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カワハギとウマヅラハギの違い|見分け方・味・値段・旬と釣り方の比較
カワハギとウマヅラハギはどう違う?見た目・味・値段から釣り方までやさしく比較
釣り船でカワハギに混じって細長いハギが釣れたり、魚売り場で皮をむいたハギを見かけたりすると、これはカワハギなのか、それともウマヅラハギなのか、気になりますよね。どちらも同じカワハギ科の仲間で、名前も姿もよく似ているので、迷うのは自然なことかなと思います。
この記事では、カワハギとウマヅラハギの違いを、見分け方から順に整理します。体の形や尾びれの色といった見た目の違い、大きさやすむ場所、旬と産卵期、味と値段のどっちがおいしいかという気になる点、さらに皮をむいたムキハギの見分け方まで、県の水産研究機関やメーカーの資料をもとにまとめました。
後半では、釣り方と仕掛けの違い、皮のむき方と肝の取り出し方、刺身の肝醤油や鍋、煮付けといった料理の選び分け、そして毒を持つソウシハギとの見分けの注意点も紹介します。読み終えるころには、目の前のハギがどちらか見当がつき、釣るときも食べるときも迷いにくくなると思いますよ。
- カワハギとウマヅラハギを体の形とひれの色で見分けるコツ
- 大きさ・すむ場所・旬・味と値段の違い
- それぞれの釣り方と、さばき方・料理の選び分け
- 有毒なソウシハギと間違えないための注意点
カワハギとウマヅラハギの違いを見分け方から整理
カワハギとウマヅラハギは、どちらもフグ目カワハギ科に分類される魚です。ただし属は別で、カワハギはカワハギ属、ウマヅラハギはウマヅラハギ属に分けられています。近い親戚ではあるものの、体つきやひれの色、すんでいる場所、群れ方にははっきりした違いがあるんですね。
この章では、まずいちばん確実な体の形の違いを押さえ、次にひれの色と模様、大きさとすむ場所、旬と産卵期、最後に味と値段、そして店頭のムキハギの見分け方まで、知りたい順に見ていきます。釣り上げた魚を前にしたときも、売り場で切り身を見るときも、確認する順番は同じ。形、ひれの色、模様の順に見ていけば、たいていはどちらか見当がつきますよ。章の最後には、違いを一覧にした比較表も用意しました。
ひし形のカワハギと面長のウマヅラハギ

結論からいうと、いちばん分かりやすい違いは体の形です。カワハギは体の高さがあるひし形、ウマヅラハギは顔の長い長楕円形。横から見た輪郭を比べるだけで、多くの場合は見当がつきます。
百科事典(日本大百科全書など)の説明を見ると、カワハギは体がひし形で、横から強く平たく押しつぶされたような形をしているとされています。体高があるぶん、手に持つと丸っこく、ずんぐりした印象を受けやすい魚です。とがった口先の先端に小さな口がついていて、この小さな口と頑丈な歯で、貝などの硬いエサもかじり取ってしまいます。
一方のウマヅラハギは、体が平たいところは同じでも、輪郭は長楕円形です。名前の由来になっているのが、口先までの長さ。目から口先までがぐっと伸びた面長の顔が、馬の顔を連想させることからウマヅラ(馬面)ハギと呼ばれています。Hondaの釣魚図鑑でも、ウマの顔のような面長の頭部が特徴だと紹介されています。
見分けるときは「顔の長さ」と「体高」を見る
実際に見分けるときは、次の2点を確認するのが近道です。
- 目から口先までの長さ:カワハギは短め、ウマヅラハギは長い
- 体の高さ:カワハギはひし形で高い、ウマヅラハギは細長い
釣り上げた直後の魚でも、写真でも、この2つは比べやすいポイントです。小さな若い個体だと差が分かりにくいこともあるので、そのときは次の見出しで紹介するひれの色もあわせて見てみてくださいね。
とげや皮の手ざわりにも違いがある
どちらも背中に1本の目立つとげ(背びれの棘)を持っていますが、その位置にも違いがあるとされています。事典では、カワハギの背びれの棘は目の後方の上、ウマヅラハギは目の中央より後ろに位置すると説明されています。また、ウマヅラハギの腹側にある小さなとげは、カワハギと違って動かないとも書かれています。
カワハギの皮は、事典によると毛のような細かいうろこで覆われていて、ザラザラした手ざわりです。カワハギ(皮剥)という名前のとおり、皮を一気にむいて調理できるのが特徴で、ウマヅラハギも同じようにむいて下処理します。
尾びれの色とひれ・体の模様で見分ける

体の形の次に頼りになるのが、ひれの色です。三重県水産研究所の解説では、尾びれの色はカワハギが茶色なのに対し、ウマヅラハギは鮮やかな緑色だと紹介されています(出典:三重県水産研究所「おさかな図鑑:カワハギ」)。
ほかのひれにも傾向があります。事典によると、カワハギは尾びれが暗褐色で、ほかのひれは黄色。ウマヅラハギは背びれと尻びれが青緑色、胸びれと尾びれが暗青色とされ、全体に青みが強いのが特徴です。つまり、茶色や黄色っぽいひれならカワハギ、青緑っぽいひれならウマヅラハギというのが大まかな目安になります。
体の色と模様はどうでしょうか。カワハギは淡い褐色や黄灰色の地に、黒っぽい斑紋や細い縦の模様が散らばる体色をしています。ウマヅラハギは淡い青灰色や灰色の体色で、事典によっては体の側面に暗い色の斑が散らばるとされますが、成長すると消えるという記述もあります。
体色だけで決めないほうがいい理由
ただし、体の色は見分けの決め手にしないほうが安全です。事典には、カワハギはオスどうしの争いに勝った個体ほど黒みが増すといった記述もあり、同じ種でも状態によって色が変わります。釣り上げてから時間がたったり、水槽や氷の上に置かれたりしても、色の印象はかなり変わるものです。
迷ったときは、体の形(体高と顔の長さ)、ひれの色の順に確認し、模様はあくまで補助として見るのがいいかなと思います。
カワハギのオスとメスの見分け方
カワハギの場合、オスとメスの違いもひれに出ます。事典では、カワハギのオスは背びれの第2軟条が糸のように長く伸びると説明されています。釣り上げたカワハギの背びれに糸状に伸びたすじがあれば、オスだと考えてよさそうです。ウマヅラハギも、事典によるとオスは口先の背側の縁が出っ張り、メスはほぼ直線的で、体高はメスのほうが大きいとされています。ひれが糸状に伸びるのはカワハギならではの特徴として覚えておくと楽しいですよ。
大きさ・すむ場所・群れ方の違い

大きさは、資料によって書き方に幅があります。Hondaの釣魚図鑑では、カワハギは最大で30センチほど、ウマヅラハギも最大で30センチ程度とされていますが、事典ではカワハギは全長25センチ程度、ウマヅラハギは全長30センチほど、30センチを超えるという記述もあります。事典の数字で比べるとカワハギは25センチ前後、ウマヅラハギは30センチ前後ですが、徳島県の報告ではブリと一緒に育てられた全長34.2センチのカワハギも紹介されていて、個体によって大きさはかなり違います。
成長のスピードについては、瀬戸内海のウマヅラハギを調べた広島大学の研究(1979年・1960〜70年代の標本)があり、雌の体長は平均して満1年で18センチ、満2年で22センチ、満3年で25センチに達すると報告されています。この目安に当てはめると、体長20センチ台前半のウマヅラハギは2歳前後にあたる計算です。
分布とすむ深さ
分布はどちらも広く、Hondaの釣魚図鑑ではカワハギが北海道以南の全国沿岸で南の方ほど比較的数が多い、ウマヅラハギも北海道以南の全国沿岸部とされています。すむ深さは、カワハギが水深200メートル以浅の砂泥底や岩礁域、ウマヅラハギが水深200メートルまでの砂泥底や岩礁域で、ここは大きく変わりません。
違いが出るのは、海の中での位置と群れ方です。カワハギは成魚になると小さな群れで磯のまわりなどにすみ、砂地に口から水を吹きつけて、底の甲殻類や多毛類を巻き上げて食べます。つまり、基本的に海底近くでエサを探す魚です。
一方のウマヅラハギは、沿岸で大きな群れをつくるとされ、Hondaの釣魚図鑑でも海底から中層を群れで泳いでいると紹介されています。事典には、カワハギよりやや沖合にすむという記述もあります。底につくカワハギ、底から中層を群れで泳ぐウマヅラハギという違いは、あとで紹介する釣り方の違いにもつながってきます。
水温への強さと水質への強さ
もうひとつ興味深いのが、寒さへの強さです。徳島県の水産研究機関の報告では、ブリの生けすで一緒に育てられたハギ類について、カワハギのほうが低水温に弱いので年内に先に出荷し、低水温に強いウマヅラハギはその後に出荷されると紹介されています。
また、富山県の研究では、富山湾のウマヅラハギの漁獲量は1〜2月が年間の約8割を占め、冬に大量にやってくると推察されています。水温や深度を記録する標識をつけて放流し、再捕された1個体の記録からは、水温が11℃を下回ると深場で冬を越している可能性が示唆されました。Hondaの釣魚図鑑には、ウマヅラハギは水質の悪化に強いという記述もあります。低水温にはカワハギより強いと報告される一方、富山県の研究では水温が下がると深場に移る様子も見られます。水の汚れに強いのも、ウマヅラハギの特徴の一つといえそうです。
旬と産卵期、肝が大きくなる季節
旬については、どちらも肝が大きくなる冬場がいちばん人気です。Hondaの釣魚図鑑では、カワハギは肝が大きくなる冬場が旬、ウマヅラハギは釣期が秋から春で、肝の大きくなる冬場が人気とされています。
ただ、カワハギには夏の楽しみ方もあります。同じ図鑑では、夏は肝が小さいものの、肉質は冬に優るとされているんです。肝を味わうなら冬、身のおいしさを楽しむなら夏も悪くない、という2つの考え方があるわけですね。
産卵期の違い
産卵期は資料によって少しずつ幅があります。カワハギは、Hondaの釣魚図鑑で夏場に沿岸の砂底に産みつけるとされ、ダイワの解説では産卵期は5〜7月で、満1年で成熟して産卵するとされています。
ウマヅラハギは、Hondaの釣魚図鑑で4〜7月ごろに何度か産卵するとされています。広島大学の1978年の報告では、瀬戸内海の備後灘で毎年4〜6月に島のまわりの網で大量にとれ、この時期の個体が発達した卵巣を持つことから産卵群とみなされていました。カワハギより少し早い春から産卵が始まる、と覚えておくといいかもしれません。
稚魚は流れ藻で育つ
どちらの稚魚も、海面を漂う海藻(流れ藻)の下で育つことが知られています。香川県の水産試験場の報告では、流れ藻はカワハギなどの幼稚魚の隠れ場所や育つ場所として重要な役割を果たしているとされ、瀬戸内海中央部ではウマヅラハギの稚魚が6月から8月にかけて流れ藻についていると紹介されています。
カワハギについては、事典に、稚魚は流れ藻の下に集まり、5センチ以上に育つと水深8〜30メートルの深みへ移るという説明があります。夏の海でハギの小さな姿を見かけたら、こうして育っている途中の個体かもしれませんね。
天然の肝は個体差が大きい
気をつけたいのは、肝の大きさには個体差があることです。徳島県の報告では、天然のハギの肝臓は冬季に脂がのるものの個体差が大きいと書かれています。冬に釣ったから必ず肝が大きい、というわけではない点は頭に入れておくと、がっかりしにくいですよ。
味と値段の違い、店頭のムキハギの見分け方
カワハギとウマヅラハギ、どっちがおいしいのかは気になるところですよね。結論からいうと、どちらも淡白でクセのない白身と、濃厚な肝が楽しめる魚で、好みで選んで大丈夫です。ただ、市場での扱いにははっきり差があります。
値段はカワハギのほうが高い
三重県水産研究所の解説では、カワハギは本ハギ(丸はぎ)と呼ばれて高値で取引されているとされています。愛知県の資料でも、同じ仲間のウマヅラハギのほうが安いので、カワハギの代わりに使われることもあると紹介されています。
つまり、高級なのはカワハギ、手ごろに楽しめるのがウマヅラハギという位置づけです。具体的な価格は地域や季節、大きさ、活魚かどうかで大きく変わるので、購入するときは店頭の表示を確認してください。
味の評価の違い
味についてはどうでしょうか。愛知県の資料では、カワハギの身は白身で歯ごたえがあり、淡白な味わいで、フグの仲間だけに味もフグに似ていると紹介されています。三重県水産研究所も、ハギ類の身はフグに似たこりこりしたあっさりした身で、肝の旨味と風味が加わると奥深い味になると説明しています。
事典には、ウマヅラハギの味はカワハギより若干劣るとする記述もあります。とはいえ、Hondaの釣魚図鑑ではウマヅラハギもカワハギと同様に薄造りや肝あえがおいしく、煮付けやちり鍋、干物にも合うとされています。鮮度がよければ十分においしく食べられる魚なので、値段とのバランスで選ぶのが現実的かなと思います。
身はあっさり、肝はこってり
ハギ類の味の特徴は、あっさりした身と、こってりした肝の組み合わせにあります。愛知県の資料では、カワハギは高タンパクで、とても脂肪が少ない魚だと紹介されています。
肝の脂については、徳島県の水産研究機関がブリの生けすで一緒に育てられたカワハギとウマヅラハギを分析した報告があります。それによると、筋肉の脂質は0.07〜0.33%と非常に少ない一方で、肝臓は白く大きく育ち、脂質の含量は66〜79%にもなったそうです。特にウマヅラハギでは、体重に対する肝臓の割合が20%を超えたと報告されています。
これは配合飼料で育てられた個体の分析なので、天然の魚にそのまま当てはまるわけではありません。それでも、淡白な身に濃厚な肝を合わせる食べ方が好まれる理由は、こうした数字からもイメージしやすいと思います。
皮をむいたムキハギはどう見分ける?
魚売り場では、ハギ類は頭や皮、内臓を取った状態で並ぶことが多く、愛知県の資料ではこれをムキハギと呼んで売られていることが多いと紹介されています。こうなると顔の長さで見分けることはできません。
そんなときに役立つのが、体の高さとひれの色です。三重県水産研究所の解説でも、頭や皮が取り除かれた状態では見分けが難しいといわれるものの、体の高さや尾びれなどのひれの色を見ると一目瞭然だとされています。身の幅が広くずんぐりしていればカワハギ、細長ければウマヅラハギ、尾びれが残っていれば茶色か緑色かを見る、という順番で確かめてみてください。
| 比べるところ | カワハギ | ウマヅラハギ |
|---|---|---|
| 体の形 | 体高のあるひし形 | 顔が長い長楕円形(面長) |
| 尾びれの色 | 茶色系(事典では暗褐色) | 鮮やかな緑色系(事典では暗青色) |
| ほかのひれ | 黄色 | 背びれと尻びれが青緑色 |
| 大きさの目安 | 全長25センチ前後(最大30センチほど) | 全長30センチ前後(30センチを超える記述もある) |
| すみ方 | 海底近く・磯のまわりに小さな群れ | 海底から中層を大きな群れで泳ぐ |
| 産卵期の目安 | 夏場(5〜7月とする資料もある) | 4〜7月ごろに何度か |
| 旬 | 肝が大きくなる冬場。夏は身がよいとされる | 肝の大きくなる冬場が人気 |
| 値段 | 本ハギと呼ばれ高値 | カワハギより安く、代用されることもある |
表の数値や時期は、資料をもとにした一般的な目安です。地域や個体によって違いがあるので、参考程度に見てくださいね。
カワハギとウマヅラハギを釣る・食べるときのコツ
見分け方が分かったら、次は実際に釣るとき、食べるときのポイントです。すみ方が違う2種類は、ねらい方やエサの考え方も少し変わります。一方で、皮のむき方や肝の楽しみ方はほとんど共通しているので、片方を覚えればもう片方にも応用できますよ。釣りの道具をそろえる前に、どちらをメインにねらうのかを決めておくと、エサや仕掛けを選びやすくなります。
この章では、カワハギの釣り方、ウマヅラハギの釣り方、皮むきと料理の選び分けを順に紹介し、最後に毒を持つソウシハギとの見分けの注意点をまとめます。釣った魚を持ち帰って食べるなら、最後のソウシハギの項目は特に大切です。似た姿のハギの中には食べてはいけない種類がいるので、おいしく食べる準備と一緒に、安全に見分ける方法も確認しておきましょう。
カワハギの釣り方:底を探る仕掛けとエサ
カワハギは、海底近くでエサをついばむ魚です。そのため、仕掛けを底まで沈めて、底付近でエサを動かす釣り方が基本になります。岸からでも船からでもねらえますが、季節によって中心になる釣り場が変わるのがポイントです。
岸からはチョイ投げや投げ釣り
Hondaの釣魚図鑑では、カワハギは砂泥地を好み、4〜9月は浅場に寄るので、砂浜や堤防からのチョイ投げ釣りでねらえると紹介されています。エサはアオイソメ。投げて仕掛けを着底させたら糸ふけを巻き取り、そこからゆっくりと引きずるように誘います。カワハギはエサ取り名人と呼ばれるほどエサを取るのがうまいので、道糸を常に張っておいてアタリを取るのがコツだそうです。
天秤やオモリ、針の組み合わせに迷うなら、ちょい投げ仕掛けの天秤・オモリ・針の目安から確認しておくと、道具をそろえやすくなりますよ。
潮通しのよい磯から投げ釣りでねらう方法もあります。同じ図鑑では、磯のカワハギは内湾や堤防まわりの小型より20センチ以上の良型がそろいやすいとされ、根掛かりを避けるために浮き上がりの早い発泡シンカーを使うのがキモだと紹介されています。
船では胴突仕掛けとアサリが定番
船からねらう沖釣りでは、Hondaの釣魚図鑑によると、3本バリ前後の胴突仕掛けにアサリのエサでねらうことが多いとされています。オモリを上下に動かす誘い釣り、オモリを底につけたまま中オモリを動かすタタキ釣り、仕掛けをたるませるタルマセ釣り、海底に這わせるハワセ釣りなど、いろいろなテクニックを使い分けるゲーム性が魅力です。
カワハギは小さな口でエサをかじり取るので、針は小ぶりなものが合わせやすいといわれます。船宿や釣具店の指定があればそれに従うのが確実です。針の種類と号数の考え方は魚種と餌に合う釣り針の号数と形状の目安にまとめているので、仕掛けを自作するときの参考にしてみてください。
なお、釣り場によっては釣りが禁止されている堤防もあります。立入禁止の看板やフェンスのある場所には入らず、ゴミは必ず持ち帰りましょう。
船のカワハギ釣りで使う胴突仕掛けは、完成品として売られているものもあります。針の号数や本数は船宿の指定に合わせて選び、価格や在庫は購入前に各ショップで確認してください。
ウマヅラハギの釣り方:群れとエビエサ
ウマヅラハギは、カワハギを専門にねらっている船やマダイ釣りの船で、思わぬ外道として釣れることが多い魚です。Hondaの釣魚図鑑でも、沖釣りでカワハギやマダイの外道として釣れることが多く、地域によっては堤防など岸からもねらえると紹介されています。
ただ、地域によってはウマヅラハギそのものが人気のターゲットになっています。ダイワのウマヅラハギ用胴突仕掛けの説明では、西日本、特に瀬戸内海や明石を中心に人気のターゲットだと紹介されています。
エサはエビが中心、針は太めを意識
エサの考え方は、カワハギと少し違います。同じダイワの製品説明では、ウマヅラハギ釣りではエビエサがメインになるとされ、大型のウマヅラハギにも対応できる太軸の針を採用しています。針の形はエビエサにもアサリのエサにも対応する丸セイゴタイプで、ウマヅラハギの堅い口を貫通させることを重視した設計だそうです。
つまり、ダイワのこの仕掛けは、エビエサを基本に、大型にも負けない太軸の針で設計されています。エサの種類や付け方の基本は、虫エサ・オキアミ・練り餌の使い分けもあわせて読むとイメージしやすいと思います。
底だけでなく中層も意識する
ウマヅラハギは、海底から中層を群れで泳ぐ魚です。カワハギのように底ばかりを探るのではなく、反応がなければ少し上のタナ(魚のいる深さ)も探ってみるといいかもしれません。
釣れる季節もカワハギとずれる
釣りに行く季節にも違いがあります。Hondaの釣魚図鑑では、カワハギは沖釣りならほぼ一年中、堤防や磯では産卵のために浅場へやってくる夏から秋がメインとされています。一方のウマヅラハギは、釣期が秋から春にかけてで、肝の大きくなる冬場が人気です。
Hondaの釣期の目安では、カワハギは堤防・磯で夏〜秋、ウマヅラハギは秋〜春なので、この季節の分担をイメージしておくと計画を立てやすいですよ。ただ、富山県の研究では、ウマヅラハギは水温が11℃を下回ると深場で冬を越している可能性が示されています。これは富山湾で再捕された1個体の記録からの話で、場所によって事情は変わります。冬にねらうなら、地元の釣具店や船宿で最新の釣況を確認するのが確実です。
船で釣る場合は、船長が指示するタナと仕掛けに従うのがいちばん確実です。地域や船宿によって仕掛けの指定やエサが違うので、予約のときに確認しておくと安心ですよ。
この記事で紹介したダイワのウマヅラハギ用胴突仕掛けは、通販でも探せます。釣行先で指定の仕掛けがあることもあるので、購入前に船宿の指定と各ショップの商品情報を確認してくださいね。
カワハギは底を探る釣り、ウマヅラハギは底から中層の群れをねらう釣り。エサはカワハギがアサリやアオイソメ、ウマヅラハギがエビエサを中心に考え、仕掛けやタナは船宿の指示に合わせるのが基本です。
皮むきと肝醤油・鍋・煮付けの楽しみ方
カワハギもウマヅラハギも、さばき方はほとんど同じです。名前のとおり皮がきれいにむけるので、うろこ取りの手間がないのがうれしいところですね。ポイントは、肝をつぶさずに取り出すことと、肝以外の内臓はしっかり取り除くことの2つです。
基本の下処理の流れ
Hondaの釣魚図鑑では、カワハギの煮付け用の下処理として、次のような流れが紹介されています。
- 頭の上にある突起(とげ)をキッチンバサミで切り落とす
- 頭の下の突起にもハサミで切れ込みを入れる
- 頭の下の突起をつまんで口の方へ引っ張り、できた切り口から指を入れて全身の皮をはぐ
- 腹の中の肝以外の内臓を取り出し、水洗いする
刺身にする場合は、頭と胴を分けてから皮をめくり、肝をつぶさないように下から支えながら取り外し、胴を5枚におろす方法が紹介されています。キッチンバサミや包丁を使う作業なので、手元に気をつけて進めてくださいね。
三重県水産研究所の解説でも、内臓は肝を別にしてよく取り除き、おなかを十分に水洗いすることがコツだとされています。腸には少しにおいがあるので、きちんと取り除くことが大切です。
刺身は肝醤油で
鮮度のよい大きめのハギが手に入ったら、刺身がおすすめです。三重県水産研究所の解説では、肝を包丁でよくたたいて醤油やポン酢に入れた肝醤油を作り、薄くそぎ切りにした身をつけて食べる方法が紹介されています。フグに似た歯ごたえのある身に肝の旨味が加わるのが、この魚ならではの楽しみ方です。
鍋・煮付け・塩焼きの選び分け
刺身にするほど鮮度に自信がないときや、小さめの個体が多いときは、加熱する料理が向いています。
- 鍋:ぶつ切りにした身と肝を入れると、だしに旨味が出る
- 煮付け:皮をむいた魚をそのまま煮て、肝も一緒に味わえる
- 塩焼き:焼く直前に塩を振り、焼きすぎずに余熱で火を通す
- 干物:ウマヅラハギは皮をはいだ干物にも使われる
三重県水産研究所の解説では、ハギ類はクセのない身で鍋、煮付け、フライなどどんな調理にも向くとされています。塩焼きは意外に試す人が少ない食べ方として紹介されていて、火が通るか通らないかのぎりぎりで焼くのをやめ、余熱で火を通すとみずみずしく仕上がるそうです。
カワハギは高価なので刺身や薄造りで、手ごろなウマヅラハギは鍋や煮付けでたっぷり、といった使い分けをするのも一つの方法ですね。
有毒なソウシハギとの見分けに注意

カワハギやウマヅラハギを釣ったり拾ったりしたときに、必ず知っておいてほしいのがソウシハギの存在です。ソウシハギは同じカワハギ科の魚ですが、内臓にパリトキシンという強い毒を持つことがあるため、食べてはいけない魚です。
厚生労働省の自然毒のリスクプロファイルでは、ヒトの中毒事例はないものの、カワハギ科ウスバハギ属のソウシハギも消化管や内臓にパリトキシンを持ち、これによる家畜の死亡例があるとされています(出典:厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:魚類:パリトキシン様毒」)。ソウシハギによるヒトの中毒が確認されていないのは安全という意味ではありません。同じページでは、パリトキシン様毒による中毒がアオブダイやハコフグなどを原因に1953年〜2012年に少なくとも39件発生し、患者121名のうち7名が死亡したとされています。
ソウシハギの見分け方
香川県の水産試験場の資料では、ソウシハギはウマヅラハギに形が似ているものの、ややスマートで尾びれが長いこと、体の表面に黒い点と青い虫食いのような模様があることが特徴とされています。最大で体長60センチにまで成長するそうです。
福井県の資料でも、ウマヅラハギやウスバハギに似ているが、体に青い波状の模様と斑点があること、尾びれが長く大きいことで見分けられると説明されています。石川県も、体全体に青いまだら模様があり、尾びれが大きく長いことを見分けのポイントとして挙げています。
香川県の資料によると、パリトキシンを摂取すると12〜24時間後に激しい筋肉痛、呼吸困難、黒褐色の排尿などの中毒症状が起こり、重篤な場合には死亡することもあります。パリトキシンは加熱しても分解されず、効果的な治療法はないとされています。見分けに少しでも迷うハギは、食べたり人にあげたりしないでください。
温かい海の魚が北でも見つかっている
ソウシハギは暖かい海の魚ですが、福井県の資料では、海水温の上昇によって本州近海への来遊が増えていて、福井県沖でも漁獲されていると注意を呼びかけています。香川県や石川県でも漁獲の報告があり、自治体は食べたり販売したりしないよう呼びかけています。
釣りの現場では、見慣れない模様のハギが釣れたら、まず写真を撮って逃がすか、持ち帰る前に船長や釣具店の人に確認するのが安心です。正確な情報は各自治体や厚生労働省の公式サイトをご確認ください。体調に異変を感じたときは、すぐに医療機関を受診してくださいね。
カワハギとウマヅラハギについてよくある質問
カワハギとウマヅラハギの「ハゲ」という呼び名は、どちらのことですか?
Hondaの釣魚図鑑では、カワハギの別名としてハゲなどが挙げられています。ただ、呼び名は地域や人によって違うことがあります。お店や船宿で話すときは、正式な名前で確認するとすれ違いが起きにくいですよ。
ウスバハギはカワハギやウマヅラハギとどう違いますか?
ウスバハギも同じカワハギ科の魚ですが、属はウスバハギ属で、Hondaの釣魚図鑑では最大で75センチ前後になるとされています。体は扁平で薄っぺらく、目の上に細長いとげがあるのが特徴です。白身と脂肪分の多い肝が食べられ、薄造りや煮物、空揚げ、干物などに使われます。毒を持つソウシハギとは同じ属の仲間なので、見分けに迷うときは食べないようにしましょう。
冷凍したカワハギやウマヅラハギも刺身で食べられますか?
刺身は、鮮度のよいものを選ぶのが基本です。徳島県の報告では、分析用に冷凍保管した養殖のカワハギとウマヅラハギ(各1個体)が臭くて生では食べられなかった例が紹介されています。家庭の冷凍とは条件が違うので参考程度に。冷凍したものは鍋や煮付けなど加熱する料理に回すほうが、おいしく食べやすいかなと思います。
まとめ:カワハギとウマヅラハギの違いと選び方
カワハギとウマヅラハギは、同じカワハギ科の仲間ですが、見分けるポイントははっきりしています。体高のあるひし形で茶色〜黄色っぽい尾びれならカワハギ、顔が長い面長の体で青緑っぽいひれならウマヅラハギ。皮をむいたムキハギでも、体の高さとひれの色で見当をつけられます。
暮らし方にも違いがあり、カワハギは海底近くで小さな群れをつくり、ウマヅラハギは底から中層を大きな群れで泳ぎます。旬はどちらも肝が大きくなる冬場が人気で、カワハギは夏の身もおいしいとされています。値段は本ハギと呼ばれるカワハギが高く、ウマヅラハギは手ごろに楽しめる魚です。
- 見分けは体の形、ひれの色の順に確認する
- カワハギは底をアサリで、ウマヅラハギはエビエサで群れをねらう
- 刺身は肝醤油で、手ごろなウマヅラハギは鍋や煮付けにも
- 青い虫食い模様で尾びれの長いハギはソウシハギを疑い、食べない
この記事で紹介した大きさや時期、値段の傾向は、資料をもとにした一般的な目安です。地域や季節、個体によって変わるので、正確な情報は公式サイトや船宿・釣具店の最新情報をご確認ください。毒魚かどうか判断に迷うときや体調に不安があるときは、最終的な判断は専門家や医療機関にご相談くださいね。
違いを知っておくと、釣れたハギや売り場のハギを見る目がぐっと変わります。ぜひ、それぞれの魅力を味わってみてください。
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