都市部でも天体観測はできる?街中で見える天体と楽しみ方

FreeLife Design 運営者 ケイ

こんにちは。FreeLife Design、運営者の「ケイ」です。

「都会に住んでいると、星なんてほとんど見えないよね」と感じている方は多いかもしれません。

夜に空を見上げても、ぼんやり明るいだけで星がまばら、という印象を持つのも無理はないですよね。

ただ、東京都三鷹市にある国立天文台の三鷹キャンパスで開かれている定例観望会でも、観望する天体は「明るい東京の夜空でも観望しやすい月、惑星、二重星など」を中心に選ばれているんです。

つまり、都会の空でも、狙う天体を選べば天体観測は十分に楽しめるということ。

遠くの暗い場所まで出かけなくても、駅からの帰り道や近所の公園、自宅のまわりで見上げて楽しめる天体は意外とあります。

この記事では、都会に住んでいる方が遠征せずに、街の中で何をどう楽しめるのか、その全体像をまとめてみました。

見える天体の選び方から、場所と時間の工夫、最初にそろえたい道具まで、順番に見ていきましょう。

この記事で理解できること

  • 都会で星が少なく見える理由と、街中でも見える天体
  • 月・惑星・明るい星・ISSを都市部で楽しむコツ
  • 街の明かりをよけて見る場所と時間の選び方
  • 双眼鏡・アプリ・観望会を使った無理のない始め方
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都市部でも天体観測はできる

結論から言うと、都市部でも天体観測はできますよ。

ただし、郊外の暗い空と同じものを見ようとすると、がっかりしやすいのも事実です。

大事なのは、都会の空で見やすい天体と見えにくい天体を知って、見やすいほうから狙うこと。

道具の選び方や基本の流れをひととおり知りたい方は、初心者向けの天体観測の始め方もあわせて読んでみてください。

ここでは、まず都会の空の特徴と、街中で見える天体の全体像を整理していきます。

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都会で星が少なく見える理由

街灯の光が夜空を明るくするスカイグローと、まぶしい街灯で見る力が下がるグレアを写真で並べ、空の明るさに暗い星が埋もれていると説明したスライド
都会で星が少なく見える理由(スカイグローとグレア)

都会で星が少なく見えるのは、星そのものが消えているからではありません。

空そのものが明るくなって、暗い星がその明るさに埋もれてしまっているんです。

環境省の「光害対策ガイドライン」(令和3年3月改訂版)では、照明から上へ漏れた光が大気中で散乱して夜空が明るくなることを「スカイグロー」と呼んでいます。

このスカイグローが大きくなると、星が見えにくくなると説明されています。

都会の夜空がなんとなく白っぽく、ぼんやり明るく感じられるのは、このスカイグローの影響と考えられますね。

もうひとつのポイントが「グレア」。

同じガイドラインでは、視野の中に極端に明るい部分があると、見る能力が下がったり、まぶしさを感じたりすることをグレアとして説明しています。

駅前の看板や街灯、コンビニの明かりが目に入る場所で空を見上げると星が見えにくく感じるのは、このためでしょう。

国立天文台の流星群の観察案内でも、ほとんどの天体の光は街灯の明かりなどに比べるととても弱く、人工の明かりが多いとその明るさに邪魔されて暗いものが見づらくなると書かれています。

さらに、明るい月が出ていると、その明るさに隠されて暗いものが見えなくなるとも案内されています。

満月に近い月ほど明るく、夜に出ている時間も長いので、街の明るさと月明かりが重なる夜は、暗い星を見るのはかなり厳しくなるかもしれません。

逆に言えば、もともと明るい天体は、こうした条件の中でも埋もれずに見えるということ。

月や明るい惑星、1等星などが都会でも楽しめるのは、まさにこの理由からです。

ちなみに、空の明るさを和らげる道具として「光害フィルター」というものもあります。

ただ、これはあくまで補助的な道具で、都会の明るい空を郊外のような暗い空に変えてくれるものではないんですよね。

どんな場面で役に立つのかは光害フィルターの効果と選び方で整理しているので、気になる方はのぞいてみてください。

まずは「都会の空は明るいので、明るい天体を選ぶ」という考え方を持っておくと、天体観測がぐっと気楽になりますよ。

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街中でも見える天体と見えにくい天体

月・明るい惑星と1等星・ISS・天の川や淡い星雲について、都会での見えやすさの目安とおすすめの見方をまとめた表のスライド
街中で見える天体とおすすめの見方

都市部でも見える天体は、ひとことで言えば「明るい天体」です。

月、明るい惑星、1等星などの明るい星、明るい星をつないだ星座の形、明るい二重星あたりは、街中でも楽しみやすい代表ですね。

すばるのような明るい星団も、双眼鏡を使うと見やすくなることがあります。

一方で、天の川や淡い星雲・星団、暗い星は、都会の空ではかなり見えにくいでしょう。

写真や図鑑で見るような天の川を街中で見ようとすると、どうしても期待とのギャップが大きくなってしまいます。

なので、都会では「見えないもの」を数えるより「見えるもの」から楽しむほうが、長く続けやすいかなと思います。

下の表は、都市部での見えやすさとおすすめの見方を、天体の種類ごとにまとめたものです。

あくまで一般的な目安で、場所の明るさ・方角・月明かり・天気によって見え方は変わるので、参考程度に見てください。

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天体の種類 都市部での見えやすさ(目安) おすすめの見方 楽しむポイント
月 とても見えやすい 肉眼・双眼鏡・望遠鏡のどれでも楽しめる 満ち欠けの変化、欠け際の凹凸、海の模様
明るい惑星(金星・木星・土星・火星) 見えやすい(見える時期は惑星ごとに変わる) 肉眼で探し、望遠鏡で形を見る またたきにくい光、木星の縞模様や土星の環
1等星などの明るい星 見えやすい 肉眼・双眼鏡 星座の形をたどる、星の色の違いを見比べる
二重星 明るいものなら楽しみやすい 望遠鏡 1つに見える星が2つに分かれる、色の対比
すばる(プレアデス星団)などの明るい星団 肉眼だと分かりにくいことが多い 双眼鏡 小さな星の集まりを視野の中で眺める
ISS(国際宇宙ステーション) 条件が合えば見えやすい 肉眼 空をすーっと移動していく光の点
天の川・淡い星雲や星団 見えにくい 都市部では難しい 慣れてきたら郊外の暗い空で

表の中で「見えやすい」とした天体でも、建物に隠れる低い空や、雲・かすみの多い夜は見えないことがあります。

また、雨上がりや風の強い日のあとなど、空気が澄んだ夜は星が見やすくなることもあるんです。

反対に、湿気やかすみが多い夜は空が白っぽくなりやすいので、同じ場所でも日によって見え方に差が出ます。

「今日はいつもより星が多いかも」と感じる夜があるのも、都会の天体観測のおもしろさのひとつ。

次の章から、表の上のほうにある天体を中心に、街中での楽しみ方をひとつずつ見ていきましょう。

街中で見える天体の楽しみ方

欠け際にクレーターの凹凸が見える半月の写真と、ビルの横に明るく光る惑星の写真を並べ、見える時期の確かめ方を添えたスライド
都会で楽しむ月と惑星

ここからは、都市部でも楽しみやすい天体を4つのグループに分けて紹介します。

月、惑星、明るい星と二重星・すばる、そしてISSです。

どれも都会の明るい空の中で比較的見つけやすく、わざわざ遠征しなくても楽しめる天体ばかり。

肉眼で見つけやすいものから、双眼鏡や望遠鏡があるとさらに楽しめるものまで、見方もあわせて紹介します。

細かい観察法は個別の記事にゆずって、ここでは「街中でどう楽しむか」に絞ってお話ししますね。

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月は都会でいちばん楽しめる天体

都会でいちばん楽しめる天体は、やっぱり月です。

月はとても明るいので、街灯の多い住宅地や駅前でも、空に出ていればすぐに見つけられます。

街の明るさの影響をあまり気にせず楽しめる、ありがたい存在ですね。

月の楽しさは、毎日見え方が変わるところにあります。

国立天文台の暦計算室によると、月の出・月の入りは毎日だんだん遅くなっていき、そのペースは一定ではないそうです。

新月の頃は夜に月が無く、上弦の頃は昼に昇って真夜中に沈むので、夕方の空に見えます。

満月の頃は夕方に昇って翌朝に沈み、下弦の頃は真夜中に昇る、という流れ。

仕事帰りの夕方から夜に見やすいのは、新月のあと上弦を過ぎて満月に向かう頃、と考えるとイメージしやすいでしょう。

なお、日の入り前のまだ明るい空で双眼鏡や望遠鏡を使うときは、太陽に向けないよう気をつけてください。

形の変化に加えて、欠け際(明るいところと暗いところの境目)に注目するのもおすすめですよ。

一般的に、欠け際は影が長く伸びるので、クレーターや山の凹凸が立体的に見えやすいと言われています。

満月はいちばん明るい反面、影ができにくいので、のっぺりした印象になりやすいかもしれません。

双眼鏡があれば、大まかなクレーターや「海」と呼ばれる暗い模様も分かります。

望遠鏡ならさらに細かいところまで見られますが、まずは肉眼と双眼鏡でも十分に楽しめますね。

スマホで月を撮って記録しておくと、日ごとの満ち欠けの変化を見比べる楽しみも広がります。

「月は明るすぎて、天体観測っぽくない」と感じる方もいるかもしれません。

でも、都会の空でこれほど安定して見られる天体はほかに少なく、入り口としてはぴったりなんです。

見る時間帯や道具ごとの見え方は月の観察方法をまとめた記事で詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。

なお、住んでいる地域の月の出入りや月齢は、国立天文台暦計算室の「こよみの計算」で調べられます。

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惑星は明るいので街中でも見つけやすい

惑星は明るいので、都会の空でも見つけやすい天体です。

特に金星や木星はとても明るく、街中でもまわりの星より目立って見えることが多いですね。

また、惑星は恒星のようにチカチカまたたかず、落ち着いた光に見えることが多いのも特徴。

「あの明るい星、なんだろう」と思って調べたら惑星だった、ということもあるかもしれません。

ただし、どの惑星がいつ・どの方角に見えるかは、時期によって大きく変わります。

例えば2026年10月なら、国立天文台の「ほしぞら情報」によると、土星が10月4日に衝を迎え、ほぼ一晩中観察できる見頃です。

同じ10月は、火星が真夜中頃に東の空から昇り、木星は日の出前の東〜南東の空に見えるとされています。

一方で、水星と金星は太陽に近く、10月は観察が難しい時期。

10月24日には月と土星が接近するので、月を目印に土星を探してみるのも楽しいですよ。

続く2026年11月は、土星が宵の南東の空に見え、金星は日の出前の南東の空で明るさを増して、30日に最大光度(マイナス4.9等)になります(出典:国立天文台 ほしぞら情報「2026年11月の星空」)。

11月は木星も日の出前の南東〜南の空に見え、14〜17日には火星と木星が近づいて見えるそうです。

こうして見ると、宵の時間に見やすい惑星と、明け方に見やすい惑星があることが分かりますね。

夜型の方なら宵の空、早起きが得意な方なら明け方の空、と生活リズムに合わせて狙う惑星を選ぶのもひとつの方法でしょう。

見える惑星は時期で変わるので、観察する月ごとに国立天文台の「ほしぞら情報」で確かめてから空を見上げてください。

なお、惑星は明るくても、地平線近くの低い空にあると建物に隠れたり、かすみで見えにくくなったりします。

「明るいはずなのに見つからない」というときは、方角と高さをもう一度確認してみるのがおすすめです。

望遠鏡を使えば、木星の縞模様や土星の環といった、惑星ならではの姿も楽しめます。

土星の環を見るのに向いた道具や見え方のコツは、土星の輪を見る方法の記事にまとめていますよ。

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明るい星と二重星・すばるを楽しむ

都会でも、1等星などの明るい星はきちんと見えます。

星の数が少ない都会の空では、かえって明るい星だけが目立つので、星座の骨組みが分かりやすいという見方もできるかもしれません。

まずは明るい星を見つけて、そこから星座の形を少しずつたどっていくのが、街中での星座さがしのコツですね。

星座をたどる順番や目印になる星の探し方は、星座の見つけ方を解説した記事が参考になると思います。

明るい星を見比べると、赤っぽい星や青白い星など、星によって色が違うことにも気づくはず。

一般的に、星の色の違いは肉眼でも分かることがあり、双眼鏡を使うとさらに見比べやすくなると言われています。

星の色に注目するだけで、同じ明るい星でも眺める楽しさがぐっと増しますよ。

次に、都会で意外と楽しめるのが二重星です。

二重星とは、肉眼では1つに見える星が、望遠鏡で見ると2つに分かれて見えるもののこと。

明るい星どうしの二重星なら、都会の明るい空でも楽しみやすいんです。

国立天文台三鷹キャンパスの定例観望会でも、月や惑星と並んで、二重星が観望天体の中心のひとつになっています。

よく知られた例としては、はくちょう座のくちばしにあたるアルビレオがあり、色の違う2つの星が並んで見えることで人気です。

北斗七星のミザールも有名で、すぐ近くのアルコルとの組は、空の条件が良ければ肉眼でも見分けられるといわれています。

そして、秋から冬の夜に東の空に昇ってくるのが、おうし座のすばる(プレアデス星団)。

都会では肉眼だと数個の星しか分からないことが多いのですが、双眼鏡で見ると星が集まっている様子が分かりやすくなります。

ちなみに、秋の夜空は全体的に明るい星が少なめと言われることが多い季節です。

星の少なさを都会のせいだけと思わず、季節によって明るい星の数にも違いがあると知っておくと、がっかりしにくいかなと思います。

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ISSは都会の空でも見える

ISS(国際宇宙ステーション)は、都会の空でも肉眼で見つけやすい天体のひとつです。

JAXAのよくある質問によると、ISSはサッカー場くらいの大きさがあり、条件が良いときには木星並み(マイナス2等級)の明るさで見えるそうです。

条件が良い日なら、街の明かりがある空でも見つけやすいですよ。

ただし、ISSはいつでも見られるわけではありません。

見えるのは、自分のいる場所はもう夜なのに、上空を通るISSにはまだ太陽の光が当たっているときです。

もちろん、空が晴れていて、ISSが自分の上空付近を通ることも前提になります。

ISSは自分で光っているのではなく、太陽の光を反射して輝いているんです。

そのため、日の入り後や日の出前の時間帯に見えることが多いとされています。

見つけるには、まず予報サイトで日時と方角を調べてから外に出るのが近道でしょう。

JAXAの支援のもとKIBO宇宙放送局が運営している「#きぼうを見よう」では、住んでいる地域で直近に見える日時と方角を調べられます。

見るときは、双眼鏡や望遠鏡よりも、まず肉眼で探すのがおすすめ。

双眼鏡や望遠鏡は視野が狭く、空を動いていくISSを追いかけるのが難しいからです。

ISSは、点滅せずに空をすーっと移動していく光の点として見えることが多いですよ。

予報の時刻と方角に、点滅しない明るい光の点が動いていくのが見えたら、それがISSかもしれません。

予報で方角を確認したら、少し早めに外に出て、目を暗さに慣らしながら待っておくと慌てずに済みますよ。

ビルの多い街中では、予報の方角に高い建物があると見えにくくなるので、その方角の空が開けている場所を選んでおくのもポイントです。

見えたら、どの方角からどの方角へ動いていったかを覚えておくと、次に探すときの手がかりになります。

駅からの帰り道や、ベランダから少し空を見上げるだけで楽しめるので、忙しい方にも向いている天体ですね。

「今、あの中に人がいるんだ」と思いながら眺めると、ほかの天体とはまた違った特別な気分を味わえますよ。

都市部で見る場所と時間の選び方

夜の街で空を見上げる人の写真に、明かりを視界から外す・高い空を見る・目を慣らす工夫を添え、ベランダ・公園・河川敷のメリットと注意点を表にしたスライド
街中での場所選びと時間の工夫

都会では、郊外のような「暗い場所」を探すより、「明かりが目に直接入らない場所」と「空が広く見える場所」を選ぶほうが現実的です。

国立天文台の流星群の観察案内でも、できるだけ街灯など人工の明かりが少ない場所、空が広く見渡せる場所を選ぶようにすすめています。

時間は、日の入り直後はまだ空が明るい薄明の時間なので、天文薄明の終わり以降がひとつの目安になります。

月明かりは、月や惑星を見るならあまり気にしなくて大丈夫ですが、暗めの星を見たい日は月が出ていない時間を選んでください。

ここでは、街中で見るときの場所選びの考え方と、公園や河川敷で見るときの注意点を整理していきますね。

まずは、都会でよく候補になる場所ごとの傾向を、表にまとめてみました。

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場所の例 見やすさの傾向 気をつけること
自宅のベランダ 見える方角は限られるが、思い立ったらすぐ見られる 手すりのまわりの安全、室内の明かり、近所への配慮
近所の公園 空が広く見えやすいが、街灯が近いこともある 開園時間や利用ルール、足元の暗さ、防犯
河川敷や広場 建物が少なく、空が広く見渡しやすい傾向 水辺や段差、川の増水、立入禁止の場所や時間
建物の屋上 高さがあり周囲の建物に隠れにくいことがある 多くは立入禁止で、建物の管理者の許可なく立ち入らない

どの場所も、あくまで「そういう傾向がある」という目安で、実際の見え方は周囲の明かりや建物の配置によって変わります。

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街の明かりを視界から外せる場所を探す

街中で星を見るときにいちばん効くのは、街の明かりを視界から外せる場所に立つことです。

前に触れたグレアのように、視野に明るい光が入ると見る能力が下がるので、空そのものの暗さと同じくらい「目に光を入れないこと」が大切なんですね。

街灯や看板、自動販売機の明かりを、建物の陰や自分の体で隠せる位置に立つだけでも、見え方が変わることがあります。

明かりを背にして、明かりのない方向の空を見上げるのも手軽な工夫でしょう。

見上げる高さも意識してみてください。

一般的に、地平線に近い低い空ほど街明かりやかすみの影響を受けやすく、建物にも隠れやすいと言われています。

高い空のほうが比較的見やすいので、まずは頭の上に近いあたりを狙うのがおすすめ。

また、街の中心の方角の空は明るく、反対側の空は比較的暗いことが多いので、方角を変えて見比べてみるのもいいですよ。

街中で見る場所を決めるときは、次のような順番で考えると迷いにくいと思います。

  1. 街灯や看板などの明かりが直接目に入らない位置を探す
  2. 明かりを背にして、見たい方角の空が広く見えるかを確かめる
  3. 低い空より、頭の上に近い高い空を中心に見上げる
  4. スマホの画面を見ずに、しばらく目を暗さに慣らす

目を暗さに慣らすことも、意外と見落としがちなポイントです。

国立天文台の流星群の観察案内では、明るい屋内から屋外に出てすぐは目が暗さに慣れていないので、目が慣れるまでしばらく、15分ぐらい待つことも必要と書かれています。

流星群向けの案内ではありますが、星空全般を見るときにも通じる考え方ですね。

その間にスマホの明るい画面を見てしまうと、せっかく慣れてきた目がまた明るさに引き戻されやすくなります。

スマホを使うときは画面の明るさを下げ、手元を照らすなら赤いライトを使うなど、目に入る光をできるだけ弱くしてみてください。

自宅のベランダで見る場合も、室内の明かりを消したり、カーテンを閉めて部屋の光が漏れないようにしたりするだけで、見え方が変わることがあります。

窓ガラス越しだと反射や室内の明かりの映り込みで見えにくくなりやすいので、基本は外に出て見るのがおすすめ。

ベランダでは、手すりのまわりの安全や近所への配慮も大切にしてくださいね。

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公園や河川敷で見るときの注意

公園や河川敷は空が広く見えやすい一方で、夜ならではの注意点がいくつかあります。

まず確認したいのが、その場所を夜に利用してよいかどうかです。

公園の中には夜間に閉まるところや、時間帯や場所によって立ち入れないところもあります。

利用できる時間やルールは場所ごとに違うので、各施設や自治体のルールを確認してから出かけてください。

次に気をつけたいのが、足元の安全。

夜の公園や河川敷は足元が暗く、段差や水辺が思った以上に危ないことがあります。

星を見上げながら歩くと足元への注意がおろそかになりやすいので、移動するときは空を見ずに足元を照らして歩くのが安心でしょう。

夜の公園・河川敷で気をつけたいこと

夜間に閉まる公園や、立入禁止の時間・場所がないか、各施設や自治体のルールを事前に確認してください。

河川敷では、雨のあとなどの川の増水に注意し、水辺や段差には近づきすぎないようにしましょう。

できればひとりより家族や友人と出かけ、行き先と帰る時間を家族に伝えておくと安心です。

人通りの少ない暗い場所では、防犯にも気を配ってください。

まわりの人への気配りも、夜の観察では大事なマナーです。

三脚や椅子を通り道に置かないようにすると、散歩やジョギングをしている人とのトラブルを避けやすくなります。

ライトを人に向けないことや、住宅地の近くでは話し声の大きさに気をつけることも意識したいところ。

季節ごとの準備もしておきましょう。

夏の夜は虫が多いので、虫よけや肌を出しすぎない服装があると快適に過ごせます。

冬の夜はじっと立っているだけでも体が冷えやすいため、思っているより一枚多く着ていくくらいがちょうどいいかもしれません。

安全とマナーを押さえておけば、公園や河川敷は都会でも空を広く楽しめる心強い場所になりますよ。

夜の公園や河川敷へ出かけるなら、足元を照らす明かりは赤色に切り替えられるLEDライトにしておくと、暗さに慣れた目を守りやすく、まわりの人にもまぶしさを届けにくいですよ。

赤色の明るさや電池の種類、価格は製品によって違うので、購入前に各ショップで確かめてみてくださいね。

都市部の天体観測は双眼鏡とアプリから

都市部で天体観測を始めるなら、最初は肉眼と星座アプリ、次に双眼鏡、という順番がおすすめです。

いきなり望遠鏡を買わなくても、月や明るい星、惑星は十分に楽しめます。

都会では「持ち運びやすさ」と「すぐに出せる気軽さ」が、続けるためのいちばんのコツと言えるかもしれません。

ここでは、肉眼から双眼鏡、望遠鏡へと少しずつ広げていく流れを紹介しますね。

まず最初の一歩は、肉眼で空を見上げて、星座アプリで天体の名前や方角を確かめることです。

星座アプリには、スマホを空にかざすだけでそちらの方向にある天体の名前が分かるタイプがあり、方角や高さの確認にとても便利なんです。

「あの明るい星は何だろう」と思ったときにすぐ調べられるので、都会で見える少ない星をひとつずつ覚えていくのにも向いていますね。

アプリを使うときは、画面の明るさを下げたり、夜間モード(赤い表示)に切り替えたりして、目が暗さに慣れた状態を崩さないようにしましょう。

無料と有料でできることの違いや選び方は、天体観測アプリの無料と有料の比較記事で紹介しています。

アプリで空に慣れてきたら、次は双眼鏡を試してみるのがいいと思います。

双眼鏡は手軽で、月のクレーターの大まかな様子や星の色、すばるのような明るい星団などを楽しめる道具です。

惑星についても、まわりの星と比べた明るさの違いを見るといった楽しみ方ができます。

何より、軽くてかばんに入れやすいので、都会でも持ち出しやすいのが大きな魅力。

仕事帰りに少し公園へ寄って月を見る、ベランダからさっと星の色を見比べる、といった使い方にぴったりですね。

季節ごとに双眼鏡で見たいものを決めておくのも楽しい方法で、秋から冬の夜ならすばる、夕方に月が出ている時期なら月の欠け際、という具合に選べます。

月が出ている夜は月、出ていない夜は明るい星の色、というように、その日の空に合わせて見るものを変えられるのも双眼鏡の気軽さです。

倍率や口径の目安など、天体観測に向いた双眼鏡の選び方は天体観測向け双眼鏡の選び方の記事で詳しくまとめています。

◆ケイのワンポイントアドバイス

都会の天体観測は、「見たいと思ったときにすぐ見られる」ことがいちばんの強みなので、道具は大きさより出しやすさで選ぶと長続きしやすいですよ。

望遠鏡は、双眼鏡やアプリで「もっと近くで見たい」と感じてからでも遅くありません。

望遠鏡を使う場合も、都会ではまず月と惑星から始めるのがおすすめです。

月の欠け際の凹凸や、木星の縞模様、土星の環などは、都会の明るい空でも狙いやすい対象だからです。

一般的に、倍率は高ければよく見えるというものではなく、像が安定して見えることのほうが大切と言われています。

無理に高い倍率にせず、落ち着いて見られる倍率から試してみてください。

最近は、自動で天体を導入して撮影までしてくれる「スマート望遠鏡」と呼ばれるタイプも登場しています。

ただ、どの道具を選ぶにしても、ベランダや近所へ気軽に持ち出せるかどうかは、都会で続けるうえで見ておきたいポイントですね。

大きくて重い機材は、出し入れが面倒になって使わなくなってしまうこともあるかもしれません。

肉眼とアプリで空に慣れ、双眼鏡で楽しみを広げ、望遠鏡はその先に、というくらいの気持ちで始めると、無理なく天体観測を続けられると思います。

これから双眼鏡をそろえるなら、手で持って使いやすく持ち出しやすい、倍率7〜10倍あたりの天体観察向けモデルから比べてみるのがおすすめです。

倍率や口径、重さ、価格は製品ごとに違うので、手に持ったときの扱いやすさも含めて購入前に各ショップで確認してください。

観望会で大きな望遠鏡をのぞいてみる

自分で望遠鏡を買う前に、観望会で大きな望遠鏡をのぞいてみるのもおすすめの方法です。

都市部には、公開天文台や科学館、プラネタリウムなどで観望会を開いているところがあります。

大きな望遠鏡で月のクレーターや土星の環を見ると、都会の空でもここまで見えるのか、という発見があるかもしれません。

その一例が、東京都三鷹市にある国立天文台三鷹キャンパスの定例観望会です。

三鷹キャンパスに設置された口径50センチの公開望遠鏡を使って、一般市民のための定例観望会が1996年から開かれています(出典:国立天文台三鷹キャンパス定例観望会「定例観望会について」)。

定員制で事前の申し込みが必要になっていて、開催の頻度や日程は年度によって変わるため、最新の予定は公式サイトで確かめてくださいね。

参加には事前の申し込みが必要です。

観望天体は、「明るい東京の夜空でも観望しやすい月、惑星、二重星などを中心に」設定されているとのこと。

50センチの公開望遠鏡では、月のクレーター、木星の縞模様やガリレオ衛星、土星の環などが見えると紹介されています。

星雲や星団が観望天体になることもあるそうですよ。

雨天や曇天でも中止にはならず、天体の解説や望遠鏡の見学などが行われるのもうれしいポイントでしょう。

ただし、台風や大雪などのときは、事前に中止が決まることがあります。

開催日や申し込み方法は変わることがあるので、最新の日程と申し込み方法は公式サイトで確認してください。

観望会の日程や申し込み方法、天候が悪いときの扱いは、施設ごとに違います。

参加したい観望会が見つかったら、各施設の公式サイトで最新の情報を確認してから出かけてください。

観望会のよいところは、大きな望遠鏡の見え方を体験できるだけでなく、天体の解説を聞きながら見られること。

どの天体がどう見えるのかを一度体験しておくと、自分で双眼鏡や望遠鏡を選ぶときの参考にもなります。

「自分にはどのくらいの道具が合うのか分からない」という方こそ、まずは観望会に足を運んでみるのもいいかもしれませんね。

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都市部の天体観測に関するよくある質問(FAQ)

東京のような都会でも天の川は見えますか?

一般的には、東京のような都会の空で天の川を見るのは難しいと考えられています。

天の川は淡い光なので、街の明かりで明るくなった空に埋もれてしまいやすいからです。

天の川を見たい場合は、人工の明かりが少ない暗い場所へ出かけるのが現実的でしょう。

都会で星がよく見える時間帯はいつですか?

日の入り直後はまだ空が明るいので、天文薄明の終わり以降がひとつの目安です。

暗めの星を見たい日は、月が出ていない時間を選ぶと見やすくなります。

天文薄明の終わりや月の出入りの時刻は、国立天文台暦計算室の「こよみの計算」で調べられますよ。

街中で星を見るのに望遠鏡は必要ですか?

最初は望遠鏡がなくても大丈夫です。

月や明るい星、惑星、ISSは肉眼でも楽しめますし、双眼鏡があれば月のクレーターの大まかな様子やすばるなども見やすくなります。

土星の環や二重星をくっきり見たくなったら、望遠鏡や観望会を検討してみてください。

光害フィルターを使えば都会でも星が増えて見えますか?

光害フィルターはあくまで補助的な道具で、都会の明るい空を暗い空に変えてくれるものではありません。

まずは明かりを視界から外せる場所を選ぶ、高い空を狙うといった工夫から始めるのがおすすめです。

都会の空では、フィルターに頼るより、明るい月や惑星を狙うほうが手軽に楽しめるかなと思います。

マンションのベランダからでも楽しめますか?

見える方角は限られますが、月や明るい惑星、ISSなどはベランダからでも楽しめることがあります。

室内の明かりを消す、窓ガラス越しではなく外に出て見る、といった工夫だけでも、見え方はけっこう変わるかもしれません。

手すりのまわりの安全や、近所への配慮も忘れないようにしてくださいね。

まとめ|都市部の天体観測は月と惑星から

都会に住んでいても、狙う天体を選べば天体観測は十分に楽しめます。

空が明るい都市部では、暗い星や天の川を探すより、明るい天体から始めるのが近道です。

最後に、この記事のポイントを整理しておきますね。

  • 都会で星が少なく見えるのは、空が明るくなって暗い星が埋もれてしまうから
  • 月・明るい惑星・1等星などの明るい星・明るい二重星・ISSは都会でも楽しみやすい
  • 見える惑星は時期で変わるので、国立天文台「ほしぞら情報」で確かめる
  • 明かりが目に入らない場所に立ち、高い空を狙い、15分ぐらい目を慣らす
  • 公園や河川敷は、利用ルールと夜の足元・防犯に気をつける
  • 道具は肉眼と星座アプリから始めて、双眼鏡、望遠鏡へと少しずつ広げる
  • 観望会で大きな望遠鏡をのぞいてみるのもひとつの方法

まずは今夜、月が出ていれば月を、出ていなければ明るい惑星や1等星を探して見上げてみてください。

「都会でもこんなに楽しめるんだ」という小さな発見が、天体観測を続けるきっかけになると思います。

なお、紹介した数値や見え方はあくまで一般的な目安で、場所や天気によって変わります。

天体の見える時期や時刻など、正確な情報は国立天文台などの公式の情報をご確認ください。

公園や施設を利用するときはそれぞれのルールを確認し、夜間の安全にも気を配りながら、ご自身の判断で楽しんでくださいね。

街中の空に慣れてきたら、いつか郊外の暗い空へ出かけて、都会との違いを味わってみるのもいいかもしれません。

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