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アオリイカの泳がせ仕掛け|ヤエンとウキ釣り・ズボ釣りの違いと選び方
アオリイカの泳がせ仕掛け|ヤエン・ウキ釣り・ズボ釣りの違いと組み方
活きアジを泳がせてアオリイカを狙う釣りは、エギングとはまた違った面白さがありますよね。ただ、いざ始めようとすると、泳がせ仕掛けにはヤエン、ウキ釣り、ズボ釣りといくつも呼び方があって、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いかなと思います。
仕掛けの作り方や道糸の号数、竿の長さ、ヤエンを入れるタイミング、合わせのコツ、掛けバリ付きの市販仕掛けの違いなど、初心者のうちは分からないことだらけです。堤防で夜に釣るなら、安全面やルールも気になるところですね。
この記事では、釣具メーカーのシマノ・がまかつ・オーナー・ささめ針・ハヤブサの公式の解説や商品ページ、海上保安庁の資料をもとに、アオリイカの泳がせ仕掛けを整理しました。3つの釣り方の違いを並べた比較表と、市販のヤエン・掛けバリ仕掛けの仕様を横に並べた表もつけています。
なお、ウキ釣りは3つの釣り方の比較と市販仕掛けの紹介にとどめ、この記事ではヤエンを中心に、ウキを使わない泳がせ(ズボ釣り)までを扱います。
- アオリイカの泳がせ仕掛け3種類(ヤエン・ウキ釣り・ズボ釣り)の違い
- ヤエン釣りに合う竿・リール・道糸の目安と、ヤエンの種類
- 市販のヤエン・掛けバリ仕掛けの仕様の比べ方
- アジの付け方からヤエンを入れるタイミング、合わせ方までの手順
アオリイカの泳がせ仕掛けは3つの釣り方から選ぶ
最初の章では、アオリイカの泳がせ仕掛けにどんな種類があるのかを整理し、そのうえでヤエン仕掛けの道具を見ていきます。結論から言うと、アオリイカの泳がせ仕掛けは、アジにはエサ用のハリだけを付けて泳がせ、あとからヤエンという掛けバリを送り込む「ヤエン」、ウキの下に掛けバリ付きの仕掛けを吊るす「ウキ釣り」、ウキを使わずに掛けバリ付きの仕掛けを沈める「ズボ釣り」の3つに大きく分けられます。どれもアジを泳がせてアオリイカに抱かせる点は同じですが、イカにハリを掛けるタイミングと、道具の組み方が違います。この章では、泳がせ釣りの基本を確認したあと、3つの違いを比較表にまとめ、ヤエン釣りのシーズン、竿・リール・道糸の目安、ヤエンの種類と市販品の仕様の順に見ていきます。自分がどの釣り場で、どの釣り方をしたいかをイメージしながら読んでみてくださいね。
泳がせ釣りは活きアジをアオリイカに抱かせる釣り
泳がせ釣りは、生きた小魚をエサにして、それを食べに来る魚やイカを狙う釣りです。
シマノの初心者向けの解説では、泳がせ釣りを、アジなどの生きた小魚をハリに掛けて泳がせ、フィッシュイーター(魚を食べる魚)を狙う釣りと説明していて、関西ではノマセ釣りとも呼ばれると紹介されていました。同じ解説の対象魚の一覧では、アオリイカには「※専用の仕掛けが必要」と添えられていて、アオリイカを狙う場合は専用の仕掛け(掛けバリ)が必要だと書かれています。
つまり、ヒラメや青物を狙う泳がせ釣りの仕掛けをそのまま使うのではなく、アオリイカの抱き方に合わせた仕掛けを選ぶ必要がある、ということですね。このあと紹介する市販の掛けバリ仕掛けも、ウキが引き込まれたときに仕掛けがはね上がってイカを掛けるなど、アジを抱いたイカに掛けるための作りになっています。
ちなみに、シマノの泳がせ釣りの解説にある、初心者はウキを使わない底オモリ式(胴突きタイプ)が扱いやすいという記述や、道糸・ハリスの号数は、ヒラメや青物などを想定した泳がせ釣り全般の話です。アオリイカの泳がせ仕掛けの号数は、このあと紹介するヤエンや掛けバリ仕掛けの資料で確かめていきます。
ヤエン・ウキ釣り・ズボ釣りの仕掛けの違い

3つの釣り方の大きな違いは、アオリイカにハリを掛けるタイミングと、ウキを使うかどうかです。各社の資料をもとに、この記事として整理した比較表です。
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| 項目 | ヤエン | ウキ釣り | ズボ釣り(ウキなし) |
|---|---|---|---|
| アジのハリ | アオリイカを掛けるハリは付けない(シマノ) | 掛けバリ付きの仕掛けにアジを付ける | 掛けバリ付きの仕掛けにアジを付ける |
| イカに掛けるタイミング | イカがアジを抱いたあと、ヤエンを道糸に滑らせて掛ける | ウキが引き込まれたらゆっくり竿を立ててラインを張る(がまかつ 41-102の説明) | 資料にアタリの取り方・合わせ方の記載なし |
| 目印 | 道糸の出方 | ウキ | ウキを使わない |
| 資料にある向く場所 | 防波堤・磯・筏・船など(がまかつのコラム) | 堤防・磯・筏(ハヤブサ) | 筏・船・混雑した堤防(ハヤブサ) |
| 資料にある特徴 | 鈎が付いていないので、イカが安心してアジを抱いてくる(がまかつのコラム) | 初心者でもアタリが分かりやすい(ハヤブサの背掛け傘針) | 胴突式はトラブルが少なく、活きアジが長持ち(ハヤブサ) |
ヤエンは、和歌山県が発祥とされる釣りで、エサの活きアジにはアオリイカを掛けるためのハリが付いていないのが大きな特徴だと、シマノの解説で紹介されていました(出典:シマノ「ヤエン釣りとは?」)。ヤエンという専用の掛けバリを道糸に引っかけて、イカのところまで滑らせて掛ける釣り方です。
一方、ウキ釣りとズボ釣りは、最初から掛けバリの付いた仕掛けにアジを付けておく釣り方です。ハヤブサの「アオリ一筋」シリーズの万能仕掛け(HR005)は、ズボ釣りの胴突式・吹き流し式と、ウキ釣りの背掛け傘針・垂らし傘針の4通りの使い方ができる仕掛けとして紹介されていました。ハヤブサの商品ページでは、ズボ釣りは筏・船・混雑した堤防、ウキ釣りは堤防・磯・筏におすすめと書き分けられています。
私としては、表の“イカに掛けるタイミング”の行がいちばん大事な違いかなと思います。ヤエンはイカがアジを抱いてからハリを送り込むので、イカに違和感を与えにくい代わりに、ヤエンを入れるまでの駆け引きが必要です。ウキ釣りとズボ釣りは、最初から掛けバリが付いているので、ヤエンを入れる工程がない釣り方と言えます。そのぶん、アジの大きさに合った仕掛けを選ぶことが大切になる、と私は考えています。
ウキ釣りの仕掛けの組み方やウキとオモリの号数は、アオリイカのウキ釣り仕掛けの記事で詳しくまとめています。
ヤエン釣りのシーズンと狙うアオリイカの大きさ
ヤエン釣りは、ある程度大きく育ったアオリイカを狙う釣りです。
シマノの解説では、ヤエン釣りは地域などによるものの、基本的に冬から初夏にかけて500g以上に成長したアオリイカが対象と説明されていました。とくに春から初夏は1〜2kg、あるいはそれ以上に成長した大型も狙えるそうです。秋のシーズンは小型のアオリイカが多く、ヤエンに掛かりにくいうえにエサの消耗も激しいので不向き、とも書かれています。
がまかつのコラムも、タイトルに「春〜初夏の大型アオリイカへの近道」とあるように、春から初夏の大型のアオリイカを狙う釣り方としてヤエンを紹介していました。秋はヤエン釣りには不向きとされている、という点だけ覚えておくとよさそうです。
釣り場については、同じ解説で、潮通しが良くてアジやイワシなどの小魚が回遊する場所ならどこでも狙えて、とくに海底にカケアガリや大きな岩があるなど地形が変化した周辺が狙い目とされていました。そのうえで、まずは足場の良い堤防や岸壁から竿を出してみるようすすめられていました。春から初夏にかけては、産卵を控えたアオリイカが波の静かな入江や湾内、港内にも入ってくるので、藻場が点在する港周りを中心に狙うとよいそうです。実績のあるポイントには、釣れたときにイカが吐いたスミ跡が残っていることがあり、それを目安に場所を選ぶのも手だと紹介されていました。
なお、ここで紹介したシーズンはヤエン釣りについての説明です。アオリイカがよく釣れる時期は地域や水温によっても変わるので、釣りに行く地域の釣具店の情報もあわせて確かめてみてください。
ヤエン仕掛けの竿・リール・道糸の目安
ヤエン仕掛けの道具は、4〜4.5mほどの竿と、ドラグを調節しやすいスピニングリール、2号前後の道糸が目安です。シマノの解説と、がまかつのコラムの数字を並べると、次のようになります。
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| 道具 | シマノの解説 | がまかつのコラム(筏での例) |
|---|---|---|
| 竿 | 全長4〜4.5mが扱いやすい | ヤエン専用の竿はあまりないので磯竿を使う。1号や1.25号で4.7mクラス(酒本さんの愛用) |
| リール | 3000番前後のスピニングリール。リアドラグ式がおすすめ(レバーブレーキタイプもおすすめ) | リアドラグ式のスピニングリール |
| 道糸 | ナイロン・フロロカーボンの2号前後 | 入門者にはナイロンがおすすめ。1.75〜2.5号で、2号を中心に |
| アジに付けるハリ | カン付きのチヌバリの2号前後(サルカン付きもおすすめ) | ヨレを防止するためにヨリモドシ付きの鈎 |
竿の長さは、シマノの解説が全長4〜4.5mを扱いやすいとしているのに対し、がまかつのコラムの4.7mクラスは、筏で釣る酒本直樹さんが愛用している竿の例です。同じコラムでは、筏の上はそこまでスペースがないので短めの方がいい一方で、あまりに短い竿だとアオリイカの引きに付いていけずにアジを放されてしまう、とも話されていました。釣り場によって扱いやすい長さは変わるので、目安はシマノの4〜4.5mと考えておくとよさそうです。道糸は、2社とも2号前後で一致していました。
リールについては、シマノの解説で、リールの下部でドラグの調節がしやすいリアドラグ式がおすすめとされ、レバーを使ってラインの放出を調整できるレバーブレーキタイプもおすすめとして紹介されていました。シマノの解説では、リアドラグ式をすすめる理由として、トラブルが少なく、ドラグの滑り出しもスムーズなのでアオリイカに違和感を与えにくいことが挙げられていました。がまかつのコラムでも、投入時と待つときでドラグを締めたり緩めたりする使い方が紹介されているので、ドラグを操作しやすいリールを選ぶのがポイントになりそうです。
がまかつのコラムでは、道糸の素材についても、PE・フロロ・ナイロンの3種類の特徴が紹介されていて、入門者にはナイロンがオススメとされていました。これからヤエンを始める方は、まずナイロンの2号前後から試してみるのがよさそうです。
道糸とハリの結び方に自信がない方は、泳がせ釣りのノットの基本と大物対策もあわせて読んでみてくださいね。
ヤエンの種類と市販品の仕様

ヤエンは、道糸に引っかけてイカのところまで滑らせる掛けバリです。資料で確かめられた種類は、ラインローラー付き、跳ね上げ式、オモリの位置を動かせるもの、投入がスムーズとされるワンタッチタイプでした。
シマノの解説では、スムーズに送り込むことができるラインローラー付きのヤエンがおすすめとされ、糸に張りを持たせるとフックが跳ね上がる跳ね上げ式だとフッキング率が高くなる、と紹介されていました。ヤエンがイカのところまで素早く届くことと、届いたあとにしっかり掛かることの2つが、選ぶときのポイントになりそうです。
メーカーの商品ページで確かめられた市販のヤエンの仕様を並べると、次のとおりです(価格は各社の希望本体価格・税別)。
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| 商品 | サイズと全長 | オモリ | 商品ページにある特徴 |
|---|---|---|---|
| がまかつ 鋭刀ヤエン(42-918) | S 25cm/M 30cm/L 35cm/LL 40cm | 0.8/1.0/1.2/1.5号 | ナノスムースコートを施したラインキーパーで滑らかに滑走 |
| がまかつ 鋭刀ヤエン 鬼攻め(42-917) | S 25cm〜LL | S 0.8号〜 | オモリは軸上を移動でき、イカとの距離・糸の角度で調整できる |
| オーナー ワンタッチ式掛獲ヤエン(33340) | M 27.5cm/L 32cm | 記載なし | ワンタッチタイプで、スムーズなヤエンの投入が可能 |
価格は、がまかつの鋭刀ヤエンが1,300〜1,350円、鬼攻めが1,850〜1,900円、オーナーのワンタッチ式掛獲ヤエンがMで1,300円、Lで1,450円でした。どの商品ページにも、フックの本数や重さ(グラム)は書かれていなかったので、比べるときは全長とオモリの号数、道糸への付けやすさを目安にするとよさそうです。
がまかつのコラムでは、移動式オモリのヤエンについて、イカが遠い場面と近い場面では道糸の角度が変わってくるので、その角度に合わせてオモリの位置を調整する、と紹介されていました。鬼攻めの商品ページの、イカとの距離・糸の角度で調整できるという説明と同じ考え方ですね。
ヤエンのサイズは、商品ページに使い分けの基準まで書かれていませんでした。私としては、最初はMサイズあたりを1つ用意して、釣り場の水深やイカまでの距離に慣れてから、ほかのサイズを足していくのが無駄が少ないかなと思います。
たとえば、がまかつの鋭刀ヤエン 鬼攻めのMサイズは、オモリを軸の上で動かしてイカとの距離や糸の角度に合わせられるタイプです。
アオリイカの泳がせ仕掛けを使う手順と合わせ方
ここからは、アオリイカの泳がせ仕掛けを実際に使うときの手順を見ていきます。結論から言うと、ヤエン釣りは、エサ用のハリを付けたアジを投げ、アオリイカがアジを抱いて走ったら止まるまで待ち、寄せてから道糸にヤエンを滑らせて掛ける、という流れになります。ウキ釣りとズボ釣りは、掛けバリ付きの仕掛けにアジを付けて使う釣り方で、ウキ釣りはウキが引き込まれたら竿を立てて掛けます。ここで紹介する手順は、シマノの解説とがまかつのコラム、各社の商品ページに書かれている内容をもとにしています。合わせ方などは資料によって違う点もあるので、その違いも合わせて紹介していきます。夜の堤防で釣るときの安全とルールの確かめ方も、この章の後半でまとめました。
ヤエン釣りのアジの付け方と投げ方
ヤエン釣りでは、アジにエサ用のハリを付けて、アジを弱らせないように投げます。ここでは、シマノの解説と、筏でヤエン釣りをする酒本直樹さんの方法を紹介したがまかつのコラムの内容を分けて見ていきます。
シマノの解説では、エサのアジは15〜17cm前後のものが扱いやすいと紹介されていました。小さいと弱るのが早くなり、大きいと遊泳力が高いので扱いづらくなるそうです。ハリは、シマノの解説ではカン付きのチヌバリなどが使われるとされていました。がまかつのコラム(酒本さんの方法)では、アジの尻尾近くにある硬いゼイゴにハリを刺すと外れにくいと説明されています。ゼイゴは、アジの体の横に並んでいる硬いうろこのような部分のことです。
がまかつのコラムでは、ハリの上、指幅2、3本の位置に、小さなウキゴムの「ヤエンストッパー」を付けることも紹介されていました。ヤエンが道糸を滑ってきたときに、このストッパーが支点となって、掛け鈎が跳ね上がる仕組みだそうです。
投げ方については、シマノの解説で、アジをハリにセットしたら沖に向かって投入し、着水前に空いている手でスプール付近に軽く触れてラインの放出を抑え、アジが頭から着水するように調整する、と案内されていました。がまかつのコラムでは、筏での酒本さんの方法として、決して遠投はせずにフワリと20mほど投げるのみ、と書かれていて、理由はアジを弱らせないためだそうです。なお、アオリスタBBの取扱説明書には、糸が勢いよく出ている時は糸に触れないように(糸で指を切るおそれ)という注意もありました。
アジを弱らせない活かし方
泳がせ釣りでは、アジが元気に泳ぐことが何より大切です。シマノの解説では、アジはエアーポンプをセットした活かしバッカンやアジバケツで活かしておき、アジ1匹に対して海水1リットルが理想と案内されていました。バッカン内と海の水温が違いすぎるとアジが弱りやすいので、釣り場に着いたら半分ほど海水を入れ替え、気温(水温)が高いときはアジの数をやや少なくするとよいそうです。がまかつのコラムでは、筏の釣りの例として、生かしバケツを水面下1mほどのところまで沈めておく方法も紹介されています。アジの数に対して水が少ないと弱りやすいので、バケツの大きさとエアーポンプも準備しておきたいところですね。
ドラグとレバーでアジを抱かせて待つ
アジを投げるときはドラグを締めておき、アジが落ち着いてからドラグを緩めて、アオリイカがアジを抱いて走るのを待ちます。
シマノの解説では、アジが落ち着いたらドラグをゆるゆるにしてアタリを待つ、と説明されていました。アオリイカがアジを抱くと、安全な場所へ移動するため道糸が引き出されるので、動きが止まるまで待つそうです。がまかつのコラムでも、アジを投入する時にはドラグを締めておき、アジを泳がせてアタリを待つ時にはドラグを緩める、と書かれていました。
アジを泳がせている間は、自由に泳がせすぎないことも大切です。シマノの解説では、アジは外敵から身を守るために藻の中や岩の隙間などに入り込み、ライントラブルが多発してしまうので、竿を使ってアジをコントロールするよう案内されていました。手前に引くとアジは沖へ泳ぎ、竿を右横に操作すると左方向へ、左横へ操作すると右方向へ泳いでいくそうです。
ドラグをレバーで切り替えられるリールもあります。シマノのアオリイカ専用リール「アオリスタBB」の取扱説明書(シマノのサイトに公開されている旧版)では、このリールをアオリイカの「ヤエン釣り」や「ウキ釣り」用に開発された専用リールと紹介していて、リアドラグとレバードラグ(ファイティングレバー)を備えていると説明されていました。レバードラグを中央のストライクポジションに合わせ、竿をしぼり込んで糸が少しずつ出るようにプログラマを調整しておけば、あとはレバーを左右に倒すだけでやり取りできる、という仕組みだそうです。バネ計りでより正確に設定する場合は、糸の破断強度の1/3がおすすめ設定値とされていました。竿や仕掛けを変えたときは設定し直す必要があります。
同じ取扱説明書には、遠投などする時は、必ずドラグをよく締めつけてから投げるように、という注意もありました。ドラグが滑って、糸で手を傷つけることがあるそうです。ドラグを緩めたまま投げてしまわないよう、投げる前の確認を習慣にしておきたいですね。
なお、アオリスタBBのレバーは、ドラグを切り替える仕組みとして説明されているもので、ほかのメーカーのレバーブレーキ付きのリールとは仕組みが違うことがあります。手元のリールの使い方は、それぞれの取扱説明書で確かめてください。
ヤエンを入れるタイミングと合わせ方

ヤエンは、アオリイカが動きを止め、寄せても暴れなくなってから道糸に通します。
シマノの解説では、アオリイカが安全な場所に移動して止まったら、手前に寄せてくる、と説明されていました。2〜3回ポンピング(竿をあおって寄せる動作)すると、横向きに抱かれていたアジが縦向きに変わるそうです。ポンピングのときにアオリイカが暴れるようなら、捕食をはじめておとなしくなるまで待つ、とも書かれていました。ヤエンは、足場の高さや海中の障害物などの状況にもよるものの、20〜30mほどの距離を目安にして投入してみよう、と案内されていました。
同じ解説では、ヤエンが近づくとアオリイカが嫌がって逃げようとするので、ラインを送り出して対処し、出したぶんも巻き取って、アオリイカの下まで確実にヤエンを送り込むよう説明されていました。ヤエンを入れたあとも、ラインを緩めないことがポイントですね。
がまかつのコラムでは、ある程度やり取りしているとイカがほとんど反応しなくなり、それがアジに夢中になっている証拠なので、そこで初めてヤエンを道糸に通して滑らせる、と紹介されていました。2社の説明を合わせると、止まるまで待つ、寄せる、反応が落ち着いたらヤエンを入れる、という順番になりますね。
ヤエンがイカのところまで届いたかどうかは、がまかつのコラムで、届いていれば少し糸を送ると道糸は緩んだ状態になる、と説明されていました。合わせ方は資料によって違いがあります。
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| 場面 | シマノの解説 | がまかつのコラム |
|---|---|---|
| ヤエンを入れる合図 | イカが止まったら寄せる(2〜3回のポンピングでアジが縦向きに)。さらに寄せてイカを浮かせたらヤエンをセット | やり取りしてイカがほとんど反応しなくなったら |
| ヤエンを入れる距離 | 20〜30mほどが目安 | 記載なし |
| 届いたかの見分け | 記載なし | 少し糸を送ると道糸が緩む |
| 合わせ方 | 跳ね上げ式は竿を大きくあおる。跳ね上げ式以外は竿を水平にして合わせる | スイープにゆっくりと合わせる |
合わせ方は、ヤエンの種類と釣り人のやり方によって違う、と考えておくとよさそうです。取り込みについては、シマノの解説で、足元まで寄せたらアジを離しているかどうかを確認するよう案内されていました。アジを離していないなら、まだヤエンに掛かっていない場合があるそうです。アジを離していたらヤエンのハリが掛かっているので、ギャフや玉網で取り込みます。ギャフはエンペラ(イカの胴の先にあるひれ)に掛けるよう案内されていました。
シマノの解説には、エサに付けたハリにまれにヒラメや青物、ウツボ、エイなどが釣れることがあり、鋭い歯を持つウツボや毒棘のあるエイが釣れたら、魚バサミやプライヤーなどを使って注意してハリを外すように、という注意もありました。ウツボやエイは素手で触らないでください。
ウキ釣りとズボ釣りで変わる掛けバリ仕掛けの使い方

ウキ釣りとズボ釣りでは、最初から掛けバリの付いた市販の仕掛けを使うと始めやすくなります。商品ページで確かめられた仕様を並べると、次のとおりです。
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| 商品 | 使い方 | ハリスなど | 商品ページにある特徴 |
|---|---|---|---|
| がまかつ お墨つきアオリイカはねあげパーフェクト仕掛 ロング(41-102) | ウキ釣り(ウキ付きのセット) | ハリス4号・シャフト19/20.5/22cm | シャフト長を最大22cmまで延長し、鈎が確実にイカへ届く設計 |
| ハヤブサ アオリイカ ズボ釣り・ウキ釣り 超便利万能仕掛(HR005) | ズボ釣り2通り・ウキ釣り2通り | ハリス3/4/5号・捨て糸2/3/4号・全長115cm | 4通りの使い方ができる超万能仕掛 |
| ささめ針 イカのりのり天国スーパークリア ロングシャフト(I-206) | 堤防仕掛(ウキの有無は記載なし) | 全長1.2m・天秤の長さ170/190mm | 15~20cmの活きアジにベストマッチ |
がまかつの41-102の商品ページでは、釣り方として、ウキが引き込まれた時にゆっくりと竿を立ててラインを張ると、仕掛がはね上がってイカをキャッチする、と説明されていました。活き餌のセット例は鼻がけで、鼻の穴に掛けることで泳ぎを妨げにくく、脳や目に近い位置に刺すと弱りやすくなるので注意するよう書かれています。夜釣りでは、市販の発光体をウキにセットするよう案内されていました。
ハヤブサのHR005の商品ページでは、ズボ釣り胴突式はトラブルが少なく活きアジが長持ちし、ズボ釣り吹き流し式は水中でアジが外れにくく針掛かりしやすい、と紹介されていました。ウキ釣りの背掛け傘針は初心者でもアタリが分かりやすく、垂らし傘針は抱かせやすくアジが小さくても使いやすいそうです。
ただし、ズボ釣りのオモリの号数や、アタリの取り方、合わせ方までは、この記事で確かめた資料には書かれていませんでした。ズボ釣りを試すときは、仕掛けのパッケージの説明や、釣り場の近くの釣具店で使い方を確かめてみてください。
ズボ釣りとウキ釣りの両方を試したい方は、4通りに使えるハヤブサのHR005のような万能仕掛けから始めると、1つの仕掛けで釣り方を比べられます。
どの仕掛けも、アジの大きさに合わせて選ぶのがポイントです。がまかつの41-102は、15cmを超えるアジ餌で鈎がイカに届かない悩みから生まれたロング仕様と紹介されていて、ささめ針のI-206は15~20cmの活きアジ向けとされていました。使うアジが大きいほど、シャフトや天秤の長いものを選ぶ、と考えておくと分かりやすいですね。
夜の堤防の安全とルールの確かめ方
アオリイカの泳がせ釣りは夜に行うことも多いので、安全とルールの確認は欠かせません。
海上保安庁の釣りの安全についての案内の、夜釣りのページでは、初めての釣り場でいきなり夜釣りをすることは危険なので、明るい時間に釣り場へのルートなどを確認するよう呼びかけていました(出典:海上保安庁「夜釣りについて」)。照明器具は手元をふさがない頭や胸につけるタイプがおすすめで、事前に電池を点検すること、明るい色の服や反射材のついたライフジャケットを着用することも案内されています。
ライフジャケットの選び方は釣り用ライフジャケットの桜マークと種類別の選び方で、ライトの選び方は夜釣りヘッドライトの明るさの目安と選び方で詳しくまとめています。
ルールについては、海上保安庁の釣りのルールとマナーのページで、立入禁止区域への進入は法令違反で検挙される場合があると注意されていました。夜の堤防でも、立入禁止の場所には絶対に入らないでください。同じページでは、漁法や体長などの制限、禁漁期間・禁漁区域などは漁業調整規則等で定められていて、各都道府県の担当部局に問い合わせるよう案内されています。コマセやイカ類の墨などで釣り場が汚れないようにすることも呼びかけられています。アオリイカを釣った堤防を墨で汚したままにしないよう、バケツの海水で流しておくといいですね。
一例として、静岡県の遊漁ルールの資料では、共同漁業権の対象種になっている場所では、漁業権者の同意なく採捕することができない、と書かれていました。どの生き物が漁業権の対象になっているかや、使ってよい漁具・漁法は地域ごとに違うので、釣りに行く都道府県のルールを事前に確かめてください。
アオリイカの泳がせ仕掛けについてよくある質問
初心者はヤエンとウキ釣りのどちらから始めればいいですか?
この記事で確かめた資料には、初心者がどちらから始めるべきかを比べた記述はありませんでした。ハヤブサの商品ページでは、ウキ釣りの背掛け傘針は初心者でもアタリが分かりやすいと紹介されています。ヤエンはヤエンを入れるタイミングの見極めが必要なので、仕掛けの手順の少なさを重視するなら、掛けバリ付きの市販仕掛けを使うウキ釣りが始めやすいかなと思います。
ヤエン釣りに専用の竿は必要ですか?
がまかつのコラムでは、ヤエン専用の竿はあまりないので磯竿を使う、と紹介されていました。シマノの解説でも、全長4〜4.5mの竿が扱いやすいとされています。まずは4〜4.5mほどの磯竿で試してみるのがよさそうです。
秋にヤエン釣りをしても釣れませんか?
シマノの解説では、秋のシーズンは小型のアオリイカが多く、ヤエンに掛かりにくいうえにエサの消耗も激しいので不向き、と説明されていました。まったく釣れないという意味ではありませんが、ヤエン釣りは冬から初夏の500g以上のアオリイカが基本の対象とされています。
アジ以外のエサでも泳がせ釣りはできますか?
シマノのヤエン釣りの解説では、おすすめのエサとして、定番のアジのほかにウグイ(ギンペイ)も紹介されていました。釣具店によっては銀白や銀兵(銀平)という名前で販売されていて、淡水魚ながら海水にも耐性があるそうです。手に入るエサは地域によって違うので、釣り場の近くの釣具店で確かめてみてください。
アオリイカの泳がせ仕掛けのまとめ
アオリイカの泳がせ仕掛けは、アジにイカを掛けるハリを付けずに泳がせ、あとからヤエンを送り込む「ヤエン」、ウキの下に掛けバリ付きの仕掛けを吊るす「ウキ釣り」、ウキを使わない「ズボ釣り」の3つに分けられます。
- ヤエン釣りは、地域などによるものの、基本的には冬から初夏の500g以上のアオリイカが対象(シマノ)
- ヤエンの道具は、4〜4.5mほどの竿・ドラグを調節しやすいスピニングリール・2号前後の道糸が目安
- ヤエンは、イカが止まって寄せても暴れなくなってから道糸に通す
- ウキ釣り・ズボ釣りは、アジの大きさに合わせて掛けバリ付きの市販仕掛けを選ぶ
- 夜釣りは明るいうちに下見をし、ライフジャケットとライトを用意し、地域のルールを確かめる
ヤエンを入れるタイミングや合わせ方は、資料によっても違いがありました。ここで紹介した手順は一つの目安として、釣り場で経験を重ねながら、自分に合うやり方を探してみてくださいね。
仕掛けや道具の仕様は、モデルの変更などで変わることがあります。正確な情報は各メーカーの公式サイトや商品のパッケージでご確認いただき、釣り場のルールを守って安全に楽しんでください。
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