詰将棋のルールをやさしく解説|王手の連続・合駒・反則と手数の数え方

FreeLife Design 運営者 ケイ

こんにちは。FreeLife Design、運営者の「ケイ」です。

詰将棋に興味はあるけれど、ルールがよく分からなくて手が止まってしまう、という方は多いのではないでしょうか。普通の将棋と何が違うのか、攻め方と玉方とは何か、王手は必ずかけないといけないのか、と気になるところですよね。

詰将棋のルールには、王手の連続、合駒の使い方、無駄合、持ち駒の扱い、二歩や打ち歩詰めといった禁じ手、千日手の扱いなど、いくつかの決まりがあります。3手詰や5手詰、1手詰といった手数の数え方や、余詰・駒余りといった用語も、初心者のうちは分かりにくいかなと思います。

この記事では、日本将棋連盟が公開している詰将棋のルールと対局規則、詰将棋を扱った研究報告をもとに、詰将棋のルールを6つの基本に分けてやさしく整理しました。さらに、“この手は詰将棋で指せる?”と迷ったときの判断の表と、日本将棋連盟の「まいにち詰将棋」で出題された19問の手数を数えた内訳もまとめています。

ルールを覚えたあと、どんな順番で問題に取り組めばいいかまで紹介するので、詰将棋を始める最初の一歩に使ってもらえるとうれしいです。

  • 詰将棋のルールの基本6つと、攻め方・玉方それぞれの決まり
  • 二歩・打ち歩詰め・連続王手の千日手など反則になる手
  • 手数の数え方と、詰将棋が奇数手になる理由
  • ルールを確かめる判断の表と、3手詰から始める練習の順番
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詰将棋のルールの基本は6つの決まり

最初の章では、詰将棋のルールの基本を順番に見ていきます。結論から言うと、詰将棋のルールは、日本将棋連盟が示している6つの決まりを押さえれば十分に解き始められます。攻め方は必ず王手をかけて玉を詰ませること、玉方は最善を尽くして最も長く逃げること、玉方は合駒を使えるけれど無駄な合駒はしないこと、そして二歩や打ち歩詰めなどは指し将棋と同じく反則になること、の大きく4つの考え方に分けられます。この章では、それぞれの決まりがなぜあるのかを、例を交えながら説明します。詰将棋のルールは、普通の将棋のルールを土台にして、そこにパズルとして成り立たせるための決まりを足したもの、とイメージすると分かりやすいかもしれません。普通の将棋の駒の動かし方を知っていれば、新しく覚えることはそれほど多くないので、安心して読み進めてくださいね。

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詰将棋とは?王手を続けて玉を詰ませるパズル

詰将棋は、決められた局面から王手を続けて、相手の玉を詰ませる将棋のパズルです。

日本将棋連盟の「まいにち詰将棋」のページでは、詰将棋のルールの1つ目として、攻め方(先手)が玉方(後手)の玉を詰ますのが目的、と書かれています(出典:日本将棋連盟「まいにち詰将棋」)。つまり、問題を解く人は攻め方を持ち、玉方の玉を詰ませる手順を考えるわけですね。

では、詰みとはどんな状態なのでしょうか。日本将棋連盟の対局規則では、詰みとは、次にどのように応対しても玉が取られてしまうことを防げない状態をいう、と定められています。指し将棋(2人で対局する普通の将棋)では、詰みまたは相手の投了によって対局が終わります。

詰将棋は、この「詰み」までの部分だけを切り取ったパズルと考えると分かりやすいかなと思います。詰将棋を研究対象にした情報処理学会の研究報告でも、詰将棋は芸術性のあるパズルとして、指し将棋から独立した一つの分野になっていると紹介されていました。

普通の将棋のように、序盤から駒を並べて戦う必要はありません。盤の一部だけを使う問題が多く、短い問題なら数手で決着がつくので、短い時間でも楽しめるのが詰将棋の魅力ですよ。

駒の動き方は指し将棋と同じ

詰将棋で使う駒の動き方は、指し将棋とまったく同じです。日本将棋連盟の対局規則に書かれている駒の動き方を、詰将棋でよく使う“成ったときの動き”とあわせて表にまとめました。

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駒 成る前の動き 成った後の動き
玉(王) 前・横・斜めの隣接する一マスずつ 成らない
飛車 縦横に自由に(他の駒を飛び越せない) 竜(龍王):飛の動きに加えて、斜めに一マスずつ
角行 斜めに自由に(他の駒を飛び越せない) 馬(龍馬):角の動きに加えて、縦横に一マスずつ
金将 前後と横、斜め前方に一マスずつ 成らない
銀将 前方と斜め前後に一マスずつ 金と同じ動き
桂馬 二つ前の斜め(途中の駒を飛び越える) 金と同じ動き
香車 前方に自由に(他の駒を飛び越せない) 金と同じ動き
歩兵 一マス前にのみ と金:金と同じ動き

詰将棋では、飛車・角・香車のように遠くまで動ける駒で、離れた位置から王手をかけると、玉方に合駒の機会が生まれます。一方、桂馬は途中の駒を飛び越えるので、桂馬の王手には合駒で防ぐことができません。どの駒で王手をかけるかによって、玉方の応手の数が変わる、ということですね。この違いを意識すると、王手の候補を絞りやすくなりますよ。

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攻め方は必ず王手をかける

詰将棋でいちばん大切な決まりは、攻め方は毎回必ず王手をかける、ということです。

日本将棋連盟のルールでは、攻め方は必ず王手をかける(玉方は必ず王手をはずす)、と書かれています。指し将棋なら、すぐに王手をかけずに守りを固めたり、じっくり駒を集めたりする手も指せますが、詰将棋ではそれができません。

たとえば、“次の手で詰ませるために、いったん駒を動かして準備する”という手は、王手になっていなければ詰将棋では指せない、ということですね。攻め方の手はすべて王手、玉方の手はすべて王手をはずす手、という形で交互に進んでいきます。

攻め方は短い手順で詰ませる

攻め方がどの順番で王手をかけるかについても、考え方があります。情報処理学会の研究報告では、攻方(攻め方)は、できるだけ短手数で詰むような手順を選択する側、と説明されていました。

この考え方は、日本将棋連盟の6つの決まりには書かれていない、研究報告の定義によるものです。この記事としては、攻め方が短く詰ませる手順を選び、玉方が最も長く逃げる手順を選んだときの手数で数える、と整理しておくと分かりやすいかなと思います。

攻め方が使える駒

攻め方が使えるのは、問題の盤上に置かれた攻め方の駒と、問題で示された持ち駒です。日本将棋連盟の対局規則では、移動先のマスに相手の駒がある場合はその駒を取り、自分の駒(持ち駒)にできると定められているので、詰将棋でも途中で取った駒を持ち駒として使えます。

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玉方は最も長く逃げる・合駒も使える

玉方は、ただ逃げるのではなく、最善を尽くして最も長く手数がかかるように逃げる決まりです。

日本将棋連盟のルールでは、玉方は最善を尽くし、最も長く手数がかかるように逃げる、と書かれています。攻め方が詰ませようとするのに対して、玉方は少しでも詰みを先に延ばす手を選ぶ、ということですね。

この決まりがあるので、詰将棋を解くときは、自分に都合のよい逃げ方だけを考えていては正解にたどり着けません。王手をかけたら、玉方のすべての逃げ方を考え、その中でいちばん長く粘る手に対しても詰ませられるかを確かめる必要があります。

合駒には玉以外のほとんどの駒を使える

玉方は、飛車や角、香車などで遠くから王手をかけられたとき、間に駒を打って王手を防ぐことができます。これを合駒といいます。

日本将棋連盟のルールでは、玉方は盤上と攻め方の持駒以外すべての駒(ただし玉は除く)を合駒として使用できる、と定められています。将棋の駒は、対局規則によると先手と後手がそれぞれ8種類・合計20枚を持つので、全部で40枚です。そのうち、盤上に置かれている駒と、攻め方の持ち駒、両方の玉を除いた残りの駒が、玉方の合駒の候補になる、という考え方ですね。

問題図には玉方の持ち駒が書かれていないことが多いので、初めて詰将棋を解くときは、ここで戸惑う方も多いかもしれません。“残りの駒はすべて玉方が持っている”と考えておくと、合駒の可能性を見落としにくくなりますよ。

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無駄な合駒はしないという決まり

玉方は合駒を使えますが、手数を延ばすだけの無駄な合駒はしない、という決まりもあります。

日本将棋連盟のルールでは、玉方は無駄な合駒をしない、と書かれています。情報処理学会の研究報告でも、玉方は最も詰みまでの手数が長くなるような手を選択するが、手数稼ぎになる無駄な合駒(無駄合という)はしないこととする、と説明されていました。

たとえば、合駒をしても攻め方がその駒を取って同じように詰ませられるだけなら、その合駒は手数を2手延ばすだけで、詰みの形は変わりません。こうした合駒まで数えると、答えの手数が不自然に長くなってしまいます。そのため、詰将棋では無駄な合駒はしない、という前提で手数を数えるわけですね。

ただ、どの合駒が無駄合にあたるかは、局面によって判断が分かれることもあります。初心者のうちは、“合駒をしても同じように詰むなら、玉方はその合駒をしない”と大まかに理解しておけば十分かなと思います。

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二歩・打ち歩詰めなど指し将棋の反則

二歩・行き所のない駒・打ち歩詰め・連続王手の千日手の定義をまとめたスライド
指し将棋と同じ反則と千日手

詰将棋でも、指し将棋で反則になる手は使えません。

日本将棋連盟のルールでは、その他は指し将棋のルール通りで、二歩、打ち歩詰め、行き所のない駒、連続王手の千日手はいけない、と書かれています。それぞれの意味は、日本将棋連盟の対局規則の第10条(反則)で次のように定められていました。

  • 二歩:同じ対局者が同じ筋に二枚の歩を置く行為
  • 行き所のなき駒の禁:盤上の駒を行き所のない升目に指す行為・持ち駒を行き所のない升目に打つ行為
  • 打ち歩詰め:持ち駒の歩を打って解除不能な王手をかける行為
  • 連続王手の千日手:同一局面が4回出現した一連の手順中、片方の手がすべて王手だった場合

詰将棋でとくに気をつけたいのが打ち歩詰めです。対局規則の定義は持ち駒の歩を打って解除不能な王手をかける行為なので、最後に持ち駒の歩を打って詰ませる手は使えません。一方で、この定義から読むと、盤上の歩を一マス進めて詰ませる手はこの反則には当たらないことになります。打ち歩詰めにならないように、歩以外の駒で詰ませたり、別の手順を考えたりするのが、詰将棋の面白さのひとつですね。

行き所のない駒はどこか

行き所のない駒は、その後に一歩も動けなくなる升目に置かれた駒のことです。対局規則の駒の動き方では、歩は一マス前にのみ、香は前方に、桂は二つ前の斜めに動けると定められています。この動き方から考えると、歩と香は相手側のいちばん奥の段、桂は奥の2段に置くと、それ以上前へ進めなくなるわけですね。成ることで動けるようになる場合もあるので、成る・成らないもあわせて考えるのがポイントです。

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連続王手の千日手は反則になる

詰将棋では、王手を続けて同じ局面を繰り返すだけの手順は、詰みとは認められません。

日本将棋連盟の対局規則では、千日手とは、盤面(盤上の駒の配置)・双方の持ち駒・手番のすべてが同一となる局面が4回発生した場合を指す、と定められています。指し将棋では、千日手になると先後の手番を交代して指し直しになります。

ただし、連続王手の千日手は反則です。対局規則では、同一局面が4回出現した一連の手順中、片方の手がすべて王手だった場合を指し、王手を続けた側がその時点で負けになる、と書かれていました。詰将棋の攻め方は毎回王手をかけるので、同じ王手を繰り返して局面が4回同じになれば、この反則にあたります。

つまり、詰将棋で王手をかけ続けても、局面がぐるぐる回るだけで玉が詰まないなら、それは答えではない、ということです。王手を続けながらも、少しずつ玉を追い詰めていく手順を探すのが詰将棋の基本ですね。

指し将棋と詰将棋のルールの違い

ここまでの決まりを、指し将棋と並べて整理してみました。日本将棋連盟の詰将棋のルールと対局規則をもとに、この記事として比べた表です。

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比べる点 指し将棋 詰将棋
始まり方 初期配置から先手が指す 問題の局面から攻め方(先手)が指す
攻める側の手 王手をかけなくてもよい 必ず王手をかける
受ける側の手 自由に指せる(王手をかけられたら防ぐ) 必ず王手をはずし、最も長く逃げる
合駒に使える駒 自分の持ち駒を打つか、盤上の駒を動かす 盤上と攻め方の持駒以外のすべての駒(玉を除く)
無駄な合駒 (決まりなし) 玉方はしない
終わり方 詰みまたは相手の投了 玉が詰んだら終わり
同じ局面のくり返し 千日手は指し直し(連続王手の千日手は反則) 連続王手の千日手はいけない
二歩・打ち歩詰めなど 反則 指し将棋のルール通り(反則)

表を見ると、主な違いは“攻める側は必ず王手”“受ける側は最も長く逃げる”“合駒に使える駒の範囲”“無駄な合駒はしない”の4つに集まっていることが分かります。反則は指し将棋と同じなので、普通の将棋の駒の動きと反則を知っていれば、詰将棋のルールで新しく覚えることは思ったより少ないかもしれませんね。

反対に、指し将棋の感覚のまま解くと、王手ではない“じっくりした手”を探してしまったり、玉方の合駒を見落としたりしがちです。詰将棋を解くときは、この4つの違いを頭に置いておくと、考える方向を間違えにくくなりますよ。

◆ケイのワンポイントアドバイス

6つの決まりを一度に覚えようとすると大変なので、まずは「攻め方は必ず王手」“玉方は最も長く逃げる”の2つだけ意識して解いてみるのがおすすめです。合駒や反則の決まりは、問題を解きながら少しずつ慣れていけば大丈夫ですよ。

詰将棋のルールを踏まえた解き方と練習の進め方

ここからは、詰将棋のルールを踏まえて、実際に問題を解くときに知っておきたいことと、練習の進め方を紹介します。結論を先に言うと、詰将棋は手数が奇数になるので、3手詰なら“攻め方2手・玉方1手”と数えられること、そして3手詰や5手詰の短い問題から始めるのが取り組みやすいことがポイントです。この章では、手数の数え方と奇数になる理由、余詰や駒余りといった作品の用語、日本将棋連盟の「まいにち詰将棋」で出題された19問の手数の内訳を見ながら、練習の順番を考えます。さらに、“この手は詰将棋で指せる?”と迷ったときに使える判断の表も用意しました。ルールを覚えたあとに、どこから手をつければいいか迷っている方は、この章の流れに沿って進めてみてください。最後に、よくある質問とまとめも用意しています。

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手数の数え方と奇数手になる理由

1手詰・3手詰・5手詰の攻め方と玉方の手の数を示したスライド
詰将棋の手数が奇数になる理由

詰将棋の手数は、攻め方と玉方の手を合わせて数え、答えは必ず奇数になります。

詰将棋は攻め方の王手から始まり、攻め方の王手で玉が詰んで終わります。攻め方と玉方は交互に指すので、手数は「攻め方の手」が「玉方の手」より1つ多くなります。この記事での計算ですが、攻め方の手をn手とすると、玉方の手はn−1手なので、合計はn+(n−1)=2n−1手。2n−1は必ず奇数なので、詰将棋は1手詰・3手詰・5手詰…と奇数の手数になるわけですね。

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手数 攻め方の手 玉方の手 流れ(例)
1手詰 1手 0手 攻め方の王手1回で詰み
3手詰 2手 1手 王手→玉方が逃げる・取る・合駒→王手で詰み
5手詰 3手 2手 王手と応手を2回くり返し、3回目の王手で詰み
7手詰 4手 3手 王手と応手を3回くり返し、4回目の王手で詰み

表を見ると、3手詰は攻め方が2手を考えればよい問題だと分かります。手数の数字だけを見ると難しそうに感じますが、攻め方の手は玉方の手より1つ多いだけで、(手数+1)÷2手です。最初は“攻め方の手を何回考えればいいか”に置き換えて考えると、問題に取り組みやすくなるかなと思います。

なお、玉方が最も長く逃げる決まりがあるので、手数は“玉方が最善を尽くしたときの手数”で数えます。玉方がすぐに詰む逃げ方をすれば手数は短くなりますが、それは答えの手数ではない、という点に気をつけてくださいね。

3手詰を解くときの考え方の順番

3手詰を解くときは、ルールに沿って次の順番で考えると、考えもれを減らしやすくなります。

  1. 攻め方の王手の候補を、盤上の駒の移動と持ち駒を打つ手の両方からすべて挙げる
  2. それぞれの王手に対して、玉方の応手(玉が逃げる・王手をかけた駒を取る・合駒をする)をすべて挙げる
  3. 玉方の応手のうち、いちばん長く粘れる手を探す
  4. その応手に対して、次の王手で詰むか(玉方に王手をはずす手が残っていないか)を確かめる
  5. 詰む王手が見つかったら、その手が二歩・打ち歩詰め・行き所のない駒に当たらないかを確かめる

とくに大切なのが、2と3の“玉方の応手をすべて挙げる”ところです。玉方は最も長く逃げる決まりなので、ひとつでも詰まない応手が残っていれば、その王手は答えになりません。慣れないうちは、玉の周りの8マスと、合駒が打てるマスを1つずつ指で確かめていくと、見落としが減るかなと思います。

5手詰や7手詰も、この順番を2回、3回とくり返すだけです。手数が増えると考える量は増えますが、ルールの使い方そのものは3手詰と変わりません。

問題図を将棋盤に並べてみると、玉の逃げ道や合駒が打てるマスを指で確かめやすくなります。盤と駒をこれからそろえる方は、軽くて扱いやすいプラスチック製のセットも選択肢になりますよ。

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余詰・駒余りなど作品の用語

詰将棋の解説や本を読むと、余詰や駒余りといった用語が出てきます。これは解く人のルールというより、詰将棋の作品のできを表す用語です。

情報処理学会の研究報告では、詰将棋の重要な用語として、次のように説明されていました。

  • 不詰:正解手順がないこと、つまり解がないこと
  • 余詰:攻方に正解手順以外の玉を詰ませる手順があること(解が2通り以上あること)。ただし、例外として最終手(最後の1手)は考慮しない
  • 駒余り:詰み局面で攻方に持ち駒が残ること
  • 完全作:解答手順が存在し、余詰、駒余りがないこと

つまり、完全作と呼ばれる作品は、答えの手順が1つに決まり、詰んだときに攻め方の持ち駒が残らない、ということですね。同じ研究報告では、詰将棋の創作で、余詰検査の機能を備えたソフトウェアが、余詰などのない完全作の検証に活用されていると紹介されていました。

解く側から見ると、この考え方はヒントにもなります。完全作として作られた問題なら、持ち駒は最後に余らないので、使っていない持ち駒があれば、その駒をどこで使うかを考えると答えに近づきやすくなります。ただし、問題によっては作品の条件が違うこともあるので、あくまで考え方のひとつとして使ってください。

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3手詰から始める練習の順番

まいにち詰将棋の19問の手数の内訳と練習の順番をまとめたスライド
短い手数から始める練習の順番

詰将棋の練習は、3手詰や5手詰の短い問題から始めて、少しずつ手数を延ばしていくのが取り組みやすい順番です。

日本将棋連盟の「まいにち詰将棋」では、日付ごとに1問ずつ詰将棋が公開されています。2026年10月1日から10月19日までの19問の手数を、この記事で数えてみました。

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手数 出題数 うち作者名つき うち作者名なし
3手詰 4問 0問 4問
5手詰 4問 0問 4問
7手詰 5問 4問 1問
9手詰 3問 3問 0問
11手詰 3問 3問 0問
合計 19問 10問 9問

表を見ると、19問すべてが奇数の手数で、3手詰と5手詰が合わせて8問ありました。7手詰以上の11問のうち10問には作者の名前が“〇〇作”として添えられていて、3手詰と5手詰には作者名がついていませんでした(2026年10月20日に一覧ページで確かめた内容です)。

この内訳から考えると、短い3手詰・5手詰で王手と応手の流れに慣れてから、7手詰以上の作者名つきの作品に挑戦する、という順番が取り組みやすいかなと思います。日付ごとに1問ずつ公開されているので、まずは3手詰と5手詰の日だけ解いてみる、という始め方もありですね。

ほかのパズルと同じで、詰将棋もルールを覚えたら短い問題で手を動かしてみるのがいちばんの近道です。数字を入れて解くペンシルパズルが好きな方は、不等号ナンプレの基本ルールと候補の絞り方もあわせて読んでみてください。ルールから解き方へ進む流れは、詰将棋と共通するところがありますよ。

詰将棋解答選手権という大会もある

実力を試してみたくなったら、詰将棋解答選手権という大会もあります。公式サイトでは、第23回詰将棋解答選手権(2026)の初級戦・一般戦(オンライン会場)について、インターネット接続環境があれば、どなたでも参加できます、と案内されていました(第23回は2026年4月に開催済みです)。サイトには、日本将棋連盟の詰将棋のルール6項目も転載されています。開催日や参加方法は回によって変わるので、参加したい方は公式サイトで最新の案内を確かめてくださいね。

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迷ったときのルール確認表

詰将棋で指せる手と反則になる手の判断の目安を並べた表のスライド
迷ったときのルール確認表

問題を解いていて“この手は詰将棋で指せる?”と迷ったときのために、日本将棋連盟のルールと対局規則をもとに判断の目安を表にまとめました。この記事として整理した目安です。

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迷う場面 詰将棋では 根拠(日本将棋連盟)
王手ではない準備の手を指したい 指せない 攻め方は必ず王手をかける
玉方が王手をはずさない手を指す 指せない 玉方は必ず王手をはずす
玉方が合駒に使える駒は? 盤上と攻め方の持ち駒以外の駒(玉を除く) 合駒の決まり
手数を延ばすだけの合駒 玉方はしない 玉方は無駄な合駒をしない
持ち駒の歩を打って詰ませる 反則(打ち歩詰め) 対局規則 第10条
同じ筋に2枚目の歩を打つ 反則(二歩) 対局規則 第10条
動けなくなる升目に駒を打つ・指す 反則(行き所のない駒) 対局規則 第10条
同じ王手をくり返して局面が4回同じになる 反則(連続王手の千日手) 対局規則 第8条・第10条

表の上の4行は詰将棋のルールに由来する決まり(2行目は指し将棋の王手放置の反則とも共通)、下の4行は指し将棋と共通の反則です。迷ったときは、まず“その手は王手になっているか”“反則の4つに当たらないか”の順に確かめると、判断しやすくなります。

この記事は、日本将棋連盟が公開している詰将棋のルールと対局規則(2026年10月に確かめた内容)をもとにしています。大会や出版物によっては、独自の決まりを設けている場合もあります。正確な情報は、日本将棋連盟の公式サイトや各大会の案内をご確認ください。

詰将棋のルールについてよくある質問

詰将棋でも駒を成るかどうかは自由に選べますか?

日本将棋連盟の対局規則では、駒が移動する際に、移動後か移動前に敵陣に入ったときに成ることが出来る、と定められています。詰将棋も「その他は指し将棋のルール通り」なので、成れる駒(玉と金以外)が敵陣に入ったときは、成るか成らないかを選べます。ただし、行き所のない升目に成らずに進む手は反則になるので、歩・香・桂を奥の段へ進めるときは気をつけてください。

最後の1手で詰ませ方が2通りあったら答えが2つになりますか?

情報処理学会の研究報告では、余詰(正解以外に詰ませる手順があること)の定義について、例外として最終手(最後の1手)は考慮しない、と説明されていました。最後の1手だけが2通りある場合は、余詰として扱わない考え方です。問題集によって扱いが違うこともあるので、解答の書き方はそれぞれの問題の案内に従ってください。

詰将棋はコンピュータでも解けるのですか?

情報処理学会の研究報告では、1997年に脊尾のプログラムが最長手数の詰将棋「ミクロコスモス」を初めてコンピュータで解き、2002年の長井らのdf-pnアルゴリズムによって、ほぼすべての詰将棋を解くことが可能になったと紹介されていました。現在は、余詰検査の機能を備えたソフトウェアが作品の検証にも使われているそうです。

問題図に玉方の持ち駒が書かれていないのはなぜですか?

日本将棋連盟のルールでは、玉方は盤上と攻め方の持駒以外すべての駒(ただし玉は除く)を合駒として使用できる、と定められています。玉方が使える駒はこの決まりで決まるので、問題図には攻め方の持ち駒だけが書かれていることが多い、と考えると分かりやすいかなと思います。

詰将棋のルールを覚えたら短い問題から

詰将棋のルールは、日本将棋連盟が示している6つの決まりが基本です。攻め方は必ず王手をかけて玉を詰ませ、玉方は王手をはずしながら最善を尽くして最も長く逃げます。玉方は盤上と攻め方の持ち駒以外の駒(玉を除く)を合駒に使えますが、無駄な合駒はしません。そのうえで、二歩、打ち歩詰め、行き所のない駒、連続王手の千日手は、指し将棋と同じく反則になります。

  • 攻め方は必ず王手、玉方は必ず王手をはずして最も長く逃げる
  • 合駒は玉以外のほとんどの駒が使えるが、無駄な合駒はしない
  • 二歩・打ち歩詰め・行き所のない駒・連続王手の千日手は反則
  • 手数は攻め方の手が1つ多いので、必ず奇数になる

日本将棋連盟の「まいにち詰将棋」の19問を数えた内訳では、3手詰と5手詰が8問、7手詰以上が11問でした。まずは3手詰や5手詰の短い問題で王手と応手の流れに慣れ、少しずつ手数を延ばしていくのが取り組みやすい順番です。

迷ったときは、この記事のルール確認表を見返してみてください。ルールや大会の案内は変わることがあるので、正確な情報は日本将棋連盟の公式サイトや各大会の案内でご確認くださいね。

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