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ルービックキューブの模様の作り方|簡単な市松から8種の手順と戻し方を解説
ルービックキューブで模様を作ろう!2手の縞からスーパーフリップまで手順と戻し方
ルービックキューブの6面が揃うようになると、次は何をしようかなと迷いますよね。そんなときにおすすめなのが、揃えたキューブにわざと模様を作る遊びです。市松模様や十字、各面の真ん中だけ色が違うドット、角に小さなキューブが埋まって見えるキューブ・イン・キューブなど、ルービックキューブの模様には簡単なものからかっこいいものまでいろいろあります。
うれしいのは、模様の作り方そのものは決まった手順を回すだけだということ。6面を揃える解法のように、途中の形を見て判断する場面はほとんどありません。回転記号さえ読めれば、2手や6手で完成する模様もあります。その一方で、手順を1手でも間違えると形が崩れてしまうので、元に戻せなくなりそうで手が止まる、ということもありますよね。
そこでこの記事では、回転記号の読み方と持ち方の基準を押さえたうえで、2手から20手まで8つの模様の手順を紹介します。この記事の手順は、記号どおりに回したときの各面の色をプログラムで計算して、模様が出ることと、同じ手順を何回くり返すと元に戻るかを確かめたものです。間違えたときの戻し方や、模様どうしを組み合わせて新しい模様を作るコツまで、順番にチェックしてみてください。
- ルービックキューブの模様を作る前に知っておきたい回転記号と持ち方
- 2手の縞から20手のスーパーフリップまで8つの模様の手順
- 手順を間違えたときの戻し方と、元に戻るまでの回数の目安
- 模様を組み合わせて新しい模様を作るコツ
ルービックキューブの模様を作る前に知っておきたい基本
ルービックキューブの模様は、6面が揃った状態から決まった手順を回して作ります。だからこそ、手順を正しく読めるかどうかと、どの向きで持って回し始めるかが仕上がりを左右します。
この章では、まず模様づくりの仕組みをざっくりつかんだうえで、回転記号の読み方、持ち方の基準、そして間違えたときの戻し方を順番に整理します。とくに戻し方は、模様を作り始める前に知っておきたいところ。逆の手順を回す方法と、同じ手順をくり返して戻す方法の2つを知っていれば、1手間違えても慌てずに済みます。ここを先に押さえておくと、次の章の手順を安心して試せるかなと思います。
模様づくりは6面が揃った状態から始めるので、まだ6面を揃えられない方は、回転記号の読み方と層ごとに揃える7つの手順から先に試してみてください。
模様は6面揃えた状態から手順を回すだけ
ルービックキューブの模様づくりは、6面がすべて揃った状態をスタート地点にして、決まった手順をそのまま回すのが基本です。揃える解法では、今の形を見て次に使う手順を選びますが、模様づくりでは最初から最後まで同じ手順を回すだけ。途中で考える場面がないので、手順を書いたメモを横に置いておけば、揃え方をまだ覚えきれていない人でも挑戦しやすい遊びです。
ただし、スタート地点が6面完成の状態であることは外せません。模様の手順は、揃った状態に対して回したときに模様が出るように組まれています。1面だけ揃った状態や、途中まで崩れた状態から回しても、狙った模様にはなりません。まだ6面を揃えられない場合は、新品の状態や、揃えた直後のキューブで試してみてください。
もうひとつ知っておきたいのが、模様の形と色の組み合わせは別物だということです。手順が同じなら、どの面を上にして持っても同じ形の模様が出ます。変わるのは色の組み合わせだけ。たとえば市松模様なら、どの向きで持っても6面すべてが市松になりますが、どの色とどの色の市松になるかは持ち方とキューブの配色で変わります。
模様づくりで使う手順の長さの目安
模様の手順の長さは、短いもので2手、長いものでも20手前後です。この記事では、180度回す動きも1手と数えています。これは、すべての局面が何手で揃うかを計算で調べた研究チームのサイト「cube20.org」が使っている数え方と同じで、どの面をどれだけ回しても1手と数える方法です。90度ずつ数える方法もありますが、その場合は180度の動きが2手になるので、同じ手順でも数字が大きくなります。
ちなみに、ルービックキューブの局面の数は 43,252,003,274,489,856,000 通り、日本語でいうとおよそ4325京通りあると、同じサイトに書かれています。その膨大な局面の中から、目で見て面白い形になるものを選び出したのが模様の手順です。わずか数手で見た目ががらりと変わるのは、そういう局面をうまく選んでいるからなんですね。
(出典:cube20.org「God’s Number is 20」)
回転記号の読み方は6文字と2つの印

模様の手順は、アルファベットの回転記号で書かれています。覚えるのは、面を表す6文字と、回す向きや量を表す2つの印だけです。
世界キューブ協会(WCA)の競技規則では、第12条で記号が決められています。F(正面)、B(背面)、R(右面)、L(左面)、U(上面)、D(下面)の6文字が、それぞれの面を時計回りに90度回すことを表します。文字のあとに ‘ (プライムと読みます)が付くと反時計回りに90度、2 が付くと180度です。
迷いやすいのは時計回りの基準です。時計回りとは、回す面の外側から、その面に真正面から向き合って見たときの時計回りのこと。右面なら右側から、背面なら後ろから、上面なら真上から、下面なら真下からのぞき込んだつもりで向きを決めます。
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| 記号 | 意味 | 手前から見た動きの目安 |
|---|---|---|
| F | 正面を時計回りに90度 | 正面を見たまま時計回りに回す |
| B | 背面を時計回りに90度 | 正面から見ると反時計回り |
| R | 右面を時計回りに90度 | 右の列の手前側が上へ動く |
| L | 左面を時計回りに90度 | 左の列の手前側が下へ動く |
| U | 上面を時計回りに90度 | 上の段の手前側が左へ動く |
| D | 下面を時計回りに90度 | 下の段の手前側が右へ動く |
| ‘(例:R’) | 反時計回りに90度 | 文字だけのときと逆向きに回す |
| 2(例:R2) | 180度 | どちら向きに回しても同じ結果 |
表の最後の行がポイントです。180度回す動きは、右回りでも左回りでも行き着く先が同じなので、向きを間違える心配がありません。次の章で紹介する縞と市松は、180度の動きだけでできているので、記号に慣れていない人の最初の1つにぴったりですよ。
なお、WCAの規則には、2層をまとめて回す記号(Rw のように w を付ける)や、キューブ全体を持ち替える記号(x・y・z)も定められています。持ち替えの記号については、パズルの状態を変えないことと、外側の層を回す数え方(OBTM)では0手と数えることが規則に書かれています。この記事の手順では、どちらも使いません。出てくるのは6文字と ‘ と 2 だけです。
(出典:WCA Regulations「Article 12: Notation」)
持ち方を決めてから回し始める
記号が読めるようになったら、次はキューブの持ち方です。模様づくりでいちばん大事なのは、回し始める前に持つ向きを決めて、手順の途中では持ち替えないこと。途中でキューブを回転させてしまうと、正面や右面がずれて、同じ記号でも別の面を回すことになってしまいます。
この記事では、白い面を上、緑の面を正面にした持ち方で説明します。この向きで持つと、右面が赤、左面が橙(オレンジ)、背面が青、下面が黄色になる配色のキューブを前提に、各面の色を書いています。手元のキューブの配色が違う場合でも、模様の形は同じように出ます。色の組み合わせだけが記事の説明と変わるので、形を見て確かめてください。
回すときにつまずきやすい3つの場面
模様づくりでよくある失敗は、だいたい次の3つです。
- B(背面)・L(左面)・D(下面)のように手前から見えにくい面を、手前から見た向きで回してしまう(正しくはその面の外側から見た向き)
- R と L を同じ向きに回してしまう(時計回りでも、手前から見ると逆向きになる)
- 長い手順の途中で、どこまで回したか分からなくなる
3つ目の対策としては、手順をメモに書き写して、4手ごとくらいに区切りの線を入れておく方法があります。区切りまで回したら一度手を止めて、次の4手を確認してから進むだけでも、読み飛ばしはぐっと減りますよ。指でメモをなぞりながら回すのもいいですね。
また、回し終わったあとに面がきちんとそろっていないまま次の手に進むと、パーツが引っかかって回しにくくなります。1手ごとに、回した面がまっすぐ止まっているかを軽く確かめてから次へ進むと安心です。
間違えたときの戻し方と周期の考え方

模様づくりで不安なのが、手順を間違えたときにどうやって揃った状態に戻すかですよね。戻し方は大きく分けて3つあります。
戻し方1:逆の手順を回す
いちばん確実なのは、回した手順を最後から順番に、向きを逆にして回す方法です。作り方は簡単で、手順を後ろから読み、’ が付いていない記号には ‘ を付け、’ が付いている記号からは ‘ を外します。2 が付いた記号はそのままでOK。たとえば「R U F’」の逆の手順は「F U’ R’」です。
この方法は、どこで間違えたか分かっているときにも使えます。間違えた手も取り消して、その手を回す直前の状態まで逆の手順で戻せば、そこから正しい手順でやり直せます。
戻し方2:同じ手順をくり返す
もうひとつの方法が、同じ手順をくり返して元に戻すやり方です。どんな手順でも、揃った状態から同じ手順をくり返していくと、いつかは必ず揃った状態に戻ってきます。何回で戻るかは手順ごとに決まっていて、この回数を周期と呼びます。
たとえば R だけをくり返すと4回で元に戻りますよね。同じように計算すると、「R U R’ U’」は6回、「R U」は105回で元に戻ります。模様の手順の場合、周期は2回か3回のものが多いです。周期が2回の模様なら、同じ手順をもう1回回すだけで揃った状態に戻ります。周期が3回の模様なら、同じ手順をあと2回回すか、逆の手順を1回回すと戻ります。
戻し方3:揃え方の手順で揃え直す
途中で何回目の何手目か分からなくなってしまったら、逆の手順もくり返しも使えません。その場合は、ふだんの揃え方で6面を揃え直すのがいちばんの近道です。模様づくりに挑戦する前に、揃え方の流れをひととおり身につけておくと、失敗を気にせず遊べるようになりますよ。
周期の数は、揃った状態から手順を正しく回した場合の数です。途中で1手でも違う動きが入ると、同じ手順をくり返しても元には戻りません。間違えた可能性があるときは、くり返しではなく揃え直しを選んでください。
ルービックキューブの模様一覧と作り方の手順
ここからは、ルービックキューブで作れる模様を、おおまかに手数の少ない順に紹介していきます。どれも6面が揃った状態から、白を上・緑を正面にして回し始める前提です。
まず一覧表で全体を見渡してから、模様ごとの手順と見え方、元に戻すときの手順を解説します。見え方は、上面と正面の各段の色を表にしたので、回し終わったら手元のキューブと見比べてみてください。表の各段は左から右の順に色を書いていて、上面は奥の段を「上の段」、手前の段を「下の段」としています。表と同じ色の並びになっていれば成功です。最後に、模様どうしを組み合わせて新しい模様を作るコツも紹介しますね。
手数で選ぶ模様一覧と難易度の目安
最初に、この記事で紹介する8つの模様を一覧にまとめました。手数は180度の動きも1手と数えた数、周期は揃った状態から同じ手順を何回回すと元に戻るかの回数です。どちらも、記号どおりに回したときの状態をプログラムで計算して確かめた数字です。
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| 模様 | 手数 | 周期 | 使う動き | 見た目の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 縞(しま) | 2手 | 2回 | 180度だけ | 4つの面に縦の縞 |
| 市松模様 | 6手 | 2回 | 180度だけ | 6面すべてが市松 |
| ドット | 8手 | 3回 | 90度だけ | 各面の中心だけ別の色 |
| 十字 | 11手 | 2回 | 90度と180度 | 各面に十字、四隅が別の色 |
| キューブ・イン・キューブ | 15手 | 3回 | 90度と180度 | 角に2×2の小さなキューブ |
| 縦縞 | 17手 | 2回 | 90度と180度 | 側面4面に3色の縦縞 |
| キューブ・イン・キューブ・イン・キューブ | 18手 | 3回 | 90度と180度 | 2×2の中にさらに1×1 |
| スーパーフリップ | 20手 | 2回 | 90度と180度 | 辺のパーツだけがすべて裏返し |
難易度の目安は、手数の少なさと、90度の動きが入るかどうかで考えるのがおすすめです。180度の動きだけでできている縞と市松は、向きを間違える心配がないので最初の1つに向いています。90度の動きが入る模様は、R と L、B と D の向きで迷いやすいので、ドットのような短い手順で練習してから長い手順に進むと失敗しにくいですよ。
周期の列も見ておくと便利です。周期が2回の模様は、同じ手順をもう1回回せば元に戻ります。周期が3回の模様は、同じ手順をあと2回回すか、模様ごとに紹介する逆の手順を1回回せば元に戻ります。模様を作ったあとにどう戻すかまで決めてから回し始めると、安心して遊べるかなと思います。
まず作りたい簡単な模様は縞と市松
最初に作るなら、2手でできる縞と、6手でできる市松模様がおすすめです。どちらも180度の動きだけなので、向きの間違いが起こりません。
縞(2手)の手順
手順は「R2 L2」の2手だけです。右面と左面をそれぞれ180度回すと、上面・正面・背面・下面の4つの面に縦の縞が出ます。右面と左面は揃ったまま残ります。
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| 面 | 上の段 | 中の段 | 下の段 |
|---|---|---|---|
| 上面(奥から手前) | 黄・白・黄 | 黄・白・黄 | 黄・白・黄 |
| 正面 | 青・緑・青 | 青・緑・青 | 青・緑・青 |
真ん中の列だけ元の色が残り、両側の列が向かい合う面の色に入れ替わる形です。周期は2回なので、同じ「R2 L2」をもう1回回せば元に戻ります。模様というには地味かもしれませんが、回転記号どおりに回す練習の第一歩としてちょうどいいですよ。
市松模様(6手)の手順
手順は「R2 L2 U2 D2 F2 B2」の6手です。縞の2手のあとに、上面と下面、正面と背面をそれぞれ180度ずつ回すと、6面すべてが市松模様になります。
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| 面 | 上の段 | 中の段 | 下の段 |
|---|---|---|---|
| 上面(奥から手前) | 白・黄・白 | 黄・白・黄 | 白・黄・白 |
| 正面 | 緑・青・緑 | 青・緑・青 | 緑・青・緑 |
どの面も、その面の色と、向かい合う面の色の2色で市松になります。白い面なら白と黄色、緑の面なら緑と青、赤い面なら赤と橙という組み合わせです。周期は2回なので、同じ6手をもう1回回せば元に戻ります。
コツは、2手ずつ組にして覚えること。R2 L2 で左右、U2 D2 で上下、F2 B2 で前後と、向かい合う面をペアで回していくだけなので、メモがなくても覚えやすい手順です。ちなみに、90度ずつ数えると12回ぶんの動きになります。
途中の「R2 L2 U2 D2」の4手で止めても、ちょっと違う模様になります。正面と背面が市松、上面と下面が縦縞、右面と左面が横縞という、面ごとに違う模様が並ぶ形です。6手の途中経過も楽しめるので、2手ごとに手を止めて変化を見てみるのも面白いですよ。
これから模様づくりを始めるなら、まずは手元に3×3のキューブを1つ用意しておきましょう。定番の3×3としては、メガハウスのルービックキューブがあります。価格や在庫は購入前に各ショップで確認してください。
ドット・十字・縦縞など形が楽しい模様
縞と市松に慣れたら、90度の動きが入る模様に進みましょう。ここでは、手数の短い順にドット(8手)、十字(11手)、縦縞(17手)の3つを紹介します。
ドット(8手)の手順
手順は「U D’ R L’ F B’ U D’」の8手です。6面すべてで、中心のパーツだけが元の色のまま残り、まわりの8マスが別の1色に変わります。真ん中にぽつんと点が浮かんだような見た目なので、ドットや点の模様と呼ばれます。
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| 面 | 上の段 | 中の段 | 下の段 |
|---|---|---|---|
| 上面(奥から手前) | 緑・緑・緑 | 緑・白・緑 | 緑・緑・緑 |
| 正面 | 赤・赤・赤 | 赤・緑・赤 | 赤・赤・赤 |
手順を見ると、U と D’、R と L’、F と B’ というように、向かい合う面をペアで回しているのが分かります。どのペアも、片方に ‘ が付いています。手前から見ると、U と D’ は同じ方向に動くので、上の段と下の段を同じ向きにそろえて回すイメージです。
周期は3回です。元に戻すときは、同じ8手をあと2回回すか、逆の手順「D U’ B F’ L R’ D U’」を1回回してください。
十字(11手)の手順
手順は「U F B’ L2 U2 L2 F’ B U2 L2 U」の11手です。6面すべてに、その面の色の十字が浮かび、四隅だけが別の色になります。
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| 面 | 上の段 | 中の段 | 下の段 |
|---|---|---|---|
| 上面(奥から手前) | 黄・白・黄 | 白・白・白 | 黄・白・黄 |
| 正面 | 赤・緑・赤 | 緑・緑・緑 | 赤・緑・赤 |
四隅の色は面によって違います。上面と下面の四隅は向かい合う面の色(白い面なら黄色)、正面の四隅は右面の赤というように、側面では隣の面の色が入ります。周期は2回なので、同じ11手をもう1回回せば元に戻ります。
途中に F と B’ のペア、F’ と B のペアが出てくるのがこの手順の特徴です。正面と背面を同時に回すつもりで、手前から見て同じ方向に動かすと覚えると迷いにくいはずです。
縦縞(17手)の手順
手順は「F U F R L2 B D’ R D2 L D’ B R2 L F U F」の17手です。上面と下面は揃ったまま残り、側面の4つの面が、3色の縦縞になります。
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| 面 | 上の段 | 中の段 | 下の段 |
|---|---|---|---|
| 上面(奥から手前) | 白・白・白 | 白・白・白 | 白・白・白 |
| 正面 | 橙・緑・赤 | 橙・緑・赤 | 橙・緑・赤 |
正面なら、左の列が橙、真ん中が緑、右の列が赤の3本の縦縞です。最初に紹介した2手の縞は2色でしたが、こちらは3色になるのが違い。上面と下面がきれいに揃ったまま残るので、横から眺めたときの見映えがいい模様です。
17手と長めで、最初と最後がどちらも「F U F」なのが覚えるときの目印になります。周期は2回なので、同じ17手をもう1回回せば元に戻ります。途中に D’ が2回と D2 が1回出てくるので、下面の向きにだけは気をつけてくださいね。
立体的に見えるキューブ・イン・キューブ
かっこいい模様の代表といえば、キューブ・イン・キューブです。名前のとおり、大きなキューブの角に小さなキューブがはまり込んでいるように見える模様で、ルービックキューブの模様の定番のひとつです。
キューブ・イン・キューブ(15手)の手順
手順は「F L F U’ R U F2 L2 U’ L’ B D’ B’ L2 U」の15手です。白を上・緑を正面にして回すと、手前の右上の角に、2×2の小さなキューブが現れます。
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| 面 | 上の段 | 中の段 | 下の段 |
|---|---|---|---|
| 上面(奥から手前) | 緑・緑・緑 | 緑・白・白 | 緑・白・白 |
| 正面 | 赤・緑・緑 | 赤・緑・緑 | 赤・赤・赤 |
上面では手前の右側に白の2×2、正面では右上に緑の2×2、右面では左上に赤の2×2が集まり、3つの面で1つの小さなキューブを形作ります。反対側の奥の左下の角にも同じように小さなキューブができるので、キューブをくるっと回して両方の角を見比べてみてください。
周期は3回です。元に戻すときは、同じ15手をあと2回回すか、逆の手順「U’ L2 B D B’ L U L2 F2 U’ R’ U F’ L’ F’」を1回回してください。
キューブ・イン・キューブ・イン・キューブ(18手)の手順
さらに入れ子を1段深くしたのが、キューブ・イン・キューブ・イン・キューブです。手順は「U’ L’ U’ F’ R2 B’ R F U B2 U B’ L U’ F U R F’」の18手です。
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| 面 | 上の段 | 中の段 | 下の段 |
|---|---|---|---|
| 上面(奥から手前) | 赤・赤・赤 | 赤・白・白 | 赤・白・緑 |
| 正面 | 白・緑・赤 | 白・緑・緑 | 白・白・白 |
正面を見ると、左の列と下の段が白のL字になり、その内側の右上に緑の2×2、さらにその右上の1マスだけが赤という3重の入れ子になっています。大きなキューブの中に中くらいのキューブ、その中に小さなキューブがある見た目です。
周期は3回で、元に戻すときは同じ18手をあと2回回すか、逆の手順「F R’ U’ F’ U L’ B U’ B2 U’ F’ R’ B R2 F U L U」を1回回します。どちらも長いので、手順をメモに書いて、4手ごとに区切りの線を入れてから回すのがおすすめです。
20手が必要と証明されたスーパーフリップ
模様の中でも特別な存在なのが、スーパーフリップです。角のパーツはすべて正しい位置と向きのまま、辺のパーツだけが正しい位置でそっくり裏返しになった局面のことをいいます。
この局面が特別なのは、揃えるのに必要な最短の手数が分かっているからです。cube20.org の年表によると、1995年1月に Michael Reid さんが、スーパーフリップには20手が必要であることを証明しました。そして2010年7月、Tomas Rokicki さん、Herbert Kociemba さん、Morley Davidson さん、John Dethridge さんの4人が、どの局面も20手以内で揃えられることを証明しています。サイトのトップでも、スーパーフリップは20手が必要だと最初に証明された局面として紹介されています。
つまりスーパーフリップは、どれだけ効率よく回しても20手より短くは揃えられない、いちばん遠い局面のひとつということ。ちなみに cube20.org によると、この計算にはGoogleが提供したコンピューターの空き時間がおよそ35年分(CPU年)使われたそうです。また、90度ずつ数える方法では、どの局面も26手以内で揃えられることが分かったとも書かれています。
スーパーフリップ(20手)の手順
手順は、cube20.org のトップに掲載されている「R L U2 F U’ D F2 R2 B2 L U2 F’ B’ U R2 D F2 U R2 U」の20手です。
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| 面 | 上の段 | 中の段 | 下の段 |
|---|---|---|---|
| 上面(奥から手前) | 白・青・白 | 橙・白・赤 | 白・緑・白 |
| 正面 | 緑・白・緑 | 橙・緑・赤 | 緑・黄・緑 |
見た目は、中心と四隅がその面の色のまま、上下左右の4つの辺だけが別の色になった形です。正面なら、上の辺が白、左の辺が橙、右の辺が赤、下の辺が黄色。辺のパーツが裏返ったことで、隣の面の色がこちらを向いているわけです。
見た目は地味に思えるかもしれませんが、20手かけて作った局面を誰かに渡して「これは最短でも20手かかる」と話すと、ちょっとした話のタネになりますよ。周期は2回なので、同じ20手をもう1回回せば元に戻ります。20手を2回、合計40手を間違えずに回すのはなかなか大変なので、10手ごとに区切って確認しながら進めてみてください。
20手のような長い手順をくり返し回すなら、回しやすいキューブを選ぶのもひとつの方法です。メガハウスのラインナップには、スピードキューブのシリーズもあります。価格や在庫、対象年齢は購入前に各ショップで確認してください。
模様を組み合わせて新しい模様を作るコツ
手順をいくつか回せるようになったら、模様どうしを組み合わせてみるのも楽しいです。ある模様の手順を回したあと、続けて別の模様の手順を回すだけで、多くの場合はどちらとも違う新しい模様ができます。
市松とドットを組み合わせた3色の模様
たとえば、市松模様の6手のあとに、続けてドットの8手を回してみます。合わせて14手です。
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| 組み合わせ | 手数 | 周期 | 正面の見え方 |
|---|---|---|---|
| 市松のあとにドット | 14手 | 6回 | 中心が緑、辺が橙、四隅が赤の3色 |
| 市松のあとに十字 | 17手 | 2回 | 中心が緑、辺が青、四隅が赤の3色 |
| ドットのあとに十字 | 19手 | 12回 | 中心が緑、辺が赤、四隅が白の3色 |
どの組み合わせでも、正面は3色に分かれた模様になりました(ほかの面には2色のままの面もあります)。市松とドットの組み合わせでは6面すべてが3色になり、正面なら中心が緑、上下左右の辺が橙、四隅が赤と、元の2つの模様のどちらとも違う形になります。
組み合わせると周期が変わる
表の周期の列に注目してください。市松は周期2回、ドットは周期3回ですが、組み合わせると周期は6回になりました。ドットと十字の組み合わせでは12回です。組み合わせた模様は、元の模様の周期とは別の回数でしか戻らないことがあるので、くり返しで戻そうとすると思ったより長くかかります。
組み合わせた模様を元に戻すときは、逆の手順を使うのが確実です。逆の手順は、あとから回した模様の逆の手順を先に回し、そのあとで先に回した模様の逆の手順を回せばOK。市松とドットの組み合わせなら、ドットの逆の手順「D U’ B F’ L R’ D U’」のあとに、市松の逆の手順を回します。市松の逆の手順は「B2 F2 D2 U2 L2 R2」ですが、市松は周期2回なので、逆の手順の代わりに元の6手をもう一度回しても戻ります。
自分で模様を見つけるときの考え方
組み合わせ以外に、自分で新しい模様を探す方法もあります。考え方のヒントは次のとおりです。
- 向かい合う面をペアで回す(R と L、U と D、F と B)と、左右対称や上下対称の形が出やすい
- 180度の動きだけで組むと、向きを間違えずに試せる
- 2手ごとに手を止めて、どんな形になったか確かめながら進める
- 気に入った形が出たら、そこまでの手順をすぐにメモしておく
市松模様の手順が、まさに向かい合う面をペアで180度ずつ回す形になっていますよね。手順の途中で止めると、縞や面ごとに違う模様が出てくるのも、この組み方ならでは。最初は市松の6手の順番を入れ替えたり、一部だけ90度にしたりして、どんな形になるか試してみるのがおすすめです。
ルービックキューブのほかにも、手を動かして形を作る立体パズルはいろいろあります。木製3Dやメタルなど立体パズルの種類別のコツも、次に挑戦するパズル選びの参考になるかなと思います。手順の最短記録の話が気になったら、15パズルをはじめとするスライドパズルの世界記録ものぞいてみてください。
ルービックキューブの模様についてよくある質問
解説によって M・E・S や小文字の記号が出てくるのはなぜですか?
WCAの競技規則の第12条で定められている3×3の記号は、6つの面を回す記号、2層をまとめて回す記号(Rw のように w を付ける)、キューブ全体を持ち替える記号(x・y・z)です。真ん中の段だけを回す M・E・S のような記号は、この規則には含まれていません。小文字の記号(r など)も、第12条には定められていません。WCAの規則では、2層をまとめて回すときは Rw のように w を付けて書きます。解説によっては、こうした規則の外の記号を使って模様の手順を短く書いていることがあります。この記事の手順は、6つの面を回す記号だけで書いているので、ほかの記号を覚えなくても回せますよ。
2×2や4×4のキューブでも同じ手順で模様は作れますか?
この記事の手順は3×3のキューブを前提にしています。2×2には各面の中心のパーツがなく、4×4は1つの面が4×4マスで層の数も違うので、同じ記号を回しても3×3と同じ見た目になるとは限りません。2×2や4×4で模様を作りたいときは、そのキューブ向けに書かれた手順を探してみてください。
模様づくりにはどんなキューブが向いていますか?
模様づくりは長い手順を続けて回すことが多いので、途中で引っかかりにくい、回しやすいキューブのほうが手順を間違えにくくなります。目安としては、1つの面を回したときに途中で止まらず最後まで軽く回るか、少し斜めにずれた状態から次の面を回しても引っかからないか、という2点を見ておくと選びやすいです。回転が重い、引っかかるといった不具合が気になるときは、無理に回さず、メーカーの説明書や販売店に相談してみてください。
ルービックキューブの模様を楽しむためのまとめ

最後に、この記事のポイントを整理しておきます。
- ルービックキューブの模様は、6面が揃った状態から決まった手順を回すだけで作れる
- 回転記号は F・B・R・L・U・D の6文字と、反時計回りの ‘ と180度の 2 だけ
- 回し始める前に持つ向きを決め、手順の途中では持ち替えない
- 最初の1つは、180度の動きだけでできる縞(2手)と市松模様(6手)がおすすめ
- 間違えたら、逆の手順を回すか、周期の回数だけ同じ手順をくり返して戻す
- スーパーフリップは、20手が必要だと最初に証明された局面
- 模様どうしを組み合わせると新しい模様ができるが、周期は元の模様と変わることがある
まずは市松模様の6手から試してみて、形が出たらもう一度同じ6手で元に戻してみてください。作って戻すをくり返すうちに回転記号にも手が慣れて、キューブ・イン・キューブやスーパーフリップのような長い手順にも挑戦しやすくなるかなと思います。
ルービックキューブを誰かに贈るときに模様の手順のメモを添えるのも、ちょっとしたアイデアです。相手の年代に合わせたパズルのプレゼントの選び方もあわせてチェックしてみてくださいね。
なお、手順と周期はこの記事で計算して確かめたものですが、回転記号の正確な定義はWCAの競技規則の原文をご確認ください。キューブの不具合や分解・修理については、最終的な判断はメーカーや販売店に相談してからにしてください。
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