ラテアートのチューリップの描き方|ハートを重ねる手順と失敗の直し方

FreeLife Design 運営者 ケイ

こんにちは。FreeLife Design、運営者の「ケイ」です。

ラテアートでハートが描けるようになると、次に挑戦したくなるのがチューリップですよね。ハートが何枚か重なった形はかわいらしくて、カフェで見かけると“自分でも描いてみたい”と思う方も多いかなと思います。

ただ、ラテアートのチューリップは、何枚重ねるのか、どこから注ぎ始めるのか、押し込むのか止めるのか、と手順が分かりにくいところもあります。2段・3段のチューリップがうまく重ならない、奥の壁に当たってにじむ、形が左右対称にならないといった失敗に悩んでいる方もいるかもしれません。初心者でも分かる描き方のコツや、ミルクの泡立て方、ピッチャーの選び方も気になるところです。

この記事では、バリスタによる解説や、コーヒーの卸・バリスタ教室を手がける事業者の公開資料、エスプレッソマシンのメーカーの案内をもとに、ラテアートのチューリップの描き方を順番に整理しました。ハートとチューリップの手順を並べて比べた表と、よくある失敗から原因と直し方を選ぶ表もつけています。

チューリップは、新しい技術を覚えるというより、ハートの動きを少し変えて重ねていく模様です。ハートの手順をおさらいしながら読み進めてみてくださいね。

  • ラテアートのチューリップがハートを重ねて描く模様である理由
  • 描く前に整えたいミルクの泡・温度とエスプレッソの準備
  • 1枚目から最後のハートまで、チューリップを重ねる手順
  • ハートとの手順の違いと、よくある失敗の直し方
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ラテアートのチューリップはハートを重ねて描く

最初の章では、ラテアートのチューリップを描く前に知っておきたい考え方と準備をまとめます。結論から言うと、チューリップはハートを描く動作を途中で止めて、一枚ずつ重ねていく模様です。コーヒーの卸やバリスタ教室を手がけるELEPHANT COFFEEは、チューリップは複数のハートを重ねて作るデザインで、ハートが描けるようになった人が次に挑戦するのに最適だと紹介しています。そのため、ハートが安定していることが、きれいなチューリップへの近道になります。この章では、チューリップがどんな模様なのかを確認したうえで、ミルクの泡と温度、エスプレッソとクレマ、ピッチャーとカップの持ち方、注ぎ始めの土台づくりまで、描く前の準備を順番に見ていきます。準備がそろっていないと、どんなに手順どおりに注いでも模様が浮かびにくいので、ここは丁寧に確認しておきましょう。

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チューリップはハートを途中で止めて重ねる模様

ハートを1枚・2枚・3枚と重ねてチューリップになる流れの図
チューリップはハートを途中で止めて重ねる模様

ラテアートのチューリップは、ハートを途中で止めながら何枚か重ねて作る模様です。

ELEPHANT COFFEEの解説では、チューリップはラテアートの中でも最も人気のあるデザインのひとつで、見た目は複雑に見えても、実際にはハートを複数回重ねて作るデザインだと紹介されていました(出典:ELEPHANT COFFEE「Tulip」)。チューリップで大切なのは難しい技術ではなく、ハートを描く動作を途中で止めることで、一枚ずつ丁寧に積み重ねることで美しいチューリップが完成する、とも書かれています。

同じ解説では、レイヤーハートが連続した振りによって層を作るのに対し、チューリップは一つ一つのパーツを別々に描いて構成する点が違うと説明されていました。基本技術はハートとほぼ同じで、ハートを描いてカットスルーする動作を途中で止めるだけ。そのため、ハートが安定しているほどチューリップも安定する、ということですね。

コーヒーマシンの販売やカフェ開業の支援を手がける大一電化社のダイイチ・アカデミーでも、エスプレッソにスチームしたミルクをピッチャーから注いで、ハート、リーフ、チューリップなどを描く方法を「フリーポア」と紹介しています。フリーポアには、ハートなどの「流す系(対流系)」と、ペガサスなどの「置く系(ドローイング)」があるそうで、チューリップはカフェでよく見かける流して描く柄のひとつとして挙げられていました。

ドットを追いかけるフォローが大切

ELEPHANT COFFEEは、チューリップを描くときの基本としてフォローの大切さも挙げています。ドットが出たら、そのドットを追いかけるように前進すること。初心者によくある失敗は、ドットが出たあとにその場でミルクを溜めてしまうことだそうです。ドットが動くなら自分も一緒に動く、この感覚が大切だと書かれていました。このあと紹介する手順でも、何度も出てくるポイントです。

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描く前に整えたいミルクの泡と温度

チューリップをきれいに重ねるには、きめの細かい泡のミルクを、熱くしすぎずに用意することが大切です。

ダイイチ・アカデミーの解説では、ラテアートは、スチームで空気を含ませたフォームドミルクとエスプレッソのクレマの比重を同じにすることで、クレマの上にフォームドミルクを乗せて描いていく、と説明されていました。ミルクのフォームが粗すぎても、逆にフォームが少なすぎても、ラテアートはきれいに描けないそうです。

エスプレッソマシンのメーカーであるデロンギの英語の解説では、冷たい全乳(成分を調整していない牛乳)のほうがよりよい泡ができ、微細な泡が模様の土台になると紹介されていました(出典:De’Longhi「Latte art, step by step」)。同じ解説では、ミルクの温度が140°Fを超えないように見ること、温度計がなければ手で熱さを確かめ、やけどしそうになる手前でスチームを止めることが案内されています。手で確かめるときは、ピッチャーの側面に触れるようにして、蒸気が出ているノズルには触れないように気をつけてくださいね。

140°Fは日本で使う摂氏に直すと、この記事での計算で(140−32)×5÷9=60℃です。熱くしすぎない目安として、60℃を意識しておくと分かりやすいですね。なお、これはデロンギの英語の解説に書かれた目安なので、手元のマシンの説明書に別の案内があれば、そちらに従ってください。

牛乳の種類については、デロンギ・ジャパンのマシン向けのよくある質問で、新鮮な成分無調整・乳脂肪分3.0%以上の牛乳を、必ず冷たく冷やして使うよう案内されていました。冷たいと牛乳を対流させる時間を長くとれるため、より攪拌されてなめらかな泡立ちになるそうです。加工乳や低脂肪乳、一度温めた牛乳は泡立ちがよくない、とも書かれています。

フォームの量で描きやすい柄が変わる

ダイイチ・アカデミーは、フォームの量によって描きやすい柄が変わるとも説明していました。フォームが少ないとクレマとの比重が合いやすく、クレマの流れに沿ってフォームが流れていくので、ウイングを伴う柄などを描く場合はフォームを少なくするそうです。反対にフォームが多いと、クレマより軽くなってクレマの上にフォームが乗りやすくなり、細かい線が描きづらくなるため、エッチングのように大きな丸をベースとした絵柄に向いている、と書かれていました。スチームの段階で、どれぐらいフォームを作るのかをイメージしておくことが大事だそうです。

スチームでミルクを泡立てる手順

デロンギの解説では、スチームノズル(蒸気を出す管)でミルクを泡立てる手順が8つに分けて紹介されていました。この記事として日本語に整理すると、次のとおりです。

  1. ピッチャーに半分までミルクを入れる
  2. スチームノズルから蒸気を出して、たまった水を出しておく
  3. ノズルの先を、ミルクの1ミリ上・ピッチャーの側面から1センチ離した位置に置く
  4. スチームを全開にして空気を含ませ、渦をつくる
  5. 温度が140°F(約60℃)を超えないように見る(温度計がなければ手で熱さを確かめる)
  6. ピッチャーを外し、ノズルから蒸気を出して布で拭く
  7. ピッチャーを円を描くように回し、泡と液体のミルクを混ぜる
  8. カップがいっぱいになるまでエスプレッソに注ぐ

7番目の“回して混ぜる”工程は、泡だけが上に分かれた状態のまま注がないための準備です。チューリップはパーツを何枚も置くので、注ぎ始めから終わりまで泡の状態がそろっているほうが、1枚目と最後のハートの質感が近くなりやすいかなと思います。

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エスプレッソとクレマの準備

ミルクと同じくらい大切なのが、チューリップを描くキャンバスになるエスプレッソとクレマです。

デロンギの解説では、エスプレッソは、圧力をかけたお湯を細かく挽いた7グラムのコーヒーの層に25秒かけて通し、30mlの濃いコーヒーを得るもの、と紹介されていました。家庭のエスプレッソマシンでは、まずこの基本の抽出ができているかを確かめておきたいところです。

ダイイチ・アカデミーは、ラテアートの観点から見たエスプレッソの抽出についても触れています。濃厚でクレマがしっかりしたものをイメージする方も多く、描きやすさを求めるとそこへ行き着くものの、逆にクレマが多いとそのクレマにミルクが負けてしまい、フォームが広がらないこともあるそうです。そこで重要になるのが、焙煎してからの日数(エイジング)で、豆にもよるものの2~3週間ぐらいがよいのではないか、という見解が紹介されていました。

エイジングが短い豆は含まれるガスが多く、厚めのクレマを形成し、このガスは豆の成分を抽出するのも妨げてしまうそうです。逆にエイジングを長くとりすぎると、クレマの層が薄くなり、描いたときのコントラストが無くなる、とも書かれていました。チューリップはパーツを重ねる模様なので、コントラストが出やすいエスプレッソを用意しておくと、仕上がりが見えやすくなりますね。

家でエスプレッソを淹れる道具を選ぶところから始める方は、マキネッタとエスプレッソマシンの抽出圧力と価格の違いもあわせて読んでみてください。

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ピッチャーとカップの持ち方

チューリップのように流して描く柄は、注ぎ口に丸みのあるピッチャーのほうがコントラストを出しやすいとされています。

ダイイチ・アカデミーの解説では、ピッチャーの注ぎ口は、尖っているほど描く線が細くなり、丸みがあるものは描く線が太くなる傾向があると説明されていました。JLAC(Japan Latte Art Championship)などで描かれるような、フォームを置くように描く柄は口先が細身なピッチャーが描きやすく、カフェなどでよく目にするチューリップやリーフなどの流して描く柄は、注ぎ口に丸みがあるピッチャーの方がコントラストを出しやすいそうです。

ただし、注ぎ口が丸いものは、尖っているものに比べてミルクを注ぐ量のコントロールがやや難しいので、初心者は慣れるまでに時間がかかる可能性もある、とも書かれていました。手元のピッチャーで練習を始め、慣れてきたら注ぎ口の形も意識してみるのがよさそうです。

練習用のピッチャーをまだ持っていない方は、目盛り付きで350mlの小さめのものが、カップ1杯分のミルクを量りやすいかなと思います。

カップの持ち方について、デロンギの解説では、カップは取っ手を持つか手のひらで包むように持ち、模様が飲む人の正面を向いて取っ手が右側に来るようにする、と案内されていました。ダイイチ・アカデミーは、右手と左手が同時に違う動きをしなければならないことがラテアートの難しいポイントのひとつで、最初やりにくい場合はカップをカウンターなどに置いた状態でも描ける、と紹介しています。

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注ぎ始めはカップの2/3まで土台をつくる

注ぎ口に丸みのあるピッチャーと、カップの中心へ細くミルクを注ぐ図
ピッチャーの選び方と注ぎ始めの土台づくり

模様を描き始める前に、まずはエスプレッソとミルクをなじませて、カップの3分の2ほどまで土台をつくります。

ダイイチ・アカデミーのハートの手順では、まず少し高めの位置から、カップのエスプレッソの中心(液体の1番深いところ)を目がけてミルクを注ぐと説明されていました。このとき注ぐ量が多すぎるとクレマ層が崩れてしまうので、ストローぐらいの細さを意識するそうです。

カップの大体2/3までミルクを注いだら、ピッチャーを液面に近づけて柄を描き始めます。液面にしっかりと注ぎ口を近づけないと、フォームが表面に浮かび上がらず絵柄がぼやけてしまうので、描き始めは近づけることがポイントだそうです。

デロンギの解説でも、注ぎ始めは5センチほどの高さから注ぎ、ゆっくりカップを上げて注ぎ口がコーヒーにほとんど触れるところまで近づけることがすすめられていました。模様は、カップがほぼいっぱいになる注ぎの終わりに、注ぎ口を液面のすぐ上にして描くそうです。チューリップはこの土台の上に、ハートのパーツを何枚か置いていくイメージですね。

◆ケイのワンポイントアドバイス

チューリップは何枚もパーツを置くので、土台の段階でカップがいっぱいになりすぎると、最後のハートを描く余白がなくなってしまいます。私としては、土台は2/3を目安に少し控えめにしておくと、重ねる余裕が残りやすいかなと思います。

ラテアートのチューリップの描き方と失敗の直し方

ここからは、ラテアートのチューリップを実際に描く手順を、1枚目から最後のハートまで順番に見ていきます。結論を先に言うと、チューリップは、1枚目を取っ手の延長線上から注いで取っ手の奥付近まで進めて止め、2枚目を中心付近まで進めて止め、最後にカップの端からハートを描いて中央を切る、という3つのパーツで組み立てると描きやすくなります。ここで紹介する手順はELEPHANT COFFEEが公開している3つのパーツのチューリップの描き方で、仕上げの切り方はダイイチ・アカデミーのハートの手順を参考にしています。後半では、ハートとチューリップの手順を並べて比べた表と、よくある失敗から原因と直し方を選ぶ表もまとめました。手順は文字だけだとイメージしにくい部分もあるので、各社が公開している動画もあわせて見ると、動きがつかみやすいですよ。

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1枚目は取っ手の延長線上から注ぎ始める

チューリップの1枚目は、カップの取っ手側の延長線上から注ぎ始め、取っ手の奥付近まで進んでから止めます。

ELEPHANT COFFEEのチューリップの描き方では、最初のパーツは、かさあげしてから、カップの取手の右側の延長線上から注ぎ始めると説明されていました。ドットが出たら追いかけるように前進し、取っ手奥付近まで移動して、十分な大きさになったら真上にアップするそうです。

ここでのポイントは、押したり引いたりせず、まっすぐ上に抜くこと。ハートなら注ぎ口を前へ進めて中央を切るところを、チューリップの1枚目では切らずに真上へ抜いて止めるわけですね。これが「ハートを描く動作を途中で止める」ということです。

チューリップの土台になるハートの描き方は、ラテアートのハートの描き方の記事で泡立てから順番にまとめています。

描き始めはピッチャーを少し揺らして勢いをつける

注ぎ始めの勢いについては、ダイイチ・アカデミーのハートの手順が参考になります。柄を描き始めたらピッチャーを前へ進ませながら注ぎ、描き始めにピッチャーをやや揺らすとフォームが浮かび上がりやすいそうです。このとき、ピッチャーを進ませるのと同時にカップの角度を戻すことも忘れないように、と書かれていました。

描き始めにゆっくり注いでしまうと、ピッチャーの中のスチームミルクしか出てこず、フォームがピッチャー内に取り残されてしまうので、描き始めは少し勢いをつけるとよいそうです。ピッチャーの奥のミルクを押し出すイメージで描き始めると描きやすい、とも紹介されていました。チューリップは1枚ごとに注ぎ始めをくり返すので、この勢いのつけ方をパーツごとにそろえられると、大きさがそろいやすくなります。

なお、ELEPHANT COFFEEのよくある失敗には、1投目が左右対称にならないとき、最初から中心に入れている可能性がある、という項目もありました。取手の手前側の延長線上からスタートするよう案内されています。1枚目の位置がずれると、そのあとのパーツもずれていくので、注ぎ始めの位置を毎回そろえるのがコツです。

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2枚目は中心付近まで進んで1枚目を少し押す

2枚目は、再び取手の手前側の延長線上から注ぎ始め、カップの中心付近まで進んで止めます。

ELEPHANT COFFEEの手順では、2枚目は再び取手の手前側の延長線上から注ぎ始め、今度はカップ中心付近まで前進すると説明されていました。1枚目を少し押すような形になりますが、無理に押し込む必要はないそうです。中心付近でアップします。

資料には、2枚目は1枚目を少し押す形になる、とだけ書かれています。パーツが重なって見えるのはその結果だと考えられますが、押しすぎは失敗のもとです。同じ解説では、奥の壁に当たってにじむ場合は押しすぎで、1投目は取っ手奥まで行くものの壁にぶつける必要はない、と書かれていました。描き始めの位置が、中央または中央より奥だと当たりやすい、とも説明されています。

私としては、2枚目は“押す”より“置く”くらいの気持ちで注ぐと、押しすぎを防ぎやすいかなと思います。1枚目が奥へ少し動けば十分、と考えておくと力みにくいですよ。

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最後のハートを描いて中央を切る

最後は、カップの端からハートを描き、ハートと同じように中央を切って仕上げます。

ELEPHANT COFFEEの手順では、最後はカップ端からハートを描くと説明されていました。3つのパーツは中心に向かって流れていくので、遅れずにフォローし、3つのパーツの間隔が均等になるよう意識するそうです。ドットを追いかけ、十分な大きさになったらステイし、ハートと同じように中央をカットスルーします。ただしチューリップでは、最下段のパーツまでカットスルーして完成、と書かれていました。最後のハートだけでなく、いちばん下のパーツまで中央を通して切るのが、1つだけのハートとの違いですね。

中央の切り方は、ダイイチ・アカデミーのハートの手順が参考になります。しっかりと表面にフォームが広がったら、ピッチャーの注ぎ口を液面から離して、柄の中心にミルクを沈みこませるイメージで切りながら進むそうです。このとき注ぐ量が多かったり、切るスピードが速すぎたりすると柄が引っ張られて伸びてしまうので、ゆっくり切るとキレイになりやすいと書かれていました。絵柄の中心を切ったら、最後は手首を返すようにして勢いよくミルクを切ります。ゆっくり切るとミルクがしたたって泡立ってしまうそうです。

ELEPHANT COFFEEのよくある失敗には、パーツ同士が近すぎる場合、最後のハートを近くに入れすぎているので、完成形をイメージして少し手前から描き始めるように、という項目もありました。最後のハートは、前の2枚との間隔を意識して置くのがポイントですね。

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ハートとチューリップの手順の違い

ハートとチューリップの土台・描き始め・途中の動き・仕上げを比べた表
ハートとチューリップの手順の違い

ハートとチューリップの手順を並べてみると、基本はほぼ同じで、主な違いは“途中で止めて重ねる”ところと、注ぎ始めの位置・最後の切り方だと分かります。ダイイチ・アカデミーのハートの手順と、ELEPHANT COFFEEのチューリップの手順をもとに、この記事として整理した表です。

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段階 ハート(ダイイチ・アカデミー) チューリップ(ELEPHANT COFFEE)
土台 少し高めの位置からエスプレッソの中心へ細く注ぎ、カップの2/3まで かさあげしてから描き始める
描き始め 注ぎ口を液面に近づけ、中心から1cmほど手前を狙う 取手の右側の延長線上から注ぎ始める(2枚目は取手の手前側の延長線上から)
パーツの数 1つ 3つ(1枚目・2枚目・最後のハート)
途中の動き ピッチャーを前へ進ませながら注ぐ ドットを追いかけて前進し、十分な大きさで真上にアップ(止める)
2枚目 なし 中心付近まで前進し、1枚目を少し押して中心付近でアップ
仕上げ 注ぎ口を離して中心を切り、手首を返して勢いよく切る カップ端から最後のハートを描き、最下段のパーツまで中央をカットスルー

参考までに、デロンギの解説にもハートの描き方が5つの手順で紹介されていました。エスプレッソの中心に約2センチの高さからミルクを注ぎ、ピッチャーをコーヒーにほとんど触れるところまで下げ、大きな円ができるまで注ぎ続けます。そのあとピッチャーを上げながら前へ進めて円を切り、細いミルクの流れでハートの先を描くそうです。ダイイチ・アカデミーの手順は“少し高めの位置から”と書くだけで高さの数字は示していませんが、“近づけて円を広げ、上げて前へ切る”という流れは共通しています。

表を見ると、チューリップの1枚目と2枚目は、ハートの“中心を切る”手前で止めて真上に抜いたパーツだと考えられます。最後のハートは、カップ端から描き始めて最下段のパーツまで切る点を除けば、ハートの手順とほぼ同じです。つまり、ハートの描き始めと仕上げがきちんとできていることが、チューリップの土台になる、ということですね。

パーツの数を増やせば、4枚、5枚と重ねたチューリップにも広げられますが、カップの中の余白は限られています。まずは3つのパーツで、間隔と大きさをそろえる練習から始めるのがおすすめです。

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失敗したチューリップの原因と直し方

左右対称にならない・パーツが近すぎるなどの失敗と原因・直し方の表
失敗したチューリップの原因と直し方

チューリップがうまく描けないときは、形の崩れ方から原因を絞ると直しやすくなります。ELEPHANT COFFEEのよくある失敗と、ダイイチ・アカデミーのよくある質問をもとに、この記事として整理した表です。

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よくある失敗 資料に書かれていた原因 直し方の目安
1投目が左右対称にならない 最初から中心に入れている可能性(ELEPHANT COFFEE) 取手の手前側の延長線上からスタートする
パーツ同士が近すぎる 最後のハートを近くに入れすぎている(ELEPHANT COFFEE) 完成形をイメージして少し手前から描き始める
ドットが豆の形にならない ドットを追いかけていない(ELEPHANT COFFEE) ドットが動いたら一緒に前進し、ドットの中心にスパウトを刺すようにする
奥の壁に当たってにじむ 押しすぎ・描き始めの位置が中央または中央より奥(ELEPHANT COFFEE) 1投目は取っ手奥まで行くが壁にぶつけない
フォームが浮かび上がらない フォームが少ない・液面を上げていくときに時間がかかりすぎている・液面からピッチャーが遠い・描き始めのミルク量が少ない(ダイイチ・アカデミー) 泡の量と注ぎ口の高さを見直す
柄が縦に伸びてしまう カップが先に戻り始めている・ピッチャーが前へ進んでいない・切るスピードが速すぎる(ダイイチ・アカデミー) ピッチャーを進めながら、ゆっくり切る
柄が左右対称にならない ピッチャーかカップが曲がっている・中心を切るときに真ん中を通っていない(ダイイチ・アカデミー) ピッチャーとカップをまっすぐ構え、中心を通して切る

表の上の4行はチューリップならではの失敗、下の3行はハートでも起こる失敗です。チューリップがうまくいかないときは、まず下の3行でハートの基本が崩れていないかを確かめ、それから上の4行でパーツの位置と間隔を見直すと、原因を見つけやすくなりますよ。

ダイイチ・アカデミーは、ミルクやエスプレッソがない状況でも、水をそれぞれに見立てて練習することでイメージトレーニングになるので、しっかりと反復練習を行うよう呼びかけていました。牛乳を使いすぎずに手の動きを覚えたいときに、取り入れやすい練習方法ですね。

ラテアートのチューリップについてよくある質問

ハートが描けなくてもチューリップから練習していいですか?

ELEPHANT COFFEEは、チューリップはハートが描けるようになった人が次に挑戦するのに最適なデザインで、ハートが安定しているほどチューリップも安定すると説明しています。チューリップの最後のパーツはハートとほぼ同じ手順で描くので、まずはハートの描き始めと仕上げの切り方を練習してから挑戦するのがおすすめです。

チューリップとレイヤーハートは何が違いますか?

ELEPHANT COFFEEの解説では、レイヤーハートが連続した振りによって層を作るのに対し、チューリップは一つ一つのパーツを別々に描いて構成する、と説明されていました。チューリップは、パーツごとに注ぎ始めて止める動作をくり返すのが特徴です。

家庭用のエスプレッソマシンでもチューリップは描けますか?

この記事で参考にした資料は、家庭用のマシンでチューリップが同じように描けるかについては書いていません。デロンギの英語の解説は、ミルクの泡立てからハートの描き方までの手順を紹介していますが、チューリップには触れていませんでした。泡立ての強さはマシンによって違うので、まずはハートで練習して手元のマシンの泡の具合をつかみ、説明書もあわせて確かめてみてください。

植物性ミルクでもラテアートはできますか?

デロンギ・ジャパンの牛乳についてのよくある質問では、新鮮な成分無調整・乳脂肪分3.0%以上の牛乳を使うよう案内されている一方、コールドメニューには無脂肪牛乳(乳脂肪分0.5%未満)または植物性ミルク(豆乳・アーモンドミルク・オーツミルク)を使うよう書かれていました。これは同社のマシンについての案内で、植物性ミルクでラテアートがどこまで描けるかには触れていません。この記事で紹介した手順は牛乳を前提にした資料をもとにしているので、植物性ミルクで試すときは、手元のマシンの説明書やミルクのメーカーの案内もあわせて確かめてください。

ラテアートのチューリップはハートの延長で描ける

ラテアートのチューリップは、ハートを描く動作を途中で止めて、一枚ずつ重ねていく模様です。基本技術はハートとほぼ同じなので、ハートが安定しているほどチューリップも安定します。

  • 描く前に、きめの細かい泡のミルク(デロンギの目安は140°F=約60℃を超えない)とクレマのあるエスプレッソを用意する
  • 1枚目は取手の延長線上から注ぎ始め、取っ手奥付近まで進んで真上にアップする
  • 2枚目は中心付近まで進み、1枚目を少し押して中心付近でアップする
  • 最後はカップ端からハートを描き、最下段のパーツまで中央を切る

うまくいかないときは、この記事の失敗の表を見ながら、まずハートの基本、次にパーツの位置と間隔の順に見直してみてください。描き方は資料や教える人によって細かな違いもあるので、ここで紹介した手順は一つの例として、動画も参考にしながら自分に合う感覚を探してみてくださいね。

エスプレッソマシンやミルクの扱い方は、機種によって推奨の手順が異なります。正確な情報は各メーカーの公式サイトや取扱説明書でご確認いただき、やけどには十分に気をつけて練習してください。

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