日記とは?種類と効果・メリットとデメリットを一枚に整理した入門ガイド

FreeLife Design 運営者 ケイ

こんにちは。FreeLife Design、運営者の「ケイ」です。

日記を始めてみようかな、と思ったときに引っかかるのが「毎日ちゃんと書けるかどうか」ではないでしょうか。

子どものころ、夏休みの絵日記が3日で止まった記憶がある人も多いと思います。あの体験のせいで、日記=毎日きちんと書かなければいけないもの、という思い込みが残っているんですよね。

ただ、これは日記の一部の型を全体だと思っているだけなんです。

実際の日記は書式・期間・目的の3つの軸で複数の型に分かれていて、その中には1日3行で終わるものも、書きたい日だけ書くものも含まれます。自分に合う型さえ分かれば、道具選びで迷う場面はほとんど残りません。

この記事では、日記の用語と型を整理して、あなたに合う形を選べる状態まで持っていきますね。

  • 日記とは何か・日誌との違い
  • 書式・期間・目的で分かれる日記の型
  • 日記を書くメリットと現実的なデメリット
  • 自分に合う型を選ぶ具体的な手順

日記とは自分のために出来事や気持ちを残す記録

まず言葉の意味から確認しておきますね。

日記は、その日にあった出来事や、感じたこと・考えたことを書き留める個人的な記録です。ポイントは自分のために書くものという点で、読み手を想定しないのが基本になります。

この「自分のために書く」という性質から、いくつかの特徴が出てきます。

まず、形式が自由であること。文章でも箇条書きでも、絵でも構いません。次に、正しさを求められないこと。事実の記録である必要はなく、そのとき自分がどう感じたかがそのまま価値になります。そして、毎日書く義務がないこと。義務があるのは提出する記録だけで、自分のための記録に締め切りはないんですよね。

この3つが分かっているだけで、日記のハードルはかなり下がるかなと思います。うまく書けない、事実を正確に書けない、毎日書けない。日記が続かない理由として挙げられるものは、じつは日記に必要な条件ではないんです。

ちなみに、日記は日本でかなり古くから書かれてきました。平安時代に紀貫之が書いたとされる『土佐日記』はよく知られていますし、貴族が日々の出来事を記録した日記も数多く残っています。当時は記録としての性格が強かったのですが、形式が自由で個人が自分のために書くという点は、いまの日記と共通していますね。

つまり日記は、1,000年以上前から「書き方が決まっていない記録」として続いてきたわけです。学校の宿題で書いた絵日記のほうが、むしろ特殊な形だったと考えると気が楽になるかもしれません。

日記と日誌は目的も読み手も違う

似た言葉に「日誌」があります。学級日誌、業務日誌、航海日誌といった使い方をしますね。

この2つは、目的と読み手が違います。

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比較項目 日記 日誌
書く目的 自分のための記録 業務や活動の記録・共有
読み手 基本は自分だけ 上司・同僚・次の担当者
内容 主観的な感想も含む 客観的な事実が中心
形式 自由 決まった書式があることが多い
書く義務 なし あることが多い

漢字の成り立ちで見ても違いがあります。「記」は書きしるすこと、「誌」は記録しておくことを指し、日誌のほうが「残して伝える」性格が強いんですね。

なぜこの違いが大事かというと、多くの人が日記に日誌のルールを持ち込んでしまうからです。

毎日書かなければいけない、事実を正確に書かなければいけない、途中で空けてはいけない。これらは全部、誰かに提出する日誌のルールです。自分のための日記に持ち込む必要はまったくありません。ここを切り離せると、日記はぐっと気楽なものになりますよ。

◆ケイのワンポイントアドバイス

ちなみに、仕事の記録として日誌をつけている人が、同じノートに個人的な日記を混ぜるのはあまりおすすめしません。読み手が違うので、書ける内容が制限されてしまうからです。分けたほうが、どちらも書きやすくなりますよ。

日記の種類は書式・期間・目的で分かれる

書式は自由に書くか型を決めるか、期間は1年か複数年か不定期か、目的は記録か振り返りか共有かという3つの軸で日記の呼び名を整理した図のスライド
日記の種類を決める書式・期間・目的の3つの軸

日記にはたくさんの呼び名があります。3行日記、5年日記、交換日記、育児日記、ライフログ、ジャーナリング。並べると混乱しますが、じつは3つの軸で整理できるんですよ。

軸は「1回にどう書くか(書式)」「どのくらいの期間で使うか(期間)」「何のために書くか(目的)」の3つです。よく聞く呼び名は、このどれかの軸から名前がついているだけなんですね。

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分類 代表的な呼び名
書式 自由に書く/型を決めて書く 自由記述の日記/3行日記
期間 1年で使い切る/複数年/不定期 1年日記/連用日記/フリー型
目的 記録/振り返り/共有 ライフログ/ジャーナリング/交換日記

この表の組み合わせで、たいていの日記は言い表せます。たとえば「3行日記を5年日記に書く」は書式=3行、期間=連用、目的=振り返り、という組み合わせですね。

よく聞く呼び名を、この3軸で整理しておきますね。

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呼び名 何を指しているか 1回の負担
3行日記 書式(項目を3つ決めて1行ずつ書く) 2〜3分
1年日記 期間(1月から12月で1冊使い切る) 書式による
連用日記 期間(3年・5年・10年を1冊に) 3〜5分
ライフログ 目的(事実を記録して後から見返す) 1〜5分
ジャーナリング 目的(頭の中を書き出して整理する) 5〜15分
交換日記 目的(相手と1冊を回して読み合う) 相手のペース次第
育児日記 目的(子どもの記録を残す) 3〜10分

この表を見ると、名前が違っても中身が重なっているものが多いことに気づくと思います。3行日記を5年日記に書けば、書式は3行日記で期間は連用、ということになりますしね。

だから「どの日記が一番いいか」という問いは、あまり意味がありません。軸ごとに自分の条件を決めていけば、名前は後からついてくるという順番です。

書式で分けると自由記述と型ありに分かれる

1回に何をどう書くかの違いです。ここが続けやすさに直結します。

自由記述は、その日思ったことを好きなように書く形式。文量も内容も自由なので、書きたいことがある日は伸びやかに書けます。反面、何を書くか決まっていないぶん、疲れている日は手が止まりやすいんですよね。

型ありは、書く項目をあらかじめ決めておく形式です。有名なのが3行日記で、たとえば「今日の失敗」「今日いちばん良かったこと」「明日の目標」のように3つの枠を決めて1行ずつ書きます。項目が決まっているので、何を書くか迷う時間が発生しません。

項目の内容は自分で決めて構いません。「食べたもの」「会った人」「気になったこと」でもいいですし、「体調」「天気」「ひとこと」でも成立します。大事なのは、毎日同じ項目を埋める形にしておくことです。

初めて日記を書く人には、型ありのほうが向いていることが多いかなと思います。自由記述は上級者向けというより、書くこと自体が好きな人向け、という感じですね。

期間で分けると1年・連用・不定期になる

1冊をどのくらいの期間で使うかの違いです。

1年日記は、1月から12月までの1年で使い切るタイプ。年が変わったら新しい1冊に移ります。書けるスペースが広い商品が多く、たっぷり書きたい人向けですね。

連用日記は、3年・5年・10年といった複数年を1冊に収めるタイプです。同じ日付の欄が年数分だけ縦に並んでいるので、去年の同じ日に何を書いたかが見えます。1日に書けるのは3〜5行程度と少なめですが、そのぶん負担が軽く、年ごとの変化を比べられるのが特徴です。

不定期に書くなら、日付が印刷されていないフリー型が向いています。書いた日に自分で日付を入れるので、書かなかった日の空白が残りません。週に1回でも月に1回でも、罪悪感なく続けられる形式ですね。

連用型が気になった人は3年・5年・10年の記入量を比べた記事を、道具そのものの選び方から知りたい人は日記帳の選び方をまとめた記事を見てもらうと、迷う時間が短くなりますよ。

目的で分けると記録・振り返り・共有になる

何のために書くのかという軸です。ここが自分の中ではっきりしていると、書く内容がぶれません。

記録が目的なら、事実を残すことが中心になります。食べたもの、行った場所、使ったお金、体調。ライフログと呼ばれるのはこのタイプで、後から検索・集計できる形にしておくと役に立ちます。

振り返りが目的なら、出来事より「そのときどう感じたか」を書くほうが価値が出ます。頭の中を書き出して整理する書き方はジャーナリングと呼ばれ、思考をまとめたい人に向いていますね。

共有が目的なら、交換日記のように読み手がいる前提の書き方になります。この場合だけは日記でありながら読み手を意識するので、伝わる書き方が必要になります。家族やパートナーと1冊を共有する使い方も、この分類に入りますね。

目的が複数あっても構いませんが、優先順位はつけておいたほうがいいかなと思います。記録も振り返りも共有も全部やろうとすると、1回に書く量が増えて続かなくなりますから。

もう1つ、目的が変わっていくことも知っておいてください。

記録のつもりで始めた日記が、いつのまにか振り返りの道具になっていることはよくあります。逆に、思いを書き出すつもりで始めたのに、続いているのは食べたものの記録だけ、ということも。これは失敗ではなく、自分にとって必要だった形が見つかったということかなと思います。

1年使ってみて、実際に書けていた内容が最初の目的と違っていたら、次の1冊はその実態に合わせて選び直せばいいわけですね。

日記を書くメリット

気持ちの整理がつきやすくなる、過去の自分と比べられるという傾向と、時間の確保や人に見られる可能性という注意点を並べたスライド
日記を書くことで期待できる傾向と現実的な注意点

日記を続けている人が挙げるメリットを整理しておきますね。ここは効果を保証するものではなく、そう感じる人が多いという傾向として読んでください。

気持ちの整理がつきやすくなる

いちばんよく挙がるのが、頭の中が整理されるという感覚です。

もやもやしている状態というのは、複数のことが同時に頭にある状態です。これを文字にすると、1つずつ順番に並べるしかありません。並べているうちに「思ったより単純な話だった」「気になっていたのはこの1点だけだった」と気づくことがあるんですよね。

この効果は、書く量と関係がないところが面白いところです。3行でも、頭の中から外に出すという点では同じ働きをします。長く書けば整理が進むわけでもないので、短い日記でも十分に価値があるわけですね。

もう少し具体的に言うと、書くことで起きているのは「言葉にする」という作業です。

頭の中にあるうちは、感情はぼんやりした固まりのままです。それを「悔しかった」「単純に疲れていただけかもしれない」と言葉にすると、輪郭ができます。輪郭ができると扱えるようになり、扱えるようになると距離が取れる。この順番で気持ちが落ち着くことがある、という説明はよく見かけますね。

だからこそ、うまい文章である必要がないわけです。誰にも読ませない前提で、思いついた言葉をそのまま置いていくほうが、この働きには合っています。

ただし、注意しておきたい点もひとつ。気分が大きく落ち込んでいるときに、その原因を長時間書き続けると、かえって同じ考えを繰り返してしまうことがあります。書いていてつらくなってきたら、そこで手を止めて構いません。日記は自分のための道具なので、自分を追い込む使い方をする必要はないんです。心身の不調が続くときは、日記に向かうより医療機関などの専門家に相談してくださいね。

過去の自分と比べられる

もう1つのメリットが、時間が経ってから読み返せることです。

人の記憶は、思っている以上に上書きされます。半年前に何に悩んでいたか、去年の夏に何をしていたか。正確に思い出せる人はほとんどいません。日記があると、その時点の自分の言葉がそのまま残るんですよね。

読み返して面白いのは、成長を確認できることより、当時の悩みが今は悩みでなくなっていることに気づける点かなと思います。あんなに悩んでいたのに今は思い出せもしない、という発見は、いま抱えている悩みへの向き合い方も少し変えてくれます。

この目的なら、連用日記が最も効率的です。去年の同じ日が同じページに並んでいるので、読み返そうと意識しなくても勝手に目に入りますからね。

3つ目に挙げておきたいのが、文章を書くことに慣れるという面です。

日記は読み手がいないので、うまく書く必要がありません。この「評価されない場所で書き続ける」という状況は、文章を書く抵抗感を下げてくれます。仕事のメールや報告書を書くのが苦手な人が、日記を続けているうちに書き出しで止まらなくなった、という話もよく聞きますね。

ただし、これは長く書いた場合の副産物です。3行日記でこの効果を期待するのは無理があるので、文章に慣れることが目的なら自由記述の型を選んでください。

ほかにも、書く習慣がついて文章に慣れる、その日を振り返る時間ができる、記録として後から検索できるといった声もあります。ただ、これらは書き方や型によって得られるかどうかが変わります。全部を1つの日記で狙うより、自分がいちばん欲しいものを1つ決めて、それに合う型を選ぶほうが確実かなと思います。

日記のデメリットと向かない場面

良い面だけ並べても選べないので、現実的なデメリットも書いておきますね。

時間の確保と続かない問題

いちばん大きいのは、単純に時間がかかることです。

自由記述で1日15分書くとすると、1か月で7時間半になります。この時間を確保できるかどうかは、生活の余裕によって決まります。忙しい時期に入ると真っ先に削られるのが、この手の「やらなくても困らないこと」なんですよね。

対策は、書く量を減らすことに尽きます。3行日記なら1回2〜3分程度で終わります。1日3分なら、どんなに忙しくても捻出できる可能性が高いです。続けることを優先するなら、最初から短い型を選んでおくのが現実的かなと思います。

もう1つ、続かないことで自己嫌悪に陥るという副作用もあります。これは日記そのものより、「毎日書く」という自分ルールが原因です。ルールを外して「書ける日に書く」に変えるだけで、この問題は消えます。

日記が続かないことを、自分の性格や意志の問題として受け取らないでください。続かない原因のほとんどは、1回の負担が生活に対して重すぎることか、書く型が合っていないことです。どちらも道具と書き方を変えれば解決する話で、性格を変える必要はありません。日記は自分を採点するための道具ではないので、続いていないこと自体に落ち込む必要はないんですよ。

人に見られるリスクへの備え

紙の日記に特有のデメリットが、家族や同居人に読まれる可能性があることです。

日記は自分だけが読む前提だからこそ、正直に書けます。読まれるかもしれないと思った瞬間、書ける内容が減ってしまうんですよね。これは日記の価値そのものを下げてしまいます。

対策はいくつかあります。鍵付きの日記帳を使う、置き場所を決めて人目に触れない場所にしまう、そもそも読まれて困ることは書かない、といったところですね。鍵付きの日記帳は本格的な施錠ではないので、「何気なく開かれること」を防ぐ程度と考えておくのが現実的です。

デジタルの日記アプリなら、端末のロックとパスワードで守れます。プライバシーを最優先するならアプリのほうが確実ですね。ただし、サービスが終了したときにデータをどう持ち出すかは考えておいたほうがいいかなと思います。

ほかのデメリットとしては、書き続けると保管場所を取ること、紛失や災害でまとめて失う可能性があることも挙げられます。10年日記のように1冊に長期間分をまとめる形式ほど、この影響は大きくなりますね。

保管については、続けるほど現実的な問題になります。1年1冊なら10年で10冊。本棚の一段ぶんくらいは占めることになりますね。

対策としては、連用日記を使って冊数そのものを減らす方法があります。5年日記なら10年で2冊です。あるいは、数年経った古い日記をスマートフォンで撮影してデータとして残し、現物は処分するという方法もあります。どちらを選ぶかは、現物を残しておきたい気持ちの強さで決めるといいかなと思います。

紛失や災害のリスクを気にするなら、大事な記述だけ別に控えておくという考え方もあります。ただ、あまり神経質になると書くこと自体が窮屈になるので、ほどほどでいいかなと思いますよ。

自分に合う日記の型を選ぶ手順

1週間だけ自然に日記を書き、書けた日数と1日あたりの文字数を測ってから道具を選ぶという3ステップのスライド
道具を買う前に1週間だけ試し書きして書ける量を測る手順

ここまでの整理をもとに、自分に合う型を決める手順をまとめますね。順番に答えていけば、買うべき道具まで絞れます。

日記の型を決める3つの問い

①何のために書きたいか(記録/振り返り/共有)

②1日にどれくらいの時間を使えるか(3分/10分/それ以上)

③どのくらいの期間続けたいか(まず1年/数年/期限を決めない)

①で目的が決まると、書く内容が決まります。②で使える時間が決まると、書式が決まります。③で期間が決まると、買う道具が決まります。

組み合わせの例を挙げておきますね。

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目的 使える時間 向いている型 選ぶ道具
振り返り 3分 3行日記・連用型 5年日記など1日3行前後の日記帳
振り返り 10分以上 自由記述 1日1ページ型の日記帳
記録 3分 項目を決めた型あり 方眼ノート・フリー型
記録 時間はまちまち 不定期のライフログ 日付なしのノート
共有 相手次第 交換日記 丈夫な表紙のノート

まず1週間だけ書いて分量を測る

とはいえ、②の「1日にどれくらい時間を使えるか」は想像では分かりません。ここだけは実測してほしいところです。

やり方は簡単で、手元の紙かスマホのメモに1週間だけ日記を書いてみてください。このとき、書式は決めずに自然に書くのがポイントです。

1週間経ったら、2つの数字を見ます。何日書けたかと、1日あたり何文字書いたかですね。

7日中5日以上書けたなら、日付入りの日記帳が向いています。3日以下なら、フリー型を選んで空白を作らないほうが気持ちよく続くはず。文字数が40字前後なら連用日記の3行で足りますし、100字を超えるなら1日1ページ型を検討する価値があります。

記録として何をどう残すかは、趣味の記録でも考え方は同じです。項目を決めて同じ形式で積み上げる具体例は記録ノートの作り方をまとめた記事で紹介しているので、記録目的で日記を始める人は参考にしてみてください。

この1週間の実測は、道具を買う前にやるのがおすすめです。日記帳は1年から10年つき合う道具なので、最初の1週間を投資する価値は十分ありますよ。

逆に言うと、道具を先に買わないほうがいいということでもあります。

売り場で気に入った日記帳を買ってから「さて何を書こう」と考え始めると、その日記帳の形式に自分を合わせることになります。1日1ページの日記帳を買った人が、埋めるために無理やり書く。これが続かない典型的なパターンですね。

先に自分の書き方を測って、それに合う道具を選ぶ。順番を逆にするだけで、同じ日記帳でも続く確率はかなり変わってきますよ。

日記が続かないときの立て直し方

最後に、始めたあとの話もしておきますね。日記が止まるのは珍しいことではないので、そのときどうするかを先に知っておくと復帰が早くなります。

まず前提として、止まっても失敗ではありません。数日書かなかったからといって、それまでの記録が無効になるわけではないですしね。

立て直す手順は3つです。

1つ目が、空白を埋めないこと。抜けた日を遡って書こうとすると、それが負担になってさらに遠のきます。今日の日付から再開すれば十分です。

2つ目が、書く量を減らすこと。止まった原因はたいてい「1回の負担が重い」ことなので、同じ量で再開してもまた止まります。3行を1行にする、文章をやめて単語だけにする。こうした縮小は、後退ではなく調整です。

3つ目が、書くタイミングを別の習慣にくっつけること。歯磨きの後、コーヒーを淹れた後、布団に入る前。すでにある習慣の直後に置くと、思い出す確率が上がります。

実際の立て直し方を、ひとつ例で示しておきますね。

自由記述で3週間続いたあと、忙しくなって2週間止まったとします。このとき再開のハードルになるのは「2週間ぶんの空白」と「また15分書かなければ」という2つです。だから、空白は埋めずに今日から再開し、書く量を3行に減らす。この2つを同時にやると、再開の負担は元の5分の1くらいになります。

そして落ち着いてきたら、書きたい日だけ長く書けばいいわけです。3行を下限として、余裕がある日は伸ばす。この形なら、忙しい時期が来ても記録が完全には途切れません。

それでも続かないなら、その型が合っていないというサインかもしれません。自由記述で止まるなら型ありへ、毎日の日記で止まるなら週1回の記録へ。形を変えることは諦めることではないので、いろいろ試してみてくださいね。

型が決まったら、あとはその型に合う道具を選ぶだけです。3行前後で書くなら連用日記、長く書くなら1日1ページ型、不定期ならフリー型。書店や文具店では日記帳のコーナーにまとまって並んでいるので、実物を開いて1日ぶんの欄の広さを見比べてみてくださいね。

日記の書き方に正解はありません。天気だけ、食べたものだけ、ひとことだけでも立派な記録です。1年後に読み返したとき、その日の空気が少しでも思い出せれば、それで日記としての役目は果たしています。

日記に関するよくある質問(FAQ)

日記は毎日書かないと意味がないですか?

そんなことはありません。毎日書く必要があるのは提出する日誌のほうで、自分のための日記に義務はないんです。週に2〜3回でも、書きたい日だけでも記録としては十分に機能します。むしろ毎日書くルールを自分に課したせいで続かなくなるほうが、失うものは大きいかなと思います。書かない日があっても、その分を埋め戻す必要もありませんよ。

日記に何を書けばいいか分かりません

書く項目を先に決めてしまうのがおすすめです。「今日食べたもの」「印象に残ったこと」「明日やること」のように3つ決めて、毎日同じ枠を埋める形にすると迷う時間がなくなります。天気だけ、会った人だけでも構いません。何を書くか自由すぎることが、書けない原因になっているケースは多いですよ。

日記とジャーナリングは何が違うのですか?

目的の違いで呼び分けられていると考えると分かりやすいです。日記はその日の出来事や気持ちを残すことが中心で、ジャーナリングは頭の中にあることを書き出して整理することが中心とされています。ただ、境界ははっきりしていません。日記に思考の整理を書く人もいますし、ジャーナリングに出来事を書く人もいます。呼び方より、自分が何のために書くかを決めておくほうが大事かなと思います。

紙とアプリはどちらで書くのがいいですか?

読み返し方で選ぶと決めやすいです。検索して探したい、写真も一緒に残したいならアプリ。ページをめくって偶然目に入る形がいいなら紙ですね。プライバシーの面ではアプリのほうが守りやすく、書く時間を落ち着いた時間にしたいなら紙のほうが向いています。両方使って、外ではアプリ・家では紙という分け方をしている人もいますよ。

昔の日記は読み返したほうがいいですか?

読み返す前提で書くと内容が変わってしまうので、無理に読み返す必要はありません。ただ、1年経ってから見ると当時の悩みが思い出せないことに気づけたりするので、区切りのタイミングで眺めてみるのは面白いですよ。連用日記なら、書くたびに去年の同じ日が目に入るので、読み返そうと意識しなくても自然に振り返ることになります。読んでいてつらくなる記述があれば、そこは飛ばして構いません。

まとめ:日記は自分に合う型を選べば続く

日記の全体像を、もう一度整理しておきますね。

  • 日記は自分のための記録。毎日書く義務も、正確さの義務もない
  • 日誌は読み手のいる記録。そのルールを日記に持ち込まない
  • 日記の型は書式・期間・目的の3軸で整理できる
  • メリットは気持ちの整理と、過去の自分と比べられること
  • デメリットは時間の確保と、人に見られる可能性への備え
  • 1週間だけ試し書きして、書けた日数と文字数を測ってから道具を選ぶ

日記が続かないのは、意志が弱いからではなく型が合っていないからというケースがほとんどかなと思います。1日3行でも、週に1回でも、記録は記録です。自分にとって無理のない形を見つけることが、結局いちばんの近道になりますよ。

なお、この記事で紹介した効果や傾向は、日記を続けている人の一般的な声をもとにした整理です。感じ方には個人差がありますし、効果を保証するものではありません。気分の落ち込みや心身の不調が続くときは、日記に頼らず医療機関や専門の相談窓口にご相談くださいね。

あなたに合う書き方が見つかりますように。