FREE LIFE DESIGN / REVIEW
フィッシュグリップの選び方|魚種別のサイズと耐荷重で失敗しない比較基準

フィッシュグリップのおすすめ比較|魚種別に失敗しない選び方
竿先がぐいっと曲がって、なんとか足元まで寄せて、さあ持ち上げよう、というところで手が止まる。
「釣れたのはいいけど、この魚どうやってつかもう…」という数秒、経験ありませんか。
ヒレがピンと立っていたり、口の中のどこに針が刺さっているのか見えなかったり、そもそもビチビチ暴れて触りたくなかったり。
わかります、あそこはけっこう焦りますよね。
そこで出番になるのがフィッシュグリップ、いわゆる魚つかみです。
先に結論を書いてしまうと、選び方の軸そのものはかなりシンプルでして、小型の魚には胴体を横から挟むトング型、大型の魚には耐荷重を確認したうえでのグリップ型、これが基本形になります。
ところが実際に売り場やネットの一覧を眺めると、形も素材もサイズもバラバラで、どれが自分の釣りに合うのかが見えにくい。
そこでこの記事では、特定の製品を並べるのではなく、どういう基準で選べば外さないのかという考え方のほうを体系立てて整理していきます。
出てくる寸法はあくまで一般的な目安ですので、私が示す数値をそのまま当てはめるというより、自分の狙う魚に置き換えながら読んでもらえたらうれしいです。
- 素手で魚をつかんだときに何が起きるのか
- トング型とグリップ型の構造と向き不向き
- ステンレス・アルミ・樹脂という素材ごとの差
- 魚の全長から逆算するサイズと耐荷重の見方
フィッシュグリップが必要になる理由
フィッシュグリップは「あると便利な小物」という位置づけで語られがちな道具です。
ただ私は、これは手と魚の両方を守るための道具だと考えています。
守る相手が片方だけではない、というのがこの道具のいちばん面白いところ。
まずはその理由を、3つの角度から分解していきますね。
素手でつかむと起きるトラブル

結論からいくと、魚を素手でつかむ行為は滑る・暴れる・けがをするという三重苦になりがちです。
理由は単純で、魚の体はもともと人間の手で握られる前提の形をしていないから。
具体的に何が起きるのか、起こる順に並べてみます。
ひとつめが、ぬめりによるすっぽ抜け。
魚の体表は粘液で覆われていて、しっかり握ったつもりでもぬるっと抜けていきます。
落ちた魚は地面に打ちつけられて傷みますし、堤防なら跳ねてそのまま海へ落ちてしまうことも。
ふたつめが、私がいちばん怖いと思っている事故でして、魚に刺さったままの針が自分の手に刺さるというパターンです。
片手で魚を握って、もう片方の手で針に触れようとした、まさにその瞬間に魚が跳ねる。
この流れでフックが手のひらや指に入るケースは、決して珍しい話ではありません。
とくに三本針のトレブルフックは、1本が魚に刺さったまま別の1本が人に刺さると、魚と自分がつながった状態になってしまいます。
みっつめは、ヒレやエラぶたのふちで手が切れること。
背ビレのトゲはもちろん、エラぶたの後ろ側が刃物のように鋭い魚もいて、力を入れて握り込んだだけでスッと切れてしまう。
血が出ると、そこから先の釣りはどうしても集中しづらくなりますよね。
よっつめは地味なのに地味に効いてくる話で、ぬめりと魚の臭いが手に残るという問題があります。
そのあとに細いハリスを結ぼうとしても指先が滑って、結び直しばかりでチャンスタイムが終わる、なんてことも起こりえるでしょう。
おにぎりや飲み物に手を伸ばすときにも、この臭いはずっとついて回りますよね。
「だったら軍手や手袋をすればいいのでは」と考える方もいると思います。
もちろん何もしないよりは守られますが、濡れた布はぬめりを含んでかえって滑りやすくなりますし、細いトゲに対して布地が万全というわけでもありません。
手袋は切り傷を軽くするためのもので、魚を固定するためのものではない。
そう役割を分けて考えたほうが、実態に合っていると思います。
固定は道具に任せて、手袋はその補助に回す。
この分担にすると、どちらも本来の力を発揮しやすくなりますよ。
「小さい魚くらい手でいけるでしょ」という気持ちも、正直よくわかるんです。
ただ、事故が起きるのはたいてい油断している小物のほうで、魚のサイズと危険度は比例しません。
道具をひとつ挟むだけで避けられるリスクなら、素直に避けておきたい。
これが、私がフィッシュグリップを最初の一本に推したい理由です。
魚の口に針が残っている状態というのは、その針がいつでも自分に向かって動きうる状態でもあります。
魚を手で押さえ込んでから針に触れるのではなく、道具で固定してから針に触れる、という順番を崩さないようにしてください。
手に針が刺さってしまった場合は、その場で無理に引き抜こうとせず、適切な対応を優先しましょう。
毒や鋭い歯を持つ魚から手を守る
ここは安全に直結する話なので、はっきり書きます。
毒を持つ魚は素手で触らない。
これは道具があるかどうか以前の前提として、頭の中に置いておきたいところ。
というのも、毒を持つ魚は特別な沖合にいるわけではなく、堤防のサビキ釣りでごく普通に釣れてくるからなんですね。
代表的なところを3種類だけ挙げておきます。
まずゴンズイ。
背ビレと胸ビレに毒のあるトゲを持っていて、しかも死んでも毒が残るとされています。
つまり、釣れた個体だけでなく、堤防に転がっている個体をサンダルで踏んでしまう事故もありうるということ。
足元にも目を配っておきたいですね。
次にアイゴ。
こちらは背ビレ・腹ビレ・尻ビレのすべてに毒のトゲが隠れていて、刺されるとズキズキとした強い痛みが長く続くといわれます。
ヒレをたたんでいると細いトゲが見えにくいので、「棘のある魚」という警戒心が働きにくいのが厄介なところ。
そしてハオコゼ。
手のひらに乗るくらい小さいのに、背ビレ・腹ビレ・尻ビレに毒を持っていて、小さいのに強く痛むとされています。
「このサイズなら平気だろう」がいちばん通用しない魚かもしれません。
3種類に共通しているのは、どれも堤防の足元で釣れる身近な魚だということ。
そして、見た目だけでは危険度が伝わってこないという点も似ています。
だからこそ私は、「知らない魚は触らない」を最初のルールにしてしまうのが早いと考えています。
とくに夜釣りだとヘッドライトの光だけで魚を見分けることになるので、判断の難易度はさらに上がりますよね。
迷ったら道具でつかむ、判断がつかないなら針から先を切って返す。
この2択をあらかじめ用意しておけば、素手で触るという選択肢が自然に消えていきます。
では、実際にかかってしまったらどう扱うか。
ここは魚の大きさで判断を分けると考えやすくなります。
小型のものは、フィッシュグリップでしっかりつかんでから針を外し、そのままリリースするのが安全な流れ。
手を近づけずに魚を固定できる、というのがこの道具の最大の価値ですね。
一方、アイゴのようにサイズのあるものは、そもそもつかもうとしないという選択肢を持っておきたいところ。
タモですくうか、竿である程度引き上げた状態で魚の上のハリスをハサミで切って、そのまま海に返すほうが、無理に触るよりずっと安全です。
仕掛けは何度でも作り直せますが、手は作り直せませんから。
毒だけでなく、歯の鋭い魚にも同じ考え方があてはまります。
口の中に手を入れない、という一線は守っておきたいところ。
歯が並んだ魚は、暴れた拍子に口を閉じるだけで指が切れてしまいます。
それでも刺された、あるいは咬まれたという場合は、自己判断で様子を見ずに速やかに医療機関を受診してください。
症状の出方には個人差がありますし、いったん痛みが引いたように見えても受診が必要なケースがあります。
釣りを中断してでも、そちらを優先する。
これは覚えておいて損のない判断基準だと思います。
海の釣り場にどんな危険があって何を用意しておけばいいのかは、海での釣り初心者が劇的に上達する!失敗しない道具選びと安全の秘訣のほうで、もう少し広い視点からまとめています。
魚を傷めずに逃がすためにも役立つ
ここまでは自分の手を守る話をしてきました。
でも、この道具のもう半分の価値はリリースする魚のためにあります。
釣った魚をすべて持ち帰るわけではないですし、小さすぎる魚や食べる予定のない魚は海へ返しますよね。
そのときの扱い方ひとつで、返した魚がその後も生きられるかどうかが変わってくる。
気をつけたいポイントは4つあります。
ひとつめは、エラに指を入れないこと。
エラは呼吸をするための器官で、細い血管が集まっていて、指で触れるだけでも傷ついてしまいます。
持ちやすいからとエラぶたに指をかける光景をたまに見かけますが、返す予定の魚には向かない持ち方ですね。
ふたつめは、地面に置いて上から押さえつける扱いを避けること。
コンクリートや砂の上で転がすと、体表のぬめり、つまり保護膜がはがれてしまいます。
この膜は細菌や寄生虫から体を守るバリアの役割を持つといわれるので、はがれた魚は弱りやすくなる。
みっつめは、水から出している時間をできるだけ短くすること。
写真を撮るのであれば、魚を上げる前にカメラを準備しておくだけで、拘束時間はぐっと減らせますよ。
よっつめは、どうしても手で触れる必要があるときは濡らした手で扱うこと。
乾いた手や乾いたタオルは、保護膜をごっそり持っていってしまいます。
魚に触れる面がラバーになっているタイプのフィッシュグリップが好まれるのも、同じ理由からですね。
そしてもうひとつ、持っておくと判断が速くなる視点があります。
それは、食べる魚か逃がす魚かで扱い方を切り替えるという考え方。
持ち帰る魚なら鮮度が最優先なので、手早く締めて冷やす流れになります。
返す魚なら、短時間かつ低ダメージが最優先。
同じ「魚をつかむ」という行為でも、目的が違えば正解も変わってくるわけです。
この切り替えを意識できるようになると、フィッシュグリップの使い方も自然と変わってきます。
ちなみに、返した魚がすぐには泳ぎ出さないこともあります。
そういうときは無理に押し出さず、水中で体を支えたまま、自分から泳ぎ出すのを待ってあげたいところ。
弱った魚を放り投げるように返してしまうと、ここまで丁寧に扱った意味が薄れてしまいますからね。
◆ケイのワンポイントアドバイス
リリース中心の釣りをするなら、魚に触れる面がラバーやコーティング仕上げになっているタイプを候補に入れてみてください。
金属がむき出しのものに比べて、挟んだときに体表を削りにくいという利点があります。
そのぶん洗浄と乾燥は丁寧にしておきたいところですね。
釣りそのものをこれから始めるところだという方は、釣り初心者の始め方完全ガイド!失敗しない道具選びと場所のコツを先に読んでおくと、魚を掛けてからリリースまでの一連の流れがつかみやすくなります。
種類と素材で使い勝手が変わる
ここからは道具そのものの中身に入っていきます。
フィッシュグリップは、大きく分けるとトング型とグリップ型の2タイプ。
そこに素材が3種類あって、選択肢が無数にあるように見えて、じつはこの組み合わせでほとんど決まってしまいます。
形と素材、それぞれの得意分野を押さえていきましょう。
トング型は小型魚を横から挟む
トング型は、ハサミやトングのような形状で、魚の胴体を横からしっかり挟んで固定するタイプです。
挟む場所は腹部や背中まわり、つまり魚の体そのもの。
売り場ではフィッシュホルダーや魚つかみという名前で並んでいることもあるので、呼び方の違いを知っておくと探しやすくなりますよ。
このタイプのいちばんの強みは、小型魚に対する効率のよさ。
胴体を横から挟むだけなので、口が小さくても、口の形が変わっていても関係なく固定できます。
毒魚を素早くつかんで針を外す、という用途で頼りになるのもこの形。
手を近づけずに、上から挟んで持ち上げる。
この一連の動作が数秒で終わるという点が、安全面ではとても大きい。
挟む位置にもちょっとしたコツがあって、頭に近い背中側を狙うと魚が暴れにくくなります。
尾に近い場所を挟んでしまうと支点が後ろすぎて、頭が大きく振れてしまうんですね。
そして挟んだあとは、魚をぶら下げたままにせず、地面と平行に近い姿勢を保つ。
この2点を意識するだけでも、そのあとの針外しがずいぶん楽になりますよ。
もちろん弱点もあります。
ひとつは、大型魚に対応しにくいこと。
胴の太い魚は開口部に収まりませんし、無理に挟んだところで体重を支えきれません。
もうひとつは、挟む力が強すぎると魚を傷めてしまう点でしょう。
内臓のある腹部を強く挟むのは魚にとって負担なので、リリース前提の釣りなら力加減と挟む位置に気を配りたいところ。
「それなら万能なほうを買えばいいのでは」と思うかもしれません。
ただ、堤防でサビキや投げ釣りを楽しむ範囲であれば、トング型で困る場面はそう多くないはず。
まずは2タイプの違いを、表で並べて見比べてみましょう。
→ 横にスクロールできます
| 項目 | トング型 | グリップ型 |
|---|---|---|
| つかむ場所 | 胴体(腹部や背中)を横から挟む | 下顎をアームで挟み込む |
| 向いている魚のサイズ | 小型魚が中心、中型まで対応 | 中型から大型魚、口に入れば小型も可 |
| 別の呼び方 | フィッシュホルダー/魚掴み | —(フィッシュグリップと呼ばれるのは主にこの形) |
| 得意なこと | 口の形を選ばず素早く固定できる/毒魚の処理 | 大きい魚を保持できる/汎用性が高い |
| 苦手なこと | 胴の太い大型魚/挟みすぎによる魚へのダメージ | 口の小さい魚や歯が密集した魚/吊り下げによる負担 |
グリップ型は下顎を挟んで持つ

グリップ型は、魚の下顎をアームで挟み込んで使うタイプです。
握り手側のレバーやトリガーでアームを開閉する構造が一般的で、下顎に差し込んでからロックする、という使い方になります。
最大の特徴は、中〜大型魚に使いやすいという点。
魚の胴がどれだけ太くても、下顎さえ挟めれば保持できるので、サイズの上限がトング型よりも高くなります。
そして意外と知られていないのが、汎用性の高さ。
口にアームが入りさえすれば小型魚でも使えますので、実際の適用範囲はイメージよりずっと広いんですね。
「大物専用の道具」という先入観で候補から外してしまうのは、少しもったいない話。
ただし、使い方には注意点があります。
それは持ち方でして、魚を吊り下げると顎や体に負担がかかるという点。
下顎だけで全体重を支えると、顎の骨や内臓を傷めるといわれます。
大きい魚ほど、もう片方の手を体の下に添えて水平に保つのが基本。
写真を撮るときも、水平に構えたほうが魚のシルエットがきれいに出るので、見た目の面でも理にかなっていますよ。
もうひとつ、下顎に差し込む作業は、魚が水面近くにいる状態で行うほうが安全です。
完全に抜き上げてから口を探すと、宙で暴れる魚に手を近づけることになってしまいます。
水面で下顎を挟み、しっかり固定できたのを確かめてから持ち上げる。
この順番にすれば、手と歯の距離を最小限に抑えられますね。
逆に苦手なのは、口が小さい魚と、歯が密集した魚。
前者はそもそもアームが入りませんし、後者はアームを入れる過程で手が歯に近づく形になってしまいます。
そういう魚を主に狙うのであれば、素直にトング型を選んだほうが快適でしょう。
まとめると、グリップ型は「大は小を兼ねる」寄りの道具です。
ただし兼ねられない領域もはっきりしている、という理解のほうが実用的だと思います。
ステンレスとアルミと樹脂の違い
素材選びは、錆びにくさ・重さ・強度のどれを優先するかで決まります。
3種類ともそれぞれに得意分野があるので、順番に整理していきますね。
まずステンレス。
錆びにくく強度が高いのが持ち味で、大きな魚を支える場面での安心感につながります。
一方で比重が大きいぶん重くなりやすいので、長時間ベストにぶら下げて歩くスタイルだと、その重さが気になってくるかもしれません。
次にアルミ。
アルマイト加工を施すことで、より錆びに強くなるのが特徴です。
そのうえ軽量性にも優れているので、強度と軽さのバランスを取りたいときに候補へ入ってきます。
そして樹脂、いわゆるプラスチック。
軽くて錆びないという、海で使う道具としてはかなり強い性質を持っています。
特殊な樹脂を使って強度を高めた製品もありますし、価格を抑えやすいという点も、最初の一本を選ぶときにはありがたいところ。
ここで素材の話とセットで押さえておきたいのが、使ったあとの手入れです。
海で使うなら、使用後の水洗いは前提だと考えておいてください。
塩分は金属の劣化につながりますし、可動部に砂を噛んだままにすると開閉が渋くなっていきます。
洗ったあとは水気を切って、しっかり乾かしてから収納する。
可動部に入り込んだ砂は、指先や使い古しの歯ブラシで落としておくと、開閉の感触が長持ちします。
逆にいえば、洗うのが面倒だと感じるタイプの人なら、最初から樹脂を選んでしまうのも立派な戦略ですよ。
道具は、続けられる手入れの範囲で選ぶ。
これも立派な選定基準の一つかなと思います。
素材は「強さ」だけで選ぶと重さで後悔し、「軽さ」だけで選ぶと大物を掛けたときに不安が残ります。
先に狙う魚のサイズを決めて、そのうえで持ち歩く時間の長さと手入れの手間を天秤にかけると、迷いが少なくなります。
素材の話だけでなく、道具全体をどの順番で揃えていくかを整理したい方は、【保存版】釣り初心者が後悔しない道具選び!2026年最新ガイドのほうで優先順位から見直してみてください。
魚種別に選ぶおすすめのサイズ
ここからが実践編です。
サイズ選びの基準は、じつはとてもシンプル。
狙う魚の全長を基準にする、これに尽きます。
なお、これから挙げる寸法はあくまで一般的な目安であって、製品ごとに寸法の測り方も仕様も違います。
自分の釣り場と狙う魚に置き換えながら、幅を持って読んでみてくださいね。
20cm以下の小型魚に合うサイズ

まずは小型帯から。
全長20cm以下の小型魚なら、全長150〜200mm程度のコンパクトなトング型が目安になります。
理由は、この帯の魚に求められるのが保持力よりも「取り回しの速さ」だから。
想定される場面としては、サビキで釣れる小魚、狙っていないのに食ってくる堤防の外道、そして前半で触れた毒魚のリリースあたりでしょう。
どれにも共通しているのは、手早く固定して、手早く針を外して、手早く返すという流れです。
ここで道具が大きすぎると、ポーチやベストから取り出すのに手間取ってしまいます。
魚を足元で押さえたまま道具を探す時間が生まれて、その数秒がいちばん危ない。
つまり、小さくて軽いほどベストやポーチに収まり、すぐ取り出せるという実用性が、そのまま安全性につながっていくわけですね。
参考までに、小型魚を扱うときの流れを分解しておきますね。
まず、魚を抜き上げる前の段階でフィッシュグリップを取り出しておく。
次に、魚が動きを止めた一瞬を狙って、背中側から胴体を挟みます。
固定できたら空中でぶら下げたままにせず、体を支えるか、水を張ったバケツの上まで移動させましょう。
そのうえでもう片方の手にプライヤーを持ち、針を外す。
返す魚なら、そのまま水面へ下ろして放します。
文章にすると長く感じますが、慣れれば十数秒で終わる流れですよ。
大事なのは、この間ずっと素手が魚にも針にも触れていないという点です。
「小さい魚なんだから道具はいらないのでは」という声もありそうです。
でも私はむしろ逆だと考えていて、数が釣れる釣りほど魚に手を近づける回数が増えます。
数十匹釣る日なら、その回数だけ手を近づけることになる。
一回あたりのリスクが小さくても、回数が積み上がれば総量は無視できません。
数を釣る日ほど、コンパクトな一本の価値がじわじわ効いてきますよ。
まずは小型魚まわりを1本でまかないたい、という方はこのあたりのサイズから見てみてください。
全長の表記と、ポーチやベストに収まるかどうかを見比べると絞りやすいですよ。
20から40cmの中型魚に合うサイズ
続いて中型帯です。
20〜40cmの中型魚なら、全長200〜250mm程度のハサミ型が目安になります。
この帯がいちばん判断に迷うところ。
なぜかというと、トング型でもグリップ型でも成立してしまうサイズ感だからなんですね。
胴を横から挟んでも支えられますし、口にアームを差し込んでも保持できてしまう。
では何を基準に決めるかというと、私は狙う魚の口の形で分けるのが一番わかりやすいと思っています。
口が大きく開いて、下顎にアームを差し込めそうな魚が主役ならグリップ型。
口が小さかったり、歯が並んでいたり、そもそも何が釣れるかわからない五目釣りならトング型。
この分け方なら、実釣で「入らない」という事態を避けやすくなります。
ありがちな失敗も挙げておきますね。
大は小を兼ねるだろうと大型向けの大きなグリップ型だけを用意して、実際に釣れたのは口の小さい中型魚ばかり、というパターン。
アームが口に入らず、結局は素手で押さえることになってしまいます。
逆に、小さなトング型だけで中型魚に挑んで、胴が開口部に収まらずに取り落とすというケースもある。
どちらも「サイズを一段だけ見誤った」ことが原因なので、通う釣り場で釣れる魚を先に思い浮かべておくだけで防げます。
もうひとつ、迷ったときの現実的な考え方も置いておきましょうか。
いろいろな魚を釣るスタイルなら、まず中型帯を一本持っておくと守備範囲が広くなります。
小型の魚は中型用でもだいたい掴めますし、上のサイズで少し足りない場面が出てくるくらい。
両端から揃えるより、真ん中から広げていくほうが買い直しは減らせるでしょう。
もちろん、狙う魚が最初からはっきりしているなら、その魚に合わせて選んだほうが快適です。
汎用性と最適化はトレードオフの関係なので、自分の釣行スタイルと相談してみてください。
40cm以上の大型魚と耐荷重の確認
最後に大型帯。
40cm以上の大型魚なら、全長250〜300mm程度のグリップ型が目安になります。
そしてこの帯から、耐荷重の表示を確認するという手順が加わります。
理由は、大型魚では道具の破損がそのまま事故につながるから。
魚を落として傷めるだけでは済まず、破断した部品が自分に向かってくる可能性もあります。
ここで大事なのは、耐荷重を「魚の重さ」とだけ比べないという発想。
魚は宙に浮いた瞬間におとなしくなってくれるわけではなく、むしろ激しく暴れますよね。
暴れたときの瞬間的な力は、魚の体重よりも大きくなると考えておくのが安全側の見積もりになります。
ですから、狙う魚の重さぴったりの数値ではなく、余裕を持たせた数値を選ぶ。
もうひとつ、判断基準としてはっきりさせておきたいのが表示そのものの有無です。
耐荷重の表示がない製品は、大型魚には使わない。
表示がないということは、どこまで耐えられるのかが設計として示されていない、ということでもあります。
小物用と割り切って使うぶんには困りませんが、大きい魚をぶら下げる用途に持ち込む理由はないでしょう。
なお、表示値も仕様も製品ごとに異なりますし、同じシリーズでもサイズ違いで数値が変わることがあります。
この記事で挙げた寸法や考え方はあくまで目安ですので、正確な仕様や価格は公式サイト・販売店でご確認ください。
購入前にスペック表へ一度目を通しておくだけで、届いてから「思っていたより小さい」という失敗はかなり減らせます。
そのスペック表を見るときは、全長だけでなくアームが開く幅にも目を向けてみてください。
全長が長くても開口部が狭ければ、下顎の厚い魚には入っていきません。
反対に、開口部が広くても本体が短ければ、手が魚の口元に近づくことになります。
全長・開口幅・耐荷重の3つをセットで読む、という見方がおすすめ。
あわせて重量の表記も確かめておきたいところ。
長時間ベストに下げて歩くスタイルなら、この数値がその日の快適さを左右してきます。
大型魚を扱うときに見ておきたいチェックは3つ。
1つめは耐荷重の表示があること、2つめは狙う魚の重さに対して余裕があること、3つめは吊り下げずに体を支えられる持ち方を想定しておくこと。
この3点が揃っていれば、サイズ選びで大きく外す場面は少なくなります。
つかんだ大きい魚をそのまま持ち帰る予定があるなら、釣り用クーラーボックスおすすめ比較|容量と保冷力の失敗しない選び方も合わせて読んで、その魚が収まる容量かどうかを先に確かめておくと安心です。
大型魚まで見据えるなら、耐荷重の表記があるグリップ型を候補に入れておくと安心です。
商品ページで耐荷重と全長が明記されているかを、購入前に確かめてみてくださいね。
紛失防止と針外しプライヤーの併用

ここまでで、形・素材・サイズという3つの軸は揃いました。
ただ、道具として本当に完成するのは、あと2つの要素が加わってからだと私は思っています。
それが落とさない工夫と、針外しとの役割分担。
まずは紛失防止から見ていきましょう。
フィッシュグリップは、水辺で片手作業に使う道具です。
だからこそ、落とす前提で対策しておくほうが現実的。
尻手ロープ(ランヤード)とカラビナが付いている製品であれば、ベルト通しやフィッシングベストに装着したまま使えます。
伸び縮みするタイプのロープなら、装着したままでも手元の動きを邪魔しにくいですね。
加えて、水に浮くフローティング設計の製品もあります。
堤防や船の上で落としたものは、基本的に回収できません。
ところが浮いてさえいれば、タモの届く範囲なら拾い上げられる可能性が残る。
この2つは地味な機能ですが、失くしてから「付けておけばよかった」と効いてくるタイプの要素かなと思います。
次に、プライヤーとの併用について。
ここを混同している方が意外と多いのですが、フィッシュグリップは「魚を固定する」道具、プライヤーは「針を外す」道具で、役割がまったく違います。
片手でフィッシュグリップを持って魚を固定し、もう片方の手でプライヤーを使って針を外す。
これが基本の形になります。
この持ち替えを滑らかにするために、道具の置き場所を決めておくと違ってきますよ。
プライヤーは利き手側、フィッシュグリップは反対側、というように定位置を作っておく。
魚が暴れている状況で道具を探す時間をゼロにできるのは、想像以上に効いてきます。
逆にいえば、どちらか一方だけでは作業が完結しないということ。
素手で針を外そうとしないというルールを自分の中に作っておくだけで、事故はかなり減らせるはずです。
プライヤーは針をつまむだけでなく、ラインを切る機能を備えたモデルもあるので、一本あると出番の多い道具でもありますよ。
それでも、針が深く飲まれているとか、自分の手に刺さってしまったという場面はありえます。
そのときは無理に外そうとせず、医療機関を含めた適切な対応を優先してください。
飲まれた針については、ハリスを切って放したほうが魚にとって負担が小さい場合もあるといわれます。
ここまで整理してきた基準は、あくまで一般的な考え方の体系化です。
実際の製品仕様や、それが自分の釣りに合うかどうかについては、最終的な判断を専門家や販売店、メーカーへ確認したうえで決めてください。
針外し用のプライヤーはフィッシュグリップとセットで持つ道具なので、まだ持っていなければ一緒に見ておくと現場で困りません。
錆びにくさと先端の形は製品ごとに差があるため、仕様を確認してから選んでみてください。
フィッシュグリップに関するよくある質問(FAQ)
100均やホームセンターのもので代用できる?
小型の魚を軽く挟むだけなら、代用が成り立つ場面もあります。
ただし、こうした製品は耐荷重が示されていないことが多く、大型魚をぶら下げる用途には向きません。
違いが出やすいのは、可動部の作り、挟んだ状態を保つ機構、素材の錆びにくさ、そして尻手ロープを付けられるかどうかといったあたり。
まず手持ちのもので試して、不便を感じたら釣り具として設計されたものへ移る、という順番も現実的です。
ただ、毒を持つ魚が釣れる可能性のある釣り場では、しっかり固定できるものを最初から用意しておくほうが安心でしょう。
トング型とグリップ型、最初の1本はどっち?
迷ったらトング型から、というのが私の答えです。
理由は、口の形を選ばずに固定できるので、想定外の小魚や毒魚が釣れたときにも対応しやすいから。
収納のことも合わせて考えておくと、あとで置き場所に困りません。
ベストのポケットに入れるのか、腰のベルトに下げるのか。
先に決めておくと、全長のどこまでなら許容できるかが自然に絞られますよ。
反対に、最初から大きい魚を狙う釣りをするのであれば、耐荷重の表示があるグリップ型を選ぶほうが理にかなっています。
両方揃えなければいけないわけではないので、いま通っている釣り場で実際に釣れる魚のサイズから逆算して決めてみてください。
淡水の釣りでも同じ選び方でいい?
基本の考え方は同じで問題ありません。
全長でサイズを決めて、口の形でタイプを決める、という手順は淡水でも変わらないところ。
口が大きく開く魚が主役ならグリップ型が扱いやすく、口の小さい魚が多いならトング型が向きます。
淡水でも歯やヒレでけがをする魚はいますので、素手前提にしないという方針もそのままです。
違うのは素材の優先度で、塩水を浴びないぶん錆びにくさの重要度は下がり、軽さや扱いやすさで選びやすくなります。
ただ、海と淡水の両方をやるなら、海を基準に選んでおくと使い回しが利きますよ。
子どもと一緒に使うときの注意は?
最初に、魚がいない状態で開閉の練習をしておくことをおすすめします。
開いたアームや刃状の部分で自分の指を挟んでしまうことがあるためです。
実際に魚を扱うときは、固定する役と針を外す役を分けて、二人が同時に魚へ手を出さないようにすると事故が減ります。
また、針が付いたままの魚に子どもが手を伸ばさないよう、大人が位置取りで先回りしておきたいところ。
見慣れない魚や、毒を持つ魚かどうか判断がつかない魚については、大人が扱うと決めておくほうが安全です。
食べる魚を扱うとき、衛生面で気をつけることは?
食べる魚に触れる道具なので、まな板や包丁と同じ感覚で考えておくとよいと思います。
使ったあとは真水で洗い、可動部の汚れも落としてから乾かす。
ぬめりや血が残ったままだと臭いの原因になりますし、次に使うときの持ち味も悪くなります。
ラバー面や溝のある部分は汚れが残りやすいので、洗うときに意識して流しておきたいところ。
また、深い傷が入った樹脂部分は汚れが入り込みやすくなるため、状態を見ながら買い替えを検討するのも一つの判断です。
フィッシュグリップのおすすめ選びのまとめ
長くなったので、選び方の順番をもう一度だけ整理しておきます。
- まず狙う魚の全長を思い浮かべて、そこからサイズを決める
- 小型魚は胴を横から挟むトング型、大型魚は耐荷重を確認したグリップ型を軸にする
- 素材は使う場所と、続けられる手入れの手間から逆算して選ぶ
- 尻手ロープやフローティング設計といった紛失防止と、針外し用プライヤーの併用まで込みで揃える
この4段階を上から順に埋めていけば、選択肢はかなり絞り込めるはずです。
そして忘れたくないのが、毒を持つ魚は素手で触らないという前提。
刺されたり咬まれたりした場合は、速やかに医療機関を受診してください。
製品ごとの正確な仕様については公式サイトや販売店で確認し、最終的な判断は専門家や販売店、メーカーへ相談したうえで決めていただければと思います。
フィッシュグリップは、正直なところ派手さのない道具ですよね。
でも魚が釣れた直後というのは、その日いちばん気持ちが高ぶっていて、いちばん手元が雑になりやすい瞬間でもあります。
そこに道具をひとつ挟んでおくだけで、手のけがも、魚へのダメージも、落として悔しい思いをする回数も減らせる。
私はこの道具を、釣果を伸ばす道具ではなく、釣りを気持ちよく終わらせるための道具だと考えています。
まずは自分がよく行く釣り場で釣れる魚のサイズを思い浮かべてみてください。
そのサイズが決まれば、あとはこの記事の基準に当てはめていくだけ。
次の釣行が、少しでも安全で気持ちのいい一日になりますように。
ところで、道具を買い替えたり買い足したりしていくと、使わなくなった竿やリールが家の中で眠っていくものです。
そうした釣具は、自宅から送って査定してもらえる宅配買取のサービスがありますよ。
査定は無料とされていますので、道具を見直すタイミングで一度のぞいてみるのもいいかもしれません。
送料の扱いや査定の条件は、サービスや時期によって変わることがあります。申し込む前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。
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