にしておけば、数字がぶれません。

微粉取りを続けるなら、受け皿と一体になった専用の粉ふるいが扱いやすいです。粉が飛び散らず、挽いてそのまま振るだけで済みます。まずは家にある茶こしで効果を確かめてからでも遅くありません。

味がぶれたときの直し方

作ってみて思った味にならなかったとき、どこから触るかには順番があります。当てずっぽうに変えると、半日かけた1バッチが毎回無駄になってしまいますからね。

薄いと感じたら、まず時間を2時間延ばします。それでも足りなければ粉を10グラム増やす。この順番が大事で、先に粉を増やすと微粉も一緒に増えて、濃くはなったけれど粉っぽいという結果になりがちです。

渋い、えぐいと感じたら逆で、時間を2時間短くします。それでも渋いなら粉を10グラム減らす。細かい粉ほど出すぎやすいので、引き算の方向で調整するのが基本になります。

感じた味 最初に変えること 次に変えること
薄い・水っぽい 時間を2時間延ばす 粉を10g増やす
渋い・えぐい 時間を2時間短くする 粉を10g減らす
粉っぽい・ざらつく ふるいで微粉を落とす ペーパーで濾す
濁って見える ペーパーで濾す 挽き目を粗くする

この表は一般的な目安です。豆や器具によって効き方は変わるので、変えた内容と結果をメモしておくと、3〜4回で自分の設定が決まりますよ。濃さの調整そのものについては水出しコーヒーが薄いときに濃くする順番と比率の目安をまとめた記事に手順を書いてあるので、薄さが続くようならそちらも見てみてください。

味の症状が複数あって切り分けられないときは、水出しコーヒーがまずい原因を症状別に切り分けた記事のほうが早いかもしれません。器具のにおいや水が原因のこともあるので、粉のせいだと決めつける前に一度確認してみてください。

記録しておくのは4項目で十分です。粉の名前と挽き目、粉の量、浸けた時間、飲んだ感想。スマホのメモに1行ずつ足していくくらいでかまいません。水出しは結果が出るまで半日かかるので、記憶に頼ると前回との違いが分からなくなります。3〜4回も記録すれば、自分の粉での最適な設定が見えてきますよ。

専用の粉に切り替えるべきか

最後に、専用の粉を買うべきかどうかという話をしておきますね。結論としては、必須ではないけれど条件によっては買う価値がある、というところです。

切り替えを考えていいのは、次のようなときかなと思います。調整しても粉っぽさが取れない、毎回パックに詰めるのが面倒、複数人ぶんをまとめて作りたい。特に最後のパック入りの手軽さは、続けるうえで効いてきます。

逆に、月に数回しか作らない方や、家に粉の在庫がある方は、普通の粉のままで十分です。挽き目の調整は時間を短くするだけでもかなりできますし、専用の粉にしたからといって劇的に変わるわけではありません。

もうひとつの選択肢が、豆で買って自分で挽くことです。挽き目を自由に決められるので、水出しに合わせた粗さにできます。ミルの初期費用はかかりますが、水出しだけでなくドリップにも効いてくるので、コーヒーを続ける前提なら悪くない投資かなと思います。

ミルを買わずに挽き目だけ変える方法もあります。豆を扱っているお店やスーパーの店内ミルで、挽いてもらうときに粗さを指定するやり方ですね。「水出しに使うので粗めで」と伝えれば、たいていは合わせてもらえます。挽いた粉は豆より風味が落ちるのが早いので、2週間ほどで使い切れる量にしておくのがコツです。この方法なら追加の出費はゼロで、挽き目の問題だけを解決できますよ。

どれを選んでも間違いではありません。自分がどこに手間をかけたいか、という基準で決めてもらうのがいちばんです。

選択肢 追加の出費 毎回の手間 挽き目の自由度
今の粉のまま時間で調整 なし 変わらない なし
店で粗めに挽いてもらう なし 変わらない 中くらい
水出し用のパックを買う 粉代がやや上がる いちばん少ない なし
豆で買ってミルで挽く ミル代が一度きり 挽く手間が増える いちばん高い

この表は一般的な傾向の目安です。金額も手間の感じ方も人によって違うので、そのまま当てはめず、自分の生活のリズムに照らして選んでみてください。私の感覚では、まず上の2つを試して、それでも不満が残ったときに下の2つを検討する、という順番がいちばん無駄が出にくいかなと思います。

挽き目を自由に決めたいなら、粗さ調整のできる手動ミルがいちばん確実です。臼式なら粒がそろいやすく、水出しに向いた粗挽きにも合わせられます。価格や在庫は変動しますので、購入前に各ショップでご確認ください。

水出しコーヒーと普通の粉についてよくある質問

ドリップバッグの中身を出して使えますか?

使えますが、あまりおすすめはしません。ドリップバッグの中身はお湯で短時間抽出することを前提に、かなり細かく挽かれていることが多いからです。水出しに使うと渋みと濁りが出やすくなります。どうしても使うなら、時間を4〜6時間まで短くして様子を見てください。また、1袋あたりの量は10グラム前後なので、1リットル作るには7〜8袋必要になり、コスト面でも割高です。袋を開ける手間も考えると、素直に粉を袋で買うほうが現実的かなと思います。

エスプレッソ用の粉は水出しに使えますか?

向いていません。エスプレッソ用は極細挽きで、高い圧力で短時間だけお湯を通すために作られています。水出しのように長時間浸けると、渋みやえぐみが強く出ますし、微粉が多いので濾すのもひと苦労です。どうしても手元にそれしかないという場合は、時間を3〜4時間まで大幅に短くして、ペーパーで二度濾すという方法もありますが、本来の水出しの味とはかなり違うものになります。粉を選べる状況なら、中挽き以上のものを用意するほうが結果的に近道です。

古い粉が余っているのですが水出しに使えますか?

開封から時間が経った粉は、香りが抜けて味も平坦になっています。水出しは低温でゆっくり抽出するぶん、素材の粗が出にくい淹れ方ではありますが、抜けてしまった香りを取り戻すことはできません。飲めないわけではないので、ミルクで割ったりガムシロップを足したりして使い切るのが現実的だと思います。ただし、袋の中で油が酸化してにおいが変わっているものは避けてください。開けた瞬間に古い油のようなにおいがするなら、無理に飲まず処分するほうがいいです。

粗挽きの粉が売っていない場合はどうすればいいですか?

売り場に粗挽きが見当たらないことはよくあります。その場合は、①中挽きの粉を選んで時間を短めにする ②お店で豆を買うときに挽き目を粗めに指定する ③豆で買って自分で挽く、の3つが選択肢になります。②はコーヒー豆を扱う店や、店内にミルを置いているスーパーで対応してもらえることがあります。「水出しに使いたい」と伝えれば、粗さを合わせてもらえることが多いですよ。挽いてもらった粉は劣化が早いので、2週間ほどで使い切れる量にしておくと安心です。

まとめ|水出しコーヒーと普通の粉の使い方

水出しコーヒーは、水出し用と書かれていない普通の粉でも作れます。専用の粉との違いは主に挽き目で、市販の粉はドリップ用に細かめに挽かれていることが多い、というだけの話ですね。仕組みが違うわけではありません。

細かい粉をそのまま使うと、濁りと粉っぽさ、渋み、抽出のムラが出やすくなります。対策はシンプルで、まず時間を2時間短くすること。それでも粉っぽさが残るなら茶こしで微粉をふるい、見た目の濁りが気になるならペーパーで一度濾す。この順番で足していけば、たいていのケースは落ち着きます。

分量の出発点は、一般的な市販粉なら水1リットルに粉70〜80グラム、時間は6〜8時間あたり。ここから1回にひとつだけ変えて、自分の好みに寄せていってください。インスタントコーヒーは抽出済みのものなので、水出しとしては作れないという点だけ覚えておけば大丈夫です。

もし何度か試しても納得できないなら、粉ではなく挽き目そのものを変える段階に来ています。お店で粗めに挽いてもらうか、豆で買ってミルを使うか。そこまで来た方は、もう自分の好みがはっきりしているはずなので、選ぶのは難しくないと思いますよ。

数値はいずれも一般的な目安で、豆の焙煎度や器具によって最適な設定は変わります。正確な情報は公式サイトをご確認いただき、商品の選び方に迷ったときは、最終的な判断は販売店やメーカーの表示を見てから決めてくださいね。まずは今ある粉を、いつもより2時間短く浸けるところから試してみてください。