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万年筆のコンバーターとは|パイロット・プラチナ・セーラーの容量と互換性を比較
万年筆のコンバーターはどれを選ぶ?メーカー別の容量・価格・使えない機種を一覧で比べる
カートリッジ式の万年筆に慣れてくると、ボトルインクの色を試してみたくなりますよね。そこで出てくるのがコンバーターですが、調べはじめると、CON-40とCON-70(現行はCON-70N)はどう違うのか、プラチナやセーラーのものはどれを選べばいいのか、ほかのメーカーの万年筆にも付けられるのか、と迷うところが次々に出てくるかなと思います。
先に結論を書くと、コンバーターは使う万年筆と同じメーカーの純正品から選び、そのうえで容量と方式、使えない機種をメーカーの公式の仕様で確かめるのが安心です。各社の公式ページを見ていくと、互換性については自社の万年筆に自社品を使う前提で書かれていて、同じメーカーの中でも容量や使えない機種がはっきり違うからです。
この記事では、パイロット、プラチナ万年筆、セーラー万年筆、LAMY、Kawecoの公式ページに載っている値だけを使って、純正コンバーターの容量・価格・使えない機種を1つの表に並べました。カートリッジとの違いや基本の使い方、満タンにならないときの確認、洗い方の注意も、メーカーの案内をもとに要点だけまとめています。
- コンバーターの仕組みと、回すタイプ・押すタイプの違い
- カートリッジや吸入式との使い分けと、メーカーをまたいだ付け替えの考え方
- 9種類の純正コンバーターの容量・価格・使えない機種の比較表
- 満タンにならないときの確認と、洗い方・付け外しの注意
万年筆のコンバーターとは|仕組みと種類
万年筆のコンバーターは、カートリッジの代わりに差し込んで、ボトルインクを吸い上げる小さな吸入器です。この章では、仕組みと吸い方のタイプ、カートリッジや吸入式との使い分け、メーカーをまたいだ付け替えについて、各社の公式の記述を順に確かめます。章の最後には、純正コンバーターを1つの表に並べました。表の値は、すべてメーカーの公式ページに載っているものだけです。
コンバーターはボトルインクを吸う道具
コンバーターは、ボトルインクを万年筆に吸い上げるための道具です。カートリッジを差す場所に付けて、ペン先をインクに浸して吸い込むので、カートリッジ以外のインクを使いたいときの入り口になります。
パイロットはウェブカタログのCON-40とCON-70Nのページで、どちらも「コンバーターは、インキ瓶から万年筆にインキを吸入するためのインキ吸入器です。」と説明しています。2つのページには「カートリッジインキ式万年筆用インキ吸入器」とも書かれています。パイロットのコンバーターは、カートリッジで使う万年筆に付ける部品という位置づけですね。
セーラー万年筆も、インク補充方法の案内で「インク吸入器コンバーターは、ボトルインクを吸入する際にお使いいただけます。」としています。続けて、好きな色のボトルインクを使えるので、インク色を楽しみたい人に勧める、という書き方です。
プラチナ万年筆は、自社の万年筆にインクを補充する方法を2種類と案内していて、その1つがコンバーターです。製品ページでは、コンバーター700Aと800Aのタイプを「万年筆用インク吸入具」としています。
使う流れは、パイロットの案内がわかりやすいです。同社は、コンバーターを装着し、ペン先を首の部分までインキに浸して、それぞれの吸入方法で吸入するよう書いています。ペン先から吸い込んだインクが、コンバーターの中にたまるイメージです。ウェブカタログでも、CON-40のページは回転吸入式で、CON-70Nのページはプッシュ式で吸入すると書き分けていて、型番によって吸い方が違います(次の見出しで比べます)。細かな手順は、手元の万年筆とコンバーターの説明書で確かめてくださいね。
各社の書き方を合わせると、コンバーターはカートリッジを差して使う万年筆に付けるもの、と読めます。ただし、カートリッジを差す万年筆でも、コンバーターごとに使えない製品が注記されていることがあります(比較表の右端の列)。パイロットはカートリッジインキ式万年筆用とし、セーラー万年筆は、胴の中に直接インクを貯める尾栓回転吸入式(レアロ)の2製品にはコンバーターもカートリッジも使えないとしています。まずは手元の1本が、カートリッジを差して使うタイプかどうかを見ておきましょう。
カートリッジ・コンバーター・吸入式の方式ごとに、インクを入れる手順そのものを確かめたいときは、方式別の手順と入れたあとの扱いで紹介しています。
回すタイプと押すタイプの違い
純正コンバーターの吸い方は、大きく分けると、ノブを回して吸うタイプと、押して吸うタイプがあります。どちらかで操作が変わるので、買う前に方式の欄を見ておくと迷いにくいですよ。
パイロットはウェブカタログで、CON-40の方式を回転式、CON-70Nの方式をプッシュ式としています。同じメーカーのコンバーターでも、型番によって操作が違うわけですね。パイロットのよくあるご質問には、回転式とプッシュ式それぞれのインキの入れ方の動画への案内があります。なお、CON-70Nのページには、使い方の動画には旧タイプのCON-70を使っていると注記されています。
プラチナ万年筆のコンバーター700Aと800Aは、取扱説明書の手順を見ると回すタイプです。ノブを左に回してから、ペン先の根元までインクに浸し、ノブを右に回して吸入する流れになっています。製品ページの仕様には、ピストンの素材がエラストマーと書かれています。
セーラー万年筆のコンバーターも回すタイプです。インク補充方法の案内では、ノブを矢印の方向に回してピストンを下げ、ペン先をインクに浸してから、ノブをゆっくりと矢印の方向に回して吸入するよう書いています。
海外ブランドでは、KawecoのMini Converterが押し引きするタイプです。Kawecoは英語の公式ページで、注射器のようにインクを吸い上げると説明していて、これを繰り返すと入る量が増えるとしています。LAMY Z 28は、日本向けの公式オンラインストアのページに方式の記載がありませんでした。
もうひとつ知っておきたいのが、パイロットの書き方の違いです。よくあるご質問では、コンバーターの吸入方法を板バネ式・回転吸入式・プッシュ式の3つとしています。ただ、2026年10月19日時点のウェブカタログでコンバーターを探すと、出てくるのはCON-40とCON-70Nの2つだけでした。板バネ式の現行品は、現行の公式カタログでは見当たりません。
回すか押すかは操作の違いなので、方式で選ぶより先に、手元の万年筆に使える型番かどうかを確かめるのが順番かなと思います。型番が決まったら方式を確かめ、操作は各社の説明書や動画に合わせてください。
カートリッジや吸入式との使い分け

カートリッジ、コンバーター、吸入式のどれが向いているかは、手軽さを取るか、インクの色を選びたいか、たくさん貯めたいかで変わります。メーカーの説明を並べると、それぞれの得意なところが見えてきますよ。
わかりやすいのはセーラー万年筆の説明です。カートリッジインクについては「カートリッジインクは使い切りの万年筆用インクです。手軽に使えて、持ち運びにも便利です。」と書いています。コンバーターについては、好きな色のボトルインクを使えるので、インク色を楽しみたい人に向くという説明です。
吸入式については、尾栓回転吸入式(レアロ)を、胴内に直接インクを貯蔵できる万年筆としています。そのうえで「カートリッジインクやコンバーターよりも多くインクを貯めることができるので、長時間筆記される場合には便利です。」とし、この方式のプロフィット レアロとプロフェッショナルギア レアロの2製品では、コンバーターもカートリッジも使えないと注意しています。
プラチナ万年筆の解説PDFも、似た勧め方です。手軽に使うなら、はじめからインクが入ったカートリッジインク。インクを補充する機会が多い人や、色々なインクを楽しみたい人にはコンバーターがおすすめ、という内容です。
まとめると、コンバーターのよさとしてセーラー万年筆とプラチナ万年筆が挙げているのは、ボトルインクの色を選べることです。一方で、セーラー万年筆の説明では、貯められるインクの量は同社の吸入式のレアロのほうが多いとされています。コンバーター全体の欠点をまとめたメーカーの記述は見当たらなかったので、ここは各社の説明として受け取ってくださいね。
カートリッジとコンバーターの両方が使える万年筆なら、普段はカートリッジ、色を変えたいときはコンバーター、と使い分けることもできます。パイロットのよくあるご質問にも、カートリッジに戻すときに要る部品の話が出てきます(記事の後半のよくある質問で触れます)。ただ、パイロットはコンバーターの付け外しを頻繁に行うと接続口が緩んでくる場合があると注意しているので、入れ替えの回数は控えめにしておくとよさそうです。
ボトルインクを選ぶときは、色だけでなく、染料か顔料かも見ておきたいところです。パイロットは、顔料系のインキを自社の万年筆に使わないよう案内しています(よくある質問で触れます)。インクの顔料と染料の違いは、ジャーナリング用のペンを顔料と染料の違いから選ぶ記事で整理しているので、インク選びの前に目を通してみてください。
セーラー万年筆の説明に沿うと、手軽さならカートリッジ、色を選ぶならコンバーター、たくさん貯めるならレアロのような吸入式。この3つで考えると、使い分けがわかりやすいかなと思います。
他社の万年筆に付け替えられるか
各社の公式ページは、コンバーターを万年筆と同じメーカーの製品で使う前提で書かれています。他社の万年筆に付けてよいと書いた案内は、今回見た公式ページにはありませんでした。
いちばんはっきり書いているのはセーラー万年筆です。インク補充方法の案内で「メーカーにより規格が異なります」としたうえで、同社の万年筆には同社製のコンバーターを使うよう求めています。カートリッジインクについても同じ書き方です。
プラチナ万年筆は、取扱説明書の注意に「プラチナ万年筆の商品には、プラチナ補充用品(カートリッジインク、替芯)をご使用ください。」と書いています。括弧の中にコンバーターの名前はありませんが、自社の商品には自社の補充用品を使う前提の書き方です。
パイロットは、CON-70Nのウェブカタログの注記で「※パイロットのカートリッジインキ式万年筆に使えます。」としています。CON-40の注記は「※パイロットのカートリッジインキ式万年筆・デスクペンに使えます。」です。どちらも、使える先をパイロットの製品として書いています。
カートリッジについても、パイロットはよくあるご質問で、現行の万年筆に使えるものをシングルタイプの1種類とし、過去にあったダブルスペアカートリッジは製造販売を終了したと案内しています。同じメーカーの中でもカートリッジの種類が変わってきた例なので、古い万年筆ほど、使える補充用品をメーカーに確かめる意味が大きいかなと思います。
海外ブランドも、対応として挙げているのは自社の万年筆です。LAMYはZ 28の対応としてsafari、AL-star、Lx、joy、abcの万年筆の名前を挙げ、KawecoはMini ConverterをSportシリーズ用としています。
主語を分けて整理すると、他社の万年筆との組み合わせについて規格の違いを明記しているのはセーラー万年筆だけです。パイロットとプラチナ万年筆は、自社品を使う前提で書いています。今回見たどの公式ページにも、他社品を付けてよいとは書かれていません。
ネットでは、メーカーをまたいで使える組み合わせの話を見かけることもあるかもしれません。ただ、今回見たメーカーの公式ページでは確かめられなかったので、この記事では扱いません。
メーカーが違う万年筆とコンバーターは組み合わせず、同じメーカーの純正品から選ぶ。各社の公式の書き方から言えるのは、ここまでかなと思います。
メーカー別の純正コンバーター比較表
ここからは、各社の公式ページに載っている値だけで、純正コンバーターを横に並べます。対象はパイロット2種、プラチナ万年筆2種、セーラー万年筆3種、LAMY1種、Kaweco1種の合わせて9種類です。
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| メーカー | 型番 | 方式 | 容量 | 価格(税込) | 使えない機種・対応の範囲 |
|---|---|---|---|---|---|
| パイロット | CON-40 | 回転式 | 0.4ml | 550円(希望小売価格) | パイロットのカートリッジインキ式万年筆・デスクペンに使える。ダブルスペア式万年筆には使えない。一部使えない製品あり |
| パイロット | CON-70N | プッシュ式 | 1.1ml | 1,100円(希望小売価格) | パイロットのカートリッジインキ式万年筆に使える。一部使えない製品あり |
| プラチナ万年筆 | コンバーター700A | ノブを回して吸入(取扱説明書の手順) | 0.53ml | 880円 | PS-10000N、PAF-5000には使用できない |
| プラチナ万年筆 | コンバーター800A | ノブを回して吸入(取扱説明書の手順) | 0.53ml | 990円 | PS-10000N、PAF-5000には使用できない |
| セーラー万年筆 | 14-0506(ノブ全10色) | ノブを回してピストンを動かす(インク補充方法の手順) | 公式に記載なし | 990円(2026年10月1日改定後) | 当社製の万年筆には当社製コンバーターを、と案内。尾栓回転吸入式(レアロ)の2製品にはコンバーターを使えない |
| セーラー万年筆 | 14-0806(ゴールド) | ノブを回してピストンを動かす(インク補充方法の手順) | 公式に記載なし | 1,100円(2026年10月1日改定後) | 当社製の万年筆には当社製コンバーターを、と案内。尾栓回転吸入式(レアロ)の2製品にはコンバーターを使えない |
| セーラー万年筆 | 14-0704(ミニ) | ノブを回してピストンを動かす(インク補充方法の手順) | 約0.3ml | 990円(2026年10月1日改定後) | プロフェッショナルギアスリムミニ、プロフェッショナルギアミニなど、従来コンバーターを付けられなかったミニタイプにも使える。細軸・キングプロフィットサイズの製品には使えない |
| LAMY | Z 28 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 800円(直営オンラインストアの通常価格・送料別) | safari、AL-star、Lx、joy、abcの万年筆に対応。吸入式のLAMY 2000は非対応 |
| Kaweco | Mini Converter | 注射器のように押し引きして吸う | 公式に記載なし | €6.95(公式オンラインショップのユーロ表示・付加価値税込み・送料別) | Kaweco SPORTシリーズの万年筆用。AL SPORTとAC SPORTは2016年以降の製造分のみ |
表は2026年10月19日時点で各社の公式ページに載っている値をまとめたもので、数値は公式の掲載値です。価格や仕様は変わることがあります。価格の種類も社ごとに違い、パイロットは希望小売価格、プラチナ万年筆とセーラー万年筆は製品ページの税込価格、LAMYは直営オンラインストアの通常価格(輸入に伴う税金・手数料込み・送料別)、Kawecoは公式オンラインショップのユーロ表示です。Kawecoの日本円の価格は確かめられませんでした。
セーラー万年筆の3種は、2026年10月1日の改定後の価格です。同社の製品価格改定一覧表では、14-0506が770円から990円、14-0806が880円から1,100円、14-0704が770円から990円に変わっています。販売店や紹介記事には改定前の価格が残っている可能性があるので、比べるときは日付に気をつけてくださいね。
容量の差は同じメーカーの中でも大きい
同じメーカーの中で容量の差がはっきり分かるのはパイロットの2種で、CON-70Nの1.1mlは、CON-40の0.4mlの2.75倍です。プラチナ万年筆の700Aと800Aはどちらも0.53mlで、CON-40より0.13ml多く、CON-70Nより0.57ml少ない値です。セーラー万年筆のミニは約0.3mlと書かれています。表全体で見ると、CON-70Nの1.1mlは、セーラー万年筆のミニの約0.3mlの約3.7倍です。
セーラー万年筆の14-0506と14-0806、LAMY Z 28、KawecoのMini Converterは、公式ページに容量の記載がありませんでした。ここを他の数字で埋めず、公式に記載なしとしています。
ペリカン、パーカー、モンブランのコンバーターは表に入れていません。公式の単品ページで仕様を確かめられなかったためです。これらのメーカーの万年筆を使っている人は、手元の万年筆のメーカーに問い合わせて、使えるコンバーターを確かめてください。表で型番の候補を絞ったら、最後は右端の列と万年筆の説明書で、使えるかどうかを確かめるのがおすすめです。
万年筆のコンバーターの選び方と使い方の注意
この章では、純正コンバーターを選ぶ順番と、メーカーごとの選び方、使いはじめてから出てきやすい疑問を整理します。満タンにならない、吸えないといった疑問には、メーカーが説明書やよくある質問で答えているものがあります。吸い上げや洗浄の細かい手順ではなく、選ぶときと使うときに押さえたい要点に絞ってまとめますね。
使う万年筆と同じメーカーから選ぶ

コンバーター選びは、使う万年筆と同じメーカーの純正品から始めるのが近道です。そのうえで、手元の万年筆がコンバーターを付けられる方式かどうかを先に確かめます。
最初に見るのは、万年筆の方式です。カートリッジを差して使う方式なのか、胴の中に直接インクを吸い上げる吸入式なのかで、コンバーターを付けられるかどうかが変わります。カートリッジを差す方式でも、コンバーターの側に使えない製品が書かれていることがあるので、あとで見る注記もあわせて確かめます。取扱説明書や、メーカーの製品ページで確かめるのがいちばん確かです。
吸入式の万年筆には、コンバーターを使えないものがあります。セーラー万年筆は、尾栓回転吸入式のプロフィット レアロとプロフェッショナルギア レアロの2製品について、コンバーターもカートリッジも使えないとしています。LAMYも、Z 28のページで「※吸入式万年筆のLAMY 2000は非対応です。」と書いています。
パイロットの古い万年筆の場合は、ダブルスペア式かどうかも見ておきたいところです。CON-40のウェブカタログには「※ダブルスペア式万年筆にはご使用できません。」と書かれています。パイロットのよくあるご質問では、ダブルスペアインキカートリッジは販売終了で、この様式の万年筆には吸入器のコンバーターWを取り付けて使えるとしています。ただし、預かったうえでの有料調整が必要で、一部適合しない場合があるそうです。コンバーターWの価格や容量は公式ページで確かめられなかったので、気になるときはパイロットに問い合わせてください。
方式とメーカーがわかったら、次はコンバーターごとの使えない機種です。同じメーカーの純正品でも、プラチナ万年筆の700A・800Aやセーラー万年筆のミニのように、使えない製品が書かれているものがあります。
コンバーターを買う前に確かめたいのは次の3つです。
- 手元の万年筆のメーカー(コンバーターも同じメーカーの純正品から選ぶ)
- 万年筆の方式(カートリッジを差す方式か吸入式か、パイロットならダブルスペア式か)
- コンバーターの製品ページにある使えない機種の注記
3つとも確かめても迷うときは、万年筆のメーカーの窓口に、手元の万年筆の名前と品番を伝えて聞くのが早いかなと思います。同じメーカーから選び、方式と使えない機種を確かめる。この順番で確かめていくと、迷いにくいかなと思います。
パイロットはCON-40とCON-70Nで選ぶ
パイロットの万年筆なら、2026年10月19日時点のウェブカタログでコンバーターを検索して出てくる純正品は、CON-40とCON-70Nの2つです。たくさん入るのはCON-70N、細くて短く価格が低いのはCON-40で、どちらを選ぶ場合も、手元の万年筆に使えるかを先に確かめるのが大事です。
ウェブカタログの値を並べると、CON-40は回転式で、インキ量0.4ml、最大径φ7.2mm、全長60mm、希望小売価格550円(税抜価格500円)です。CON-70Nはプッシュ式で、インキ量1.1ml、最大径φ9mm、全長80mm、希望小売価格1,100円(税抜価格1,000円)です。
差を計算すると、CON-70NはCON-40に比べて、容量が2.75倍、全長が20mm長く、最大径が1.8mm太く、価格は2倍です。たくさん入るぶん、本体も大きいということですね。
使える範囲の注記も、2つで少し違います。CON-70Nは「※パイロットのカートリッジインキ式万年筆に使えます。」「※一部、ご使用になれない製品もございます。」の2つです。CON-40は、デスクペンにも使えるとしたうえで、ダブルスペア式万年筆には使えないこと、一部使えない製品があることが書かれています。
CON-40については、パイロットのカスタム特設サイトでは、ダブルスペア式を除くパイロットのカートリッジインキ式万年筆すべてに使えると書かれていて、ウェブカタログと書き方が違います。この記事では、注意の多いウェブカタログの書き方に合わせて、一部使えない製品がある、としておきます。どの機種で使えないかの一覧は、パイロットの公式ページでは確かめられませんでした。使えるかどうかは、万年筆の取扱説明書か、パイロットに確かめてください。
パイロットのよくあるご質問には、大きなペン先についての案内もあります。同じページのブランジャー式の項の下に、「※カスタム等の大型ペン先には、CON-70をご使用いただくとインキが入れやすくなっていますのでお勧めです。」という一文があります。ここでのCON-70は、CON-70Nのページで旧タイプとされている品番です。このおすすめがCON-70Nにもそのまま当てはまるとまでは書かれていないので、参考として受け取ってください。CON-70Nの仕様は、パイロットのウェブカタログにあるCON-70Nのページ(出典:パイロット)で確かめられます。
容量を取るならCON-70N、細さと価格を取るならCON-40。どちらも、手元の万年筆に使えるかを確かめてから選んでくださいね。
純正品は文具店や通販で買えます。価格や在庫は変わるので、購入前に各ショップで確かめてみてください。
プラチナ・セーラー・海外ブランドの選び方

プラチナ万年筆とセーラー万年筆は、同じ社の中に仕様の近いコンバーターが複数あります。プラチナ万年筆は見た目と価格、セーラー万年筆は色とサイズで選び、海外ブランドは対応機種の名前を確かめるのがポイントです。
プラチナ万年筆はコンバーター700Aと800A
プラチナ万年筆の製品ページでは、700Aと800Aの容量はどちらも吸入容量0.53mlです。サイズの欄も同じで、全長65、最大径7.5mm、標準重量3.8gと書かれています。使えない機種の欄も、どちらも「PS-10000N、PAF-5000 には使用できません」です。
違いは後胴のメッキと価格です。700Aは後胴が黄銅にクロームメッキで880円(税込)、800Aは黄銅に金メッキで990円(税込)。公式の仕様の差はこの2点だけなので、手元の万年筆の金具の色に合わせて選ぶ、という考え方でよさそうです。
使えない品番として挙がっているPS-10000NとPAF-5000が、どの製品の品番なのかは公式サイトの中で確かめられませんでした。手元のプラチナ万年筆の品番は、取扱説明書などで確かめてから選んでください。仕様の原文は、プラチナ万年筆のコンバーター700Aの製品ページ(出典:プラチナ万年筆)で見られます。
セーラー万年筆は通常品・ゴールド・ミニ
セーラー万年筆の製品ページには、14-0506、14-0806、14-0704の3種が載っています。14-0506はノブ(つまみ)がカラフルな全10色で、ナチュラル、ブラック、レッド、ピンク、ブルー、パープル、グリーン、イエローグリーン、イエロー、ライトブラウンがあります。14-0806は「金属部品を金IP仕様にした、ワンランク上のコンバーターです。」と紹介されています。
この2種はどちらも本体サイズφ7.5×69mm、本体重量2.8gで、製品ページにインクの吸入量の記載はありませんでした。色で選ぶなら14-0506、金色の金具がよければ14-0806、という選び方になりそうです。
14-0704のミニは、本体サイズφ7.5×54.5mm、本体重量2.7gで、通常品より14.5mm短いコンバーターです。インク吸入量は約0.3mlとされています。同社は、従来のプロフェッショナルギアスリムミニ、プロフェッショナルギアミニなど、コンバーターを付けられなかったミニタイプの万年筆にも使えるとしています。手帳に挿す短い万年筆の長さの見方は、手帳用ペンをホルダーに入る太さと長さから選ぶ記事でも比べています。
一方で、14-0704は細軸とキングプロフィットサイズの製品には使えないと書かれています。ミニという名前でも使える範囲に例外があるので、手元の万年筆の名前で確かめてください。
LAMYとKawecoは対応機種の名前で選ぶ
LAMY Z 28は、日本向けの公式オンラインストアで通常価格800円(送料別)です。safari、AL-star、Lx、joy、abcの万年筆に対応し、吸入式のLAMY 2000は非対応と書かれています。サイズは8×8×72mm、重さは2gで、容量の記載はありませんでした。
KawecoのMini Converterは、公式オンラインショップで€6.95(ユーロ表示)です。Kaweco SPORTシリーズの万年筆用で、AL SPORTとAC SPORTは2016年以降に製造されたものだけに合うとしています。長さは3.3cm、開いた状態の長さは5.2cm、重さは1.7gです。
海外ブランドは、対応機種が名前で書かれているぶん、手元の万年筆の名前と、Kawecoなら製造年を照らし合わせるのが近道です。プラチナ万年筆もセーラー万年筆も海外ブランドも、同じメーカーの中で使えない機種を確かめて選ぶ点は共通ですね。
満タンにならない・吸えないときの確認

パイロットは、コンバーターで吸い上げても満タンにはならないと案内していて、CON-40では空気が多く残っても正常としています。吸えないときは、まずペン先をインクに浸す深さを、手元のメーカーの説明に合わせて見直してみてください。
パイロットは、よくあるご質問のコンバーター吸入式の項で「空気も一緒に吸入するため、満タンになることはありません。」としています。同じページには例としてCON-40の図を載せ、その図の位置まで入れるよう案内しています。
CON-40については、別のよくあるご質問でもっと詳しく説明しています。吸入するときにペン芯の中(櫛溝・インキ溝・空気溝)の空気も一緒に吸い込むため、内部をすべてインキで満たせない構造だとしたうえで、「規定量の0.4mlを吸入した後にも空気部分が多く残りますが、この状態は正常です。」と書いています。CON-40で空気の部分が多く見えても、パイロットの説明ではそれが正常な状態、ということですね。
浸す深さは、パイロットがペン先を首の部分まで、プラチナ万年筆がペン先の根元まで、セーラー万年筆がハート穴(ペン先の中ほどにある小さな穴)が浸るまでと、各社で書き方が違います。プラチナ万年筆の取扱説明書には、プロシオンは吸入口までインクに浸せば吸入できるという注記もあります。
セーラー万年筆は、ハート穴まで浸けても吸えない場合についても書いています。「一部の製品ではハート穴まで浸けた状態では吸入できないものがあります。吸入できない場合は大先までインクに浸けて吸入してください。」という注記です。大先は、セーラー万年筆の手順でコンバーターを差し込む、ペン先の付いた部分のことです。同社の手順では、コンバーターをしっかり差し込むことも最初のほうに書かれているので、差し込みが浅くないかもあわせて見ておくとよさそうです。
深さと差し込みを見直しても吸えないときは、自分で分解しようとせず、万年筆のメーカーや販売店に相談するのが安心かなと思います。パイロットでは空気が残るのは正常、吸えないときは深さと差し込みから。この2つを覚えておくと慌てずに済みますよ。
洗い方と付け外しで気をつけること

コンバーターを使う万年筆は、定期的に水で洗い、コンバーターの付け外しはほどほどにするのが基本です。詳しい洗い方の手順は取扱説明書に任せて、ここではメーカーが挙げている注意の要点だけまとめます。
洗う間隔について、セーラー万年筆は「頻繁に使用されている場合でも、2~3ヶ月に一度の割合で洗浄されることをおすすめします。」としています。プラチナ万年筆の取扱説明書は「3ヶ月に1回はペン先を水かぬるま湯で洗ってお手入れをしてください。」と書いています。
セーラー万年筆の洗い方の最初の手順は、コンバーターを付けたまま水を吸って出す方法です。水を入れたコップにペン先を浸してノブを回して水を吸入し、反対に回して排出する動きを、「そのまま水の吸入←→排出を5~6回繰り返します」としています。同社の手順では、インクを吸うときと同じ動きで洗えるわけですね。その後はコンバーターを外して、ひと晩水に浸けるなどの手順が続くので、全体は同社の案内で確かめてください。
付け外しについては、パイロットが「コンバーターの付け外しを頻繁に行うと接続口が緩んでくる場合があります。」と注意しています。洗うたび、色を変えるたびに抜き差しを繰り返すのは、控えめにしておくのがよさそうです。
万年筆の素材や形による注意もあります。パイロットは、キャップレスは本体内部が複雑な構造なので水には浸さないよう、また劣化するおそれがあるので万年筆表面をアルコールで拭かないよう注意しています。洗浄のときにペンとペン芯を首から抜かないようにも書いています。
セーラー万年筆は、透明軸やスケルトンカラー軸は大先の中に水が入り込んでインクの色素が残ることがあるので、浸け洗いは避けて、ペン先部分だけを水で洗い流すよう案内しています。胴や蓋の汚れを取るときは、アルコールを含んだウエットティッシュや布、薬剤を使わないよう書いていて、理由は樹脂が脆くなり割れるおそれがあるためです。ブライヤーなどの木軸の万年筆は、水につけると膨張して割れるおそれがあるとしています。
持ち歩くときは、プラチナ万年筆の取扱説明書の注意も覚えておきたいところです。同社は、万年筆などを「落としたり、激しく振ったりすると、インクが飛び出すことがあります。」とし、キャップ式の筆記具は「筆記以外ではしっかりとキャップをしめてください。」と書いています。
インクを入れた万年筆を持ち出すときは、キャップをしっかり閉めたうえで、落としたりカバンの中で振られたりしにくいペンケースに入れておくと安心かなと思います。
万年筆のコンバーターについてよくある質問
コンバーターに寿命や交換の目安はありますか?
今回見たメーカーの公式ページには、コンバーターの寿命や交換の時期を年数や回数で示した記述はありませんでした。関係しそうなのは、パイロットが、コンバーターの付け外しを頻繁に行うと接続口が緩んでくる場合があると書いていることです。差し込みが緩い、吸い込みが弱いなど気になることがあるときは、メーカーや販売店に相談してください。
キャップレスにCON-40を付けたら、カートリッジカバーがはまりません。
パイロットは、よくあるご質問でこの点に答えていて、「コンバーターをご使用になる場合は、カートリッジカバーをはめる必要はございません。」としています。ただし、カートリッジインキを使うときにはカートリッジカバー(中パイプ)が必要な部品なので、捨てずに保管するよう案内しています。カートリッジに戻すときのために、なくさない場所にしまっておきましょう。
顔料インクをコンバーターで入れてもいいですか?
パイロットは、パイロット製以外のインキについてのよくあるご質問で、「顔料系のインキは不具合の原因となりますので使用しないでください。」としています。これはパイロットの万年筆についての注意です。ほかのメーカーの万年筆で顔料インクを使えるかは、今回見た公式ページでは確かめられなかったので、手元の万年筆のメーカーに確かめてください。
他社のボトルインクをコンバーターで吸ってもいいですか?
パイロットは、他社のインキについて「お使いいただくことは可能ですが、メーカーごとにインキの粘度や成分が違うためパイロット製の万年筆とは合わないものもあり、スムーズな筆記ができないことがあります。」と案内しています。取扱いの注意では、インキはパイロットの万年筆用インキ(カートリッジインキまたは瓶インキ)を指定していて、他のインキを混ぜて使ったり古いインキを使ったりすると故障の原因になるとも書いています。これはインクについての案内で、コンバーターを他社の万年筆に付けられるかという話とは別です。コンバーターそのものは、万年筆と同じメーカーの純正品を選んでください。
万年筆のコンバーター選びのまとめ
万年筆のコンバーターは、使う万年筆と同じメーカーの純正品から選び、そのうえで容量・方式・使えない機種を公式の仕様で確かめるのが安心です。最後に、この記事の要点を並べておきます。
- パイロットはコンバーターを、インキ瓶から万年筆にインキを吸入するためのインキ吸入器としている
- 他社の万年筆との組み合わせは、セーラー万年筆が規格の違いを明記し、パイロットとプラチナ万年筆は自社品を使う前提で書いている
- パイロットはCON-40(回転式・0.4ml・550円)とCON-70N(プッシュ式・1.1ml・1,100円)で、容量はCON-70NがCON-40の2.75倍
- プラチナ万年筆の700Aと800Aは容量0.53mlで同じで、公式の仕様の差は後胴のメッキと価格
- セーラー万年筆の価格は2026年10月1日改定後の値で、ミニの14-0704は約0.3ml、細軸とキングプロフィットサイズの製品には使えない
- パイロットのコンバーターは空気も一緒に吸うので満タンにならず、CON-40は0.4mlを吸ったあとに空気が多く残っても正常
この記事は、パイロットのウェブカタログとよくあるご質問、カスタム特設サイト、プラチナ万年筆の製品ページと取扱説明書・解説PDF、セーラー万年筆の製品ページと万年筆のインク補充方法・万年筆のお手入れ方法・製品価格改定一覧表、LAMYの日本向けオンラインストア、Kawecoのオンラインショップをもとに整理しています。数値は2026年10月19日時点の公式の掲載値で、変わることがあります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。手元の万年筆に使えるかで迷うときなど、最終的な判断は専門家・販売店・メーカーへご相談ください。
手元の1本に合うコンバーターが見つかれば、ボトルインクの色選びがぐっと楽しくなりますよ。まずは比較表で、あなたの万年筆のメーカーの行から見てみてくださいね。
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